あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で美しいライフスタイルを!

5000年以上の歴史を持ち、クレオパトラも愛した植物との暮らし。植物と向き合い、植物の声を聞くライフスタイルや、ボタニカル・フードのとっておきレシピ。植物の世界からあなたに届く「美しい贈り物」です。

―この番組は、2021年3月で終了しました。―

2016.08.19

Botanical Recipe5
身体がよろこぶ! 「穀物」入りカスタムサラダをつくろう!

  • BotanicalRecipe
「野菜」や「ハーブ」を使ったメニューや料理のコツを、人気シェフや料理家といった“食のプロ”に教えていただく「ボタニカル・レシピ」。

今回はフードコーディネーターの柳瀬久美子さんが紹介する「カスタムサラダ」の2回目。「穀物」を取り入れることでサラダもぐっと魅力的に、栄養豊かな充実の一食に変身します。

(クスクスのカスタムサラダ)


夏こそカスタムサラダに取り入れたい食材! それが「穀物」
自分好みの野菜とさまざまなトッピングを自由に組み合わせてつくる最新のサラダスタイル「カスタムサラダ」。柳瀬久美子さんが、そのカスタムサラダに夏こそ積極的に取り入れて欲しいと提案するのが「穀物」です。カスタムサラダのベースとなる食材は、野菜だけではありません。穀物をベースにさまざまな野菜との組み合わせを楽しむこともできます。

穀物の魅力でまず注目したいのが、お腹に溜まる割に、脂肪分やカロリーが少なくて栄養価が高いということ。さらに食物繊維やたんぱく質も豊富なので、身体がよろこぶ要素をたっぷりと含んでいます。

そして、もうひとつの魅力は食感です。穀物は種類によっていろいろな食感が楽しめ、それが刺激となって食欲も生まれます。プチプチとしたものだったり、歯ごたえのあるものだったり。それ自体の味や風味が強くないところもポイントで、サラダ全体の味を邪魔せずに味わうことができるという魅力も持っています。そして、どの野菜とも相性が良いので、安心して「カスタムサラダ」に取り入れることが出来ます。


カスタムサラダによく合う穀物ベスト3
〜ワイルドライス、押し麦、クスクス

カスタムサラダに合わせたいおすすめの穀物はワイルドライス、押し麦、クスクスの3つです。黒褐色の殻でおおわれた細長いワイルドライスは、“ライス”という名前がついているもののお米ではなく、ザイザニア・アクアテイカという植物の種子です。ナッツの焦げたような香ばしい風味とプチプチした食感が特徴で、たとえばホクホクとした食感のかぼちゃとも相性抜群です。

(ワイルドライスのカスタムサラダ)

押し麦は、五穀米や十穀米によく混ざっているもので、実は普段から意識せずとも、口にしている人も多いかもしれません。単体では、つるんとした食感でとても食べやすい穀物。食物繊維とミネラルが豊富なことで知られていて、サラダに加えれば栄養価だけでなく、食べ応えも格段にアップします。

クスクスはモロッコやチュニジアといった北アフリカで食べられている“世界最小のパスタ”。低カロリーですが、お腹に入ると膨れるので満足感を得やすい穀物です。ゆでずにお湯で戻すだけで料理に使えるので、実は手軽に食卓に取り入れやすい食材で、癖もないので、いろんな野菜や食材と組み合わせ、楽しめるのも魅力です。


穀物入りカスタムサラダをおいしくつくるコツは?
穀物をカスタムサラダに使うときは、炊くのではなく、ゆでて使う場合がほとんど。ぬめりが残っていると、ベチャっとした食感になるので、事前に流水で洗うことを忘れずに。押し麦やワイルドライスのゆで時間はお好みで良いですが、おすすめは「少し固め」。ドレッシングなどの水分を加えると、ふやけて食感が悪くなってしまうので、それを計算してゆで時間を調整することが必要です。ゆでた後は、必ず水気を拭き取ることも忘れずに。これを怠ると、食感が悪くなる原因となってしまいます。穀物の食感が失われると、穀物サラダの魅力も半減してしまいますので、気をつけて調理をするようにしましょう。


夏にさっぱり! タブレスタイルのカスタムサラダ
では、最後に穀物をベースにしたカスタムサラダのレシピをひとつご紹介しましょう。今回は柳瀬久美子さんが夏になると必ず食べたくなるという、クスクスを使った「タブレスタイルのサラダ」の作り方です。

タブレというのは、モロッコやチェニジアで昔から食べられているクスクスを使った冷たいサラダのこと。パリでも人気のサラダで、街のデリでも必ず売られている定番サラダです。

まず、クスクスをボウルに入れて熱湯を注ぎ、軽く混ぜたらラップをして15分。これでクスクスを戻します。戻したクスクスを手でほぐし、トマト、キュウリ、タマネギなど好きな野菜をたっぷりトッピングして、ミントとインタリアンパセリを加えます。ドレッシングのソースはレモンの絞り汁に塩とオリーブオイルとコショウを加えて混ぜたもの。サラダにこのドレッシングを混ぜたら、ラップをして冷蔵庫の中に1時間。これで全体に味がなじみ、おいしく出来上がります。

「レモンを効かせたドレッシングとミントがさっぱりしていて、それにクスクスのパラリとした食感が合わさると、癖になります!そして夏にもぴったりです。」と柳瀬さん。ちなみに、このサラダは作り置きができるものなので、たっぷり冷蔵庫にストックしておくのがおすすめ。夏になると日が長くなるパリでは、この時期ピクニックが盛んになりますが、そこでも常連メニューのひとつなのだとか。キリッと冷えた白ワインにも合いそうですね。

(押し麦のカスタムサラダ)

「穀物」によってサラダはよりスペシャルフードに変身することができます。栄養豊富で身体も心もパワフルになれる穀物ベースのカスタムサラダを、ぜひこの夏の時期に楽しんでみてください。次回は、サラダに甘酸っぱさを加えてくれ、これも食欲を刺激してくれるフルーツをベースにしたカスタムサラダをご紹介しましょう。


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。8月は小野リサさんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。


柳瀬久美子(やなせ・くみこ)
レストランや洋菓子店などでの修行を経て、渡仏。エコール・リッツ・エスコフィエでディプロマを取得。帰国後、独立し、書籍や雑誌、広告などで幅広く活躍中。本格的な味わいで美しい料理に定評がある。自宅では料理教室とお菓子教室を主宰。

2015年6月に発売された『カスタムサラダ』(朝日新聞出版)は、自分で好きなトッピングや組み合わせを選んでつくるカスタムサラダのレシピ本。おいしくつくるサラダのルールにはじまり、葉物野菜ベース、穀物ベース……とベースの野菜別で紹介するサラダレシピや、フルーツを使った色鮮やかなフルーツサラダのレシピを収録。今話題のカスタムサラダを家庭でも楽しむことができる1冊となっている。

2016.07.15

Botanical Recipe4
自由奔放!カスタムサラダをつくろう

  • BotanicalRecipe
「野菜」や「ハーブ」を使ったメニューや料理のコツを、人気シェフや料理家といった“食のプロ”に教えていただく「ボタニカル・レシピ」。

今回から3回に渡ってお届けするのは、フードコーディネーターの柳瀬久美子さんが紹介する「カスタムサラダ」。その魅力や作り方のコツ、オリジナルのレシピなどをお届けします。



パリで出会った楽しげなサラダ、それがカスタムサラダ!
カスタムサラダとは、自分好みの野菜とトッピングを自由に組み合わせてつくる、とっておきのサラダのこと。柳瀬さんがこのカスタムサラダと出会ったのは数年前のパリでした。仕事上、外食が連日続いて胃がヘトヘト。そんなときに街中で偶然見つけたのが、カスタムサラダの専門店だったのです。ファーストフード店のような気軽な雰囲気で、店内のショーケースの中には何十種類もの野菜、そしてチキンやナッツといったトッピングが並んでいます。その中からベースの野菜を決定し、好きなトッピングを好きなだけオーダーし、最後にドレッシングをセレクト。それらを店員さんが、ボウルで大胆に混ぜ、大きな器に盛りつけてくれるというシステムでした。

当時柳瀬さんがオーダーしたのは、ベースの野菜にほうれん草、トッピングにチキンのグリル、トマト、ナスのマリネ、数種類のチーズとナッツ。ドレッシングは、バルサミコソースを選んだそうです。

「オーダーしている最中、お店の人が“これはいらない?”と陽気に話しかけてくるんです。その感じが、何だか楽しげで、よりおいしく感じました!」と柳瀬さん。この自由奔放でわくわくするサラダを、一瞬で気に入ってしまったのは言うまでもありません。サラダだけなのに、充分なボリュームでお腹はいっぱい。だけど胃がもたれないことがとても嬉しかったそうです。


カスタムサラダはニューヨークで発祥して世界の食トレンドへ!
ちなみに、カスタムサラダの発祥はニューヨーク。ヘルシーな食文化が発達するこの街では、数年前から「sweet green」などのカスタムサラダのお店がオープン。 近頃の食トレンドはワールドワイドで同時に動く傾向があるそうで、ニューヨークとほぼ同時にパリにも流行が到来しています。“並ばない”ことで有名なニューヨーカーたちも、こぞって、サラダだけしか売られていないお店に殺到、女性だけではなく男性ビジネスマンも多く、行列をつくっています。「サラダだけだとパワーが出ない!」という常識を覆し、ニューヨーカーの「パワフルフード」としてもはやランチの定番になっています。


“野菜たっぷり”をおいしく叶えるカスタムサラダ
ヘルシー志向が高まる中、柳瀬さんが考えるカスタムサラダの魅力は“野菜たっぷり”をおいしく叶えるところ。誰もが野菜をたくさん摂りたいと思っているものの、レタスときゅうりとトマトに市販のドレッシングをかけるだけ……というようなありきたりな味のサラダでは飽きてしまいます。でも、それにハムやチキンなどの動物性たんぱく質をトッピングしたり、ドレッシングを工夫したりすればバリエーションは無限大。味にも飽きず、たくさんの野菜を摂ることができます。

では、柳瀬さんに普段のサラダづくりにも取り入れて欲しい「カスタムサラダ」をおいしくつくるコツをおうかがいしましょう。


カスタムサラダをおいしくつくるコツ1
「葉野菜の歯ごたえを良くする方法」

「カスタムサラダ」のベースとなるのが葉野菜。その準備の仕方や切り方で味が大きく違ってきます。今回はまず、その葉野菜の準備の仕方のコツをご紹介しましょう。

まず大事なのは「水揚げ」。これは、ぐったりしてしまった切り花に、水を再び吸わせてあげることによって元気にしてあげるのと同じ感覚です。葉物野菜の根元を冷たいお水に10〜15分ほどつけて、シャキっとさせます。次に、さっと振り洗いするような感じで汚れを取り、傷んでいる部分を取り除きます。

使わない部分はペーパータオルに包み、ポリ袋に入れて密封して冷蔵庫に保存。サラダにする分は、更に10〜15分氷水につけてパリっとさせてから使います。このひと手間が、ドレッシングを和えてテーブルに出してからしんなりするまでの時間を長くしてくれるのです。少し手がかかるように思えますが、これによって野菜のシャキシャキ感が格段に増します。

また、切り方は野菜の種類によって使い分けることが大切。たとえば定番のレタスなら、サニーレタスなどリーフ系のレタスは手でちぎって使います。そして丸レタスやロメインレタスは包丁でざく切りに。こうすることで歯ごたえが残り、サラダの完成度が高まります。

「これらは知恵として知っておくことが重要 “そうしなくちゃいけない” と考える必要はなくて、知識として知っておいて、余裕のあるときに実践するぐらいの感覚でいるのが、自分でつくるときには良いと思いますよ。」(柳瀬さん)。

サラダが好きな人も、苦手な人も最新のサラダスタイル「カスタムサラダ」を試してみたくなったのではないでしょうか。次回もその魅力とレシピをお届けします。


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。7月は女優の浜美枝さんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。


柳瀬久美子(やなせ・くみこ)
レストランや洋菓子店などでの修行を経て、渡仏。エコール・リッツ・エスコフィエでディプロマを取得。帰国後、独立し、書籍や雑誌、広告などで幅広く活躍中。本格的な味わいで美しい料理に定評がある。自宅では料理教室とお菓子教室を主宰。

2015年6月に発売された『カスタムサラダ』(朝日新聞出版)は、自分で好きなトッピングや組み合わせを選んでつくるカスタムサラダのレシピ本。おいしくつくるサラダのルールにはじまり、葉物野菜ベース、穀物ベース……とベースの野菜別で紹介するサラダレシピや、フルーツを使った色鮮やかなフルーツサラダのレシピを収録。今話題のカスタムサラダを家庭でも楽しむことができる1冊となっている。

2016.06.17

家イタリアンが「本格シェフ」の味になるイタリアンのコツ3
〜新鮮ハーブのボウルパスタ!

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銀座の人気イタリアン・レストラン「アロマフレスカ」の原田慎次シェフに教えていただく、お家イタリアンが「本格シェフ」の味になるコツ。3回目は、新鮮なハーブを使った「ボウルパスタ」をご紹介します。

原田シェフが料理を提供する上でもっとも大事にしているものは、素材が放つフレッシュな香り。店名の「アロマフレスカ」は“さわやかで新鮮な香り”という意味で、その香りをお客さまに届けたいという思いからきています。原田さんの料理にとって、香り引き立つフレッシュなハーブは欠かせない存在なのです。



キッチンでハーブの鉢植え栽培をしよう!
ハーブの栽培は広い庭がないと……と考えている人が多いかも知れませんが、実は陽があたればキッチンでも、ハーブを栽培することは充分可能。お家イタリアンに1番活躍するのが「バジル」と「イタリアンパセリ」です。バジルは40以上もの種類がありますが、一般的といわれる「スイートバジル」は見た目もかわいくて、料理に使いやすいそうです。また栄養価が高いことでも知られている「イタリアンパセリ」は、仕上げにさらっと添えるだけで、見た目も一気に格上げされます。調理中にすぐ手の届くところにあると、とっても便利です。とりわけ「鉢植えからちぎった、“とれたてハーブ”を使うと格別に味が良くなる!」そうです。ただし、この「バジル」と「イタリアンパセリ」は葉っぱも柔らかく、ややデリケートな植物。初心者なら、種ではなく苗から育てるのがおすすめです。

では、「とれたてハーブ」の旨味を存分に引き出したレシピを原田シェフに教えていただきましょう。


新鮮ハーブをどっさり使った、ボウルで作る簡単パスタ
原田シェフが提案する本格お家イタリアン「トマトとフレッシュハーブのスパゲティ」は、自身が本場イタリアの知人の家で食べたパスタがベースとなっています。裏庭に生えていたローズマリー、セージ、バジリコ、イタリアンパセリをたっぷりと摘んできて、そのままザク切りに。ボウルに入れたゆでたパスタとトマト、にんにく、オリーブオイル、唐辛子にそれらを一緒に混ぜて、最後にパルメザンチーズをかけるだけというシンプルパスタ。とても簡単なのに、とれたてのフレッシュハーブの良さが引き立っていて、感激してしまったのだそうです。

ポイントは「新鮮なハーブをどっさり入れること」と、必ず「ボウルで混ぜる」こと。火を使わない分、余分な熱が加わらないので、フレッシュさが失われません。熱々じゃないということさえ除けば、パスタを作るのにボウルは、ほぼパーフェクトな調理器具。実は、イタリア人はそもそも熱々のものを好まず、少し冷めているぐらいが味がわかってちょうどいいという嗜好。細かいことを気にしない、そして豪快。この新鮮ハーブをどっさり使ったボウルパスタは、まさにイタリア人らしいスピリッツが受け継がれたような1品です。鮮やかなハーブの緑が目にも涼しげで、夏にもぴったりです。


毎日を素敵に変える、フレッシュハーブに囲まれた暮らし
キッチンに陽があたるのであれば、ぜひフレッシュハーブに囲まれた生活をして欲しいという原田さん。健やかな日射しで、すくすくと育つ新鮮なハーブの香りに包まれたキッチンは、とてもヘルシーな気分になります。そして、窓際に並ぶたくさんのグリーンたちは、素敵なインテリアとしても一役買ってくれます。もし、たくさん育ってしまったら、フレッシュ・ハーブティーとして楽しむのもおすすめ。また、キッチンに紐で結んでつるしておけば、自然乾燥して乾燥ハーブに。さらに長く使うことができます。

ハーブの鉢植え栽培がもたらしてくれるものは、まさに、自然のものを上手に取り入れた暮らし。緑あふれるキッチンで心豊かに料理を楽しむことも、プロのシェフの味に近づくエッセンスなのかもしれません。


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。6月は国立西洋美術館の館長、馬渕明子さんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。


原田慎次(はらだ・しんじ)
1969年生まれ。六本木「ヂーノ」で修行を積み、青山「ジリオーラ」で4年間シェフを務める。1998年、広尾に「アロマフレスカ」を開店。現在は銀座に移転し、野菜を中心としたヘルシー料理で予約が殺到する人気店に。斬新かつ繊細な現代イタリアンは、高く評価され、ミシュランガイドで2008年から現在まで連続で星を獲得している。

2016年1月に発表された『アロマフレスカ直伝 おいしさに差がつく! イタリアンのコツ60』(講談社)は、「簡単で、おいしいパスタ、イタリアンが家で食べられたら……」という声に答えた1冊。ボウルであえるだけのパスタや、鍋ひとつでできる簡単リゾット、焼くだけのメイン料理など手軽で本格派なレシピが、美味しさのコツとともにラインナップされている。

2016.05.20

Botanical Recipe2
家イタリアンが「本格シェフ」の味になるイタリアンのコツ2
〜ドライトマト・パワー

  • BotanicalRecipe
人気イタリアン・レストラン「アロマフレスカ」の原田慎次シェフに教えていただく、お家イタリアンがシェフの味になるコツ。前回ご紹介した「黒オリーブの秘密」に続いて、第2回目は「ドライトマト」に隠されたパワーについてご紹介します。

原田シェフにとっての「ドライトマト」の魅力は「フレッシュトマトにはない酸味と甘みがぎゅっと凝縮された味わい」。これが料理のアクセントになるため、「アロマフレスカ」では、多くのメニューで活躍しています。



「ドライトマト」はパワフルフード
日本ではまだ馴染みが薄い「ドライトマト」の発祥は南欧。もともと夏にたくさん収穫したトマトを冬場に使うための保存食として、塩をふって天日干ししていたのが始まりです。さらに日持ちさせるために、これをオリーブオイルに漬けて、必要なときに使っていたそう。また太陽の力を充分に吸収したドライトマトは保存性だけでなく、その栄養価が高くなることでも知られています。エイジングケアに欠かせないビタミンCは生のトマトの数倍に。トマトの栄養価として有名なリコピンも消えることなくしっかりと存在し、その他のカリウムやビタミンD、食物繊維も凝縮されるため、全体の栄養価が高くなります。

今回はこのパワフルフードともいえる「ドライトマト」を使って、プロの味に仕上げるコツを教えていただきました。


少し足すだけで料理の幅が広がる「ドライトマト」のパワー
お肉料理の付け合わせの野菜炒め。これにドライトマトを刻んでいれるだけで、料理のクオリティが一気に格上げされます。その手順はというと、まずフライパンでお肉を焼く。お肉を休ませている間に、お肉の風味が残ったフライパンで野菜を炒める。そこにドライトマトとお好みでアンチョビやケッパーを加えて炒める。完成した野菜炒めをお肉に添えて、最後にフライパンに残った汁をお肉のソースとしてかけて完成。トマトの凝縮されたコクが広がった“洋風お肉料理”が、「ドライトマト」の力で、こんなにも簡単にできてしまいます。

「みなさん使い慣れていないだけで、ドライトマトに合わない食材は、あまりないんです。焼き魚に添える大根おろしに、ドライトマトを細かく刻んで混ぜても、料理として様になりますよ」と原田さん。色んなものに少し足すだけで、料理の幅が一気に広がる「ドライトマト」は、家庭でもぜひ取り入れて欲しい食材なのだそう。


自家製「ドライトマト」で生活にちょっとした彩りを
ドライトマトの魅力をさらに味わうなら、自宅でドライトマトを作ってみるのも良いかもしれません。80度〜100度に調整した低温のオーブンに、半分に切って、塩とオリーブオイルを軽くふったミニトマトを入れて待つこと3時間〜5時間。あっという間に自家製ドライトマトの出来上がりです。もしその日が休日なら、甘酸っぱいドライトマトを楽しみに、ちょっとわくわくしながら掃除と洗濯を。そして夜はお手製ドライトマトを使った手づくりパスタを味わいながら、ゆっくりワインを楽しむなんていかがでしょう。先ほど紹介したドライトマトを使った野菜炒めは、ワインのおつまみとしてもぴったりなのだとか。トマトのうま味と栄養素がたっぷりつまった「ドライトマト」。その魔法を借りれば、何気ない日々にちょっとした彩りがもたらされそうですね。

家イタリアンが「本格シェフ」の味になるイタリアンのコツ、次回3回目は「バジルやイタリアンパセリの鉢植え栽培」についてご紹介します。

TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。5月はシンガーの高橋真梨子さんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。


原田慎次(はらだ・しんじ)
1969年生まれ。六本木「ヂーノ」で修行を積み、青山「ジリオーラ」で4年間シェフを務める。1998年、広尾に「アロマフレスカ」を開店。野菜を中心としたヘルシー料理で予約が殺到する人気店に。斬新かつ繊細な現代イタリアンは、高く評価され、ミシュランガイドで2008年から現在まで連続で星を獲得している。

2016年1月に発表された『アロマフレスカ直伝 おいしさに差がつく! イタリアンのコツ60』(講談社)は、「簡単で、おいしいパスタ、イタリアンが家で食べられたら……」に答えた1冊。ボウルであえるだけのパスタや、鍋一つできる簡単リゾット、焼くだけのメイン料理など手軽で本格派なレシピが、美味しさのコツとともにラインナップされている。
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