Yuming Chord
松任谷由実
2023.12.01.O.A
先週に引き続き、私が信頼してやまないアーテイストの2組をお招きしてお送りします。今日のコードは「RHYMESTER&岡村靖幸 cheers 松任谷由実 〜“ユーミン”先輩と乾杯!!」。
■今週のChordは“RHYMESTER&岡村靖幸 cheers 松任谷由実 〜“ユーミン”先輩と乾杯!!”
ユーミン:今回は、12月20日にリリースされる『ユーミン乾杯!! 〜松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム〜』に参加してくれた、私が信頼してやまないアーテイストの2組をお招きしてお送りします。
まずは・・・!
宇多丸:はい!RHYMESTERの3人組、まずはラップをしている方の1人、宇多丸でございます。そして・・・。
Mummy-D:もう1人、ラッパーでMummy-Dです。
DJ JIN:そして私がRHYMESTERのDJ JINと申します。よろしくお願いします。
岡村:そして私が、岡村靖幸です。
ユーミン・RHYMESTER:(笑)。
宇多丸:ちょっと今、間が・・・。
岡村:何か「DJです」とか言いたかったんだけど、「DJじゃなかったなぁ」と思って。
宇多丸:DJもやられてますけどね。
ユーミン:私も観に行ったことがあるもん。
岡村:ですよね。来ていただいて。
ユーミン:仲良し4人組をゲストにお迎えして(笑)、改めまして、今日のコードは「RHYMESTER&岡村靖幸 cheers 松任谷由実 〜“ユーミン”先輩と乾杯!!」。
いよいよ12月に突入して、リリースが待ち遠しいコラボベストアルバム、『ユーミン乾杯!! 〜松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム〜』をもっと楽しみたいあなたにお届けするスペシャル企画!
先週に引き続き、このアルバムに参加してくれた2組のゲストに、コラボ楽曲の制作裏話などを伺っていきますが・・・、念のためお伝えしておくと、参加アーティストは、RHYMESTER、岡村靖幸さんのほか、GLIM SPANKY(「真夏の夜の夢」)、くるり(「輪舞曲(ロンド)」)、小室哲哉さんプロデュースで乃木坂46のメンバー(「守ってあげたい」)、YOASOBI(「中央フリーウェイ」)、YONCE(「真珠のピアス」)、そして、ロシアのテクノの女王、DJ・Nina Kraviz(「春よ、来い」)・・・となっています。
Mummy-D:すごいよね!偏ってるなあ。自分も含めてですけど(笑)。
RHYMESTER・岡村:(笑)。
ユーミン:これがね、通して聴くと統一感がブリブリにあるんですよ。
RHYMESTER・岡村:へえ!
ユーミン:本当にね、ありがたい、音楽をやってきて良かった、友達になって良かったって感じのラインナップでございます。早くみんなにまとめて聴いて欲しいな。
SATURDAY NIGHT ZOMBIES
RHYMESTER cheers 松任谷由実
ユーミン:お送りしているのは、RHYMESTER cheers 松任谷由実「SATURDAY NIGHT ZOMBIES」。
オリジナルは1987年12月リリースのアルバム、『ダイアモンドダストが消えぬまに』に収録されている1曲です。
今年の冬は、久しぶりに飲み過ぎたZOMBIESたちが街にあふれるんでしょうか。
とはいえ、ポストコロナの今、価値観ががらっと変わって、習慣も意識もアップデートを余儀なくされた気もしますよね。
何か創作活動で影響を受けたと思う点はありますか?
Mummy-D:ちょうどこれを作っている時が、2020年とかだったかな。だからコロナ禍で一番えぐい時で、このトラックを作り直したりするのが、心の健康を保つ唯一の作業だったみたいなところがあった。
ユーミン:嬉しい!
Mummy-D:だってライブもできないし、ミーティングすらろくにできなかったもんね。
宇多丸:しかも、これがさ、「華やかな夜遊びに行こうぜ、でも、ゾンビのように」というちょっと皮肉なメタファーも入っていて・・・そう考えると、何かいいですね。いいというか、ピッタリというか。
Mummy-D:それでせっかく早く作ったのに、全然(アルバムが)出やしない、と。どうやら企画を止めているのは、岡村靖幸らしい、と(笑)。
岡村:うるさいよ(笑)。
一同:(笑)。
ユーミン:大丈夫。もっと止めている人がいっぱいいたから(笑)。
Mummy-D:そう。それがわかった。
ユーミン:実は、コラボベストアルバム『ユーミン乾杯!!』は、コロナ禍だったからこそ、時間をつくってもらえた、という面もあるんですよね。
今日のコードは「RHYMESTER&岡村靖幸 cheers 松任谷由実 〜“ユーミン”先輩と乾杯!!」。このあとは、かなり時間をかけて仕上げてもらった1曲、岡村靖幸 cheers 松任谷由実「影になって」の楽曲解説、Deepにお届けします!
<BGM. 影になって / 松任谷由実>
ユーミン:「影になって」とコラボしてくれたのが、岡村ちゃん!
「この曲を選んでくれたのは?」と聞くのもちょっと気が引けるんだけどね。違う曲に着手してくれていたんだけど、こっちの方が岡村ちゃん、グァーッとやってくれるんじゃないか、という方向転換で。
岡村:そうですね。ちょっと真面目な話になりますけど、一番最初の企画は、宝のようなトラックがあるわけですよ。それを触らせてもらうというところから始まるわけですよ。
僕が使ったやつは、まだ打ち込みの時代じゃないマルチをもらって、1つ1つ整えていくんです。生ドラムは生ドラムで整えていって、ベースはベースで整えて。
Mummy-D:だって(音が)ずれちゃうもんね。
岡村:プラスで、現代的なものを加味するという。だから全く変わるんじゃなくて、元の素材・・・古着を1回切って、もう1回新しい服を作る。
Mummy-D:あつらえなおす。
岡村:でも、生地自体が最高だから。「あの時代のあの服だよ。もう、ちゃんと縫える人もいないから」みたいな感じのものを触らせてもらって、新たな服を作らせてもらっている、みたいな感じの企画だと思っていたんですよ。
だから本当にね、もう何か、職人の・・・。
ユーミン:タペストリーのような。岡村ちゃんの作業は。
岡村:そう。綴れ織り(つづれおり)のような、職人の職人だ、みたいなことをやって(出来上がった曲を)送ったら、「もっと弾けて欲しい」と。
宇多丸:本当に再構築、もっとぶっ壊してちゃっていい、みたいな。
岡村:「バギッといけ!」って言われて。
ユーミン:「バギッといけよ!」みたいな(笑)。
一同:(笑)。
岡村:「はい!」って言って、もう1回。僕はこの「影になって」という曲が元々好きで。グルービーだし。
ユーミン:仕上がりを聴いて、体に入ってくれている気がした。
岡村:ブラックな感じもあるし、アーバンな感じもあるし、あと有難かったのは、今、シティポップブームで、シティポップな部分もあるし。モダンに作ったつもりです。
宇多丸:完全に再解釈というかね。
岡村:ただ、この曲自体が持っている本当に大事なことは一切いじってないです。コードとか。
Mummy-D:一番大事なところはね。
ユーミン:一番大事なところに、エクサイターをかけてくれた。寂寥感とかね、疾走感とかね、そこがもっとすごくなってる。
岡村:寂寥感は、元々この曲はものすごいセクシーで・・・“孤独がセクシー”という。すごい詞なんですよ、これ。
「踊るように歩こう」とか、「ワードローブちらかし」とか、田舎の少年からするとさ、“田舎にはないぞ”とか思ったり(笑)。
RHYMESTER:(笑)。
宇多丸:タンスはあっても、ワードローブはない(笑)。
岡村:そして、「踊るように歩こう」って、この主人公は最初に電話して、繋がらなくて切ないわけ。そうなんだけど、心を切り替えて、ワードローブを脱ぎちらかして踊るように歩くって、そこがさ、もう・・・。
宇多丸:ユーミンさんの曲の主人公って、けっこうそのパターンありますよね。「土曜日は大キライ」とかでも。
岡村:だから、寂寥感というのは、あの詞が・・・というか、僕があの(寂寥感を感じるような)アレンジをしたのだとしたら、ユーミンさんが引き出したんですよ。あの曲が元々そういうものを持っているんですよ。
ユーミン:岡村ちゃんが、寂寥感のかたまりじゃないの。
RHYMESTER:(笑)。
宇多丸:だから、孤独を抱えながら踊るように歩いている人、それは岡村靖幸だ、と。
ユーミン:その通り。
岡村:まあね。
ユーミン:では、そんなお話のあとに、血と汗と涙とさまざまな結晶をお送りしましょう!
曲紹介、お願いします。
岡村:はい!岡村靖幸 cheers 松任谷由実「影になって」。
影になって
岡村靖幸 cheers 松任谷由実
ユーミン:カッコいいわ〜、本当に。
RHYMESTER:いやあ、すごいですね!
宇多丸:このバーチャルデュオ?みたいなのってたまにあるけど、このバランスって、今、聴きながらD(Mummy-D)も言ってたけど・・・。
Mummy-D:そう。1本なんだよね。
宇多丸:最後、渾然一体になるというか。
Mummy-D:ユニゾンじゃないんだよね。
宇多丸:いやあ、これは“岡村ラボ”だよね。
ユーミン:見事です。
宇多丸:岡村ラボで生まれた、ユーミンと岡村さんの融合体が最後に誕生して未来へ、みたいな。
ユーミン:このアルバムは、『ユーミン乾杯!!』以外の何ものでもないですよ。
こうして、「後輩」と呼ぶのはおこがましいが・・・私の楽曲とリスペクトをもって向き合ってくれて、本当に、ユーミン先輩は感謝でいっぱいです!
RHYMESTER・岡村:とんでもないです。ありがとうございます。
ユーミン:そして、みんな、温故知新しつつ、一緒に進化していきたいよね!変わり続けていきたい。
最後に、師走に突入したことだし、ちょっと早いけど、2024年の抱負を教えてください。
Mummy-D:どうですかね、抱負ね。
宇多丸:もちろん2月には武道館があって、あと、DさんはDさんでまた。
Mummy-D:ラッパーってね、アメリカでも僕ら世代が第一人者なので、ラッパーが50代にどういうキャリアを積んでいくか、まだ世界は知らないんですよ。
ユーミン:お、いいねえ。
Mummy-D:だから、僕らが面白いと思ったものを今後もガンガンやっていって、それを前例にしていくしかないって感じですね。
岡村:本当に3人は挑戦している感じがします。
ユーミン:するする!
DJ JIN:健康第一でいきたいと思います。
一同:(笑)。
Mummy-D:それ、めっちゃ大事。
ユーミン:岡村ちゃんの番です。
岡村:あのね、変な話、写経を最近始めたんですよ。
ユーミン:えー!
岡村:写経っていうのは、ずっと、30年間ぐらい、ちょっと気になってたことだったんです。なぜかというと、細野(晴臣)さんが困ると写経をするという話をよく聞いていたんです。
宇多丸:無心になれるのかな。
岡村:YMO時代とか、苦しい時代とか、写経をすると。「ふむ、(写経には)何か意味があるのかな」と思って。
やってみてわかったことは、少しずつ、にじませるように身体にいろいろ教えてくれるものなんだなあ、と。
ユーミン:ということで、先週に引き続き、今回はホント、みなさんからエネルギーをもらった気がします!こういう場を持てて本当に嬉しいです。
RHYMESTER・岡村:こちらこそ。
ユーミン:ご多忙の中、スタジオに来てくれてありがとう!
『Yuming Chord』、ゲストはRHYMESTERの宇多丸さん、Mummy-Dさん、DJ JINさん、そして、岡村靖幸さんでした!
RHYMESTER・岡村:ありがとうございました。
「RHYMESTER&岡村靖幸 cheers 松任谷由実 〜“ユーミン”先輩と乾杯!!」というコードで、『ユーミン乾杯!! 〜松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム〜』に参加してくれた2組のゲストをお迎えしました。
いやあ、楽しかったなあ。排他的じゃなかったですよね。年齢性別を超えて、子供でもない、大人でもない、音楽大好き仲間が集まって。
まだまだ、変化し、進化し続けることがお互いのスタイルを維持することだな、ということを改めて感じました。
そして更に、12月20日リリースの『ユーミン乾杯!! 〜松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム〜』に関してのお知らせです。
先週、「桑田佳祐のやさしい夜遊び」で、桑田君からサプライズ発表されましたが、1986年、音楽番組のために2人で作った曲を桑田君にリメイクしてもらって、この度、新たにレコーディングしました。
ビクタースタジオで、桑田君の鬼ディレクションのもと、“原坊”、原由子さんも参加してくれて、刺激的で楽しかったですよ。まさに、“Love&Peace 仲良くしようよ”。
そんな想いをこめてコラボした曲、「Kissin' Christmas (クリスマスだからじゃない) 2023」。こちらを『ユーミン乾杯!!』に収録することになりました。
「Yuming Chord」でも来週、制作裏話をお話ししながらフルオンエアしますので、そちらもお楽しみに!
そのほか、ツアーグッズの詳細やツアーのスケジュール、コラボベストアルバム「ユーミン乾杯!!」に関する情報も含めて、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページやツイッター改め「X」、Facebook、インスタグラムなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。
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