Yuming Chord
松任谷由実
2016.01.01.O.A
2016年最初の放送は、めでたい元日となりました。
みなさま、どんなお正月をお過ごしでしょうか?
おかげさまで私は、例年にないアクティブな年越しを迎え、充実した気分でマイクの前に座っています。
数々のご縁に改めて感謝しつつ、幕開けを迎えた新たな年。
今年最初のコードは・・・「縁起もの」です。
■今週のChordは“縁起もの”
A Happy New Year
松任谷 由実
去年はいいこと、あまりなかったな・・・、というあなたも、お正月は“しきりなおし”のいい機会。「縁起もの」をそろえて、すがすがしい気分で一年を一緒に始めましょうね。
まずは、新年初めの初うんちくを。
そもそも、「縁起」とは仏教のことばで、すべての事象は、さまざまな原因=「因」と条件=「縁」、つまり“因縁”によって起こる、生ずるとする意味を示しているんですね。
よい縁も悪い縁も、すべての縁によって“私自身”は成り立っている・・・、そう意味では自分の力ではいかんともしがたい「縁起」なんですが、先人は、“よい縁が起きるように”という願いをこめて、「縁起もの」を身につけたり、食べたり、飾ったり、実践してきた・・・というわけです。
「縁起もの」は、季節を感じることとつながっていますよね。
私の場合も、縁起もの、という意識というより「季節感を大切にしよう」という心から、お正月飾りをしたり、食卓に取り入れたりしています。
お正月に必ず飾るのは「羽子板」。
邪気や悪いものを“はね(羽根)のけ”る、厄除けや魔除けとして飾ります。我が家にある羽子板は毎年お話していますが、ちょっと変わった1枚。
お正月の縁起ものといえば年神さまとともにいただく「おせち料理」。今年もまた、有難いことに、めでたさを重ねる“お重”が届きました。
でも、これだけは毎年手作りするものが、「なます」。紅白なますは、お祝いに使う水引を意味するといいます。
大根やニンジンといった根菜を使うのは、家庭の基盤がしっかり整う、という意味もあるんだそうです。
家庭円満、大切ですね!
そして、お正月に限らず生花を飾るのも、よい縁を呼び込んでくれるはず。
お正月によく飾るのは松、南天(難を転じる)、同じく赤い実をつける千両や万両、菊、梅など。
そしてなんといっても、「初詣」。地元の氏神さまが一番、大切です!初詣は、神様に一年のご加護を感謝して誓いをたてるためのもの。お願いごとをするというより、○○のために努力しますから、見守ってください・・・と、神さまの前で決意を表明するのが正しい初詣のカタチだそうですよ。
神様の前で手をあわせる機会、私は旅に出ることが多いので、八方除けの祈祷にもその都度、必ず行きますね。
いつも吉の方角へ出かけられるわけではないので、しっかりお参り!そのとき頂いたお札は旅に持っていって枕元に置いたりします。
そのほか、お正月の「縁起もの」といえば・・・
「初夢」・・・現代においては、一月二日、つまり今夜眠ったときにみる夢をさすようです。初夢の縁起ものといえば“一富士 二鷹 三茄子”。由来は諸説ありますが、時の将軍・徳川家康に縁の深い駿河の国の名物、日本最高峰の富士山、富士に住む名鳥の鷹、他国よりも早くとれる初茄子を並べた・・・、とか、家康のお気に入りのものを並べた、とか。
また、富士山は「無事」や「不死」に、鷹は「高い」で出世を、茄子は「成す」つまり、成功に通じる・・・といった語呂合わせの説など、いろいろです。
さらに!その後「四扇五煙草六座頭(しせん・ごたばこ・ろくざとう)」と続きます。四の扇は末広がりなので子孫繁栄・商売繁盛を、五の煙草は人が集まる席では欠かせない、煙が上へ昇る様子が運気上昇を、六の座頭は剃髪した琵琶法師のことをさしていて、「毛がない」から「怪我ない」へ通じるのだとか。
今夜は、どんな夢をみるでしょう?
Bonne annee
松任谷 由実
一般的じゃなくても、自分だけの「縁起かつぎ」「験かつぎ」がありますよね。私の場合は、そのツアーごとに香りを決めて、ツアー中はその香りをまとってステージに立ちます。縁起のいいモチーフはジャンル別に見てもいろいろあります。
動物なら、不・苦労で「フクロウ」や、長寿の象徴「鶴」や「亀」。
日本では「馬」、「鷺」、「鹿」、「狐」そして今年の干支「猿」も神の使いとして、神社にまつられています。猿は「まさる(勝る)」「魔が去る」に通じるそうですよ!
おせち料理の他にも縁起のいい食べ物がありますよね。
邪気を祓う「赤」い「飯」なら「お赤飯」や、「魔」の力を“滅する”「豆」。「鯛」はめでたい、「河豚」は「福」などなど。
海外にもさまざまな「縁起もの」がありますよね。
「風見鶏」・・・モチーフになっている雄鶏は警戒心が強いため「魔除け」となっている。
「ウサギの足」・・・ヨーロッパではポピュラーなお守り。繁殖力の強さが「多産」の、また、眼を開けたまま生まれてくることから、邪悪な視線に対するお守りに使われてきたとか。
また、ウサギの足が劇場でパウダーパフとして使われていたことから、舞台がうまくいくように、という縁起かつぎのアイテムでもある。
「四つ葉のクローバー」・・・四枚の葉は「希望・信仰・愛・幸運」、または「富・名声・愛・健康」を示しているとか。無敵の縁起ものです!
韓国の「唐辛子」・・・よく軒先に吊るされていますが、ひとつ落ちるごとに、一緒に厄を落としてくれるんだとか。
そして実は私、縁起ものを並べた小唄をつくりました。
私が昨年より観光ブランドプロデューサーをつとめる石川県のためにつくった「ひゃくまんさん小唄」。魅力たっぷりの石川県をPRするこの小唄、なかなかの評判なんですよ。
ひゃくまんさんとは、石川県の郷土玩具で、縁起ものの「加賀八幡起上がり」をモチーフに、石川の多彩な文化をぎゅっ!と凝縮したマスコットキャラクター。北陸新幹線開業PRキャッチコピー「いしかわ百万石物語」を象徴しているので、百万石の豪華絢爛さをイメージした、華やかでカワイイキャラクターです。
なんだか、なでるだけでご利益がありそうなまさに「縁起もの」。
ひゃくまんさん小唄
日本には、本当にたくさんの「縁起もの」があります。
中には、どんなご縁もいいご縁にしてしまおう、という力技もありますが、それがまた楽しかったりもしますよね。
そのポジティブシンキングは、今年一年をきっと、充実したものにしてくれます!
さて、今日は今年初の放送、ということで、私の今年一年の展望をお話すると・・・
まずは、2月5日からスタートする冬の定番、「SURF & SNOW in Naeba」に全力投球!
そして、新しいアルバムのリリース、そしてツアーに向けて、昨年に引き続き創作活動に励みます。
この番組で、随時ご報告していきますので、どうぞお楽しみに。
そして今年もなにとぞ、よろしくお願いいたします。
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