TUXEDO JUNCTION
Manhattan Transfer
太古の昔から、人々は夜になると洞窟へ集まって、焚き火をしながら肉を焼き、お酒を飲み、闇夜の恐怖をまぎらわしていた・・・。文筆家の海野弘さんは『酒場の文化史』という本の中で、そんな仮説をたてつつ、こう、ひもといています。
「ほの暗くて、狭くて、すっぽりと包みこまれるような」洞窟こそが、酒場の原型である・・・。
まさに、今日のコード「BAR」とは、そんな場所かもしれません。
ダイニングBARやスポーツBAR、プールBARにゲイBARなどなど、「BAR」にも色々ありますが、今日のコードはいわゆる「オーセンティックBAR」のこと。バーカウンターがあって、信頼のおける腕利きのバーテンダーがいて、ジャズか何かが静かに流れてる・・・そんな正統派のBARについてのお話です。
まずは、あらためて私にとってのBARってどういう場所なのか考えてみると、自分を取り戻す、リセットする場所。大人になった場所。人生を半分預ける場所・・・。
何度も通いたくなるBARとは?ツボを抑えた絶妙な接客っぷりのバーテンダーがいる、あたたかみのあるトーンの低い照明、BGMはジャズのピアノ、お酒が主役とはいえ、気の利いたおつまみがある・・・など。
BARは大人が集う場所。一期一会の素敵な出会いも楽しめますよね。
オーセンティックBARは敷居が高くて入りにくいという声も、よく聞きます。確かに、重厚な扉のBARは、気軽な入店を許さない雰囲気をかもし出していますよね。
So What
Miles Davis
「BAR」という言葉の語源は諸説ありますが、最も一般的なのは19世紀アメリカの西部開拓時代にさかのぼります。血気さかんな移民たちが新天地を求めた前線に出来たのは、簡易居酒屋。
そこではビールやウイスキーを樽から量り売りしていましたが、荒くれ男たちは酔っぱらうと、自分で樽に近づいて勝手にお酒を飲もうとします。困った店主が樽の前に客席との仕切りを作って近づけないように置いたのが「木」、つまりBAR。
そこからBARという名前が使われるようになり、世界中へ広まっていったそうです。
お気に入り、いきつけのBARは正直、誰にも教えたくない「聖域」ともいえる場所。
思い出深いBARといえば・・・
西麻布のとあるBAR・・・シガーバーでもある。ある大物実業家と関わりが深い方がバーテンダーを務めています。
青山のとあるBAR・・・ここへは作家の村上龍さんに連れて行ってもらいました。そもそも1号店のオープンは神宮前。1972年、カウンター9席のバーで、作家をはじめデザイナーやアーティストが集うバーとして有名でした。