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【放送時間】山崎怜奈の誰かに話したかったこと。内 Mon-Thu 14:30頃〜

TOKYO FM

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オンエアレポート
2013.11.05

『字幕翻訳家が教える、映画の字幕の秘密!前編』

突然ですが、最近、どんな映画を見ましたか?特に洋画ファンにとって、なくてはならいのが字幕ですが、実はこの字幕には、私たちの知らないルール、秘密があるんです。ボディガード、バイオハザードシリーズ、コンタクトなど、1000本以上の作品を手がけた字幕翻訳家の太田直子さんと一緒に、映画の裏側のぞいていきます。

まず最初の秘密は、こちら。
『台詞1秒に対する、字幕は、4文字以内である!』
実は、元の文章を直訳したのでは、お客さんは読みきれないんです。あくまでも目安ですが、1秒に4文字くらいが限度で、これを基準に翻訳してるんです。そうじゃないと、画面が文字だらけでニコ動みたいになっちゃうんです。笑

例えば、「You didn’t know?」を「知らなかった?」って訳すところですが、字幕では?
これ1秒は時間でいうと、1秒かからないくらい。それに対して「知らなかった?」は6文字。これでは多すぎ。なので、例えば、「初耳?」と訳すと、2文字で済みます。字幕翻訳者は、普通に「知らなかった?」でいけそうかな?それともこの字数じゃダメかな?とか、1日8時間くらい悩み続けてるんですって。国際映画祭などでは、外国でつけた英語の字幕が出るけど、英語の字幕はひどいものが多いんだそうです。喋ってないのにでてきたり。タイミングめちゃくちゃ。5秒くらい早口でしゃべってるのに、「OK」だけとか。割と大雑把。「こんなもんだろう」って感じで入れてるんです。それに対して、日本の字幕って、本当に細かいんですね。

続いての秘密はこちら。
『映画カサブランカの”君の瞳に乾杯”は、名台詞というより名翻訳だ!』
よくいわれてる映画の名台詞。あれ実は直訳とは違って、雰囲気で付けているのも多いんだそうです。「Here’s looking at you kid」これは直訳すると、「おまえから目をはなさないぞ」っていうような意味。場面の雰囲気で、グラスをもちあげて、相手を見つめる。”瞳”とか、”乾杯”とか、映画の中にはないんです。そこにあのシーンの雰囲気のある字幕を考えたのはすごいですね!しかも、6文字で、1秒半。そういうことも考えながら、いかに美しく、ムードたっぷりの台詞をつくれるか。それが、翻訳家の醍醐味なんだそうです。    
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