岡山
雲海たなびく奇跡の光景!天空にそびえる山城へ
FM岡山
牛嶋俊明さん
中国地方、瀬戸内海に面する『岡山県』は、降水量が日本一少なく『晴れの国』とも呼ばれる地域。年間を通して雨の日が少ないので、実は、観光に出かけるにはもってこいの場所なんです。夜はライトアップも楽しめる『瀬戸大橋』をはじめ、レトロで趣ある街並みの『倉敷美観地区』、日本三名園の一つである『岡山後楽園』、‶日本のエーゲ海〟と呼ばれるロマンチックな『牛窓』エリアなど、ちょっと優雅な気分を味わえるスポットがいっぱい!デートコースにも最適ですよね。)
その岡山エリアの中でも、トレンドに詳しい岡山県民を常に満足させる最新トピックを発信しているラジオ局といえば「FM岡山」です。瀬戸内を拠点とするSTU48の番組から、岡山放送とのコラボプログラム、音楽、ゴルフ、街ネタなどなど気になる番組が満載ですよ!)
そして、このFM岡山の‶顔〟ともいえるDJが、今回お話を聞かせてくださる牛嶋俊明さんです。牛嶋さんは現在、冠番組『牛嶋俊明ドリームファクトリー』(金15:00~)をはじめ4つの番組を担当。趣味はマラソンで、県外の大会にも赴いているんだとか。
「FM岡山の‶走るDJ〟牛嶋です。年間を通してさまざまなマラソン大会に出場しています。コロナ禍で最近は実戦から遠ざかっていましたが、現在は2022年に出場する予定の大会に向けて日々練習を続けています。番組もマラソンの如く情熱を込めてお届けしていま~す!」(牛嶋さん、以下同)
備中松山城

マラソンやスポーツだけでなく、歴史や時代劇にも詳しいという牛嶋さん。紹介してくれたのは、岡山県の中でも今、大注目の歴史スポットです。
「私がオススメしたいのは、高梁市の『備中松山城』です。城好きの方に特に足を運んで欲しいこのお城は、高梁市街地の臥牛山(がぎゅうざん)にそびえています。城内には天守、二重櫓、土塀の一部が現存していて、国の重要文化財に指定されているんですよ。白い漆喰塗りの壁と黒い腰板のコントラスト、そして、空の青に映える美しい天守……。全国には、天守が残っているお城が12城あり、備中松山城はその一つに数えられています。その中でも山城に分類され、現存天守12城の中で『山城』の形態をとっているのは、備中松山城だけ! 備中松山城は『天守の残る唯一の山城』なんです」

岡山の城といえば、岡山城が有名ですが、県内にそんな素晴らしい名城があったんですね。しかも現在、この備中松山城だけで見れるという、ある特別な景色に注目が集まっているそうです。さっそく、お城について詳しいお話を聞きに行ってみましょう。解説していただくのは、高梁市教育委員会の三浦孝章さんです。
「備中松山城は、牛が伏せた姿に見えることから、その名がついた臥牛山に1240(延応2)年に築城された山城です。2020年でちょうど780年が経ちました。まず築城から戦国期にかけては、ずっとお城が奪い合われていた歴史があり、備中で最も激しい戦いが繰り広げられた『備中兵乱』の舞台となったり、毛利氏の前線基地となったりしました。そして、近隣の備中高松城の方では、羽柴(豊臣)秀吉が毛利氏側と対峙した水攻めの戦いなども起き、常に戦線の真っ只中に置かれていました」(三浦さん、以下同)



維新直前には、老中・松平定信の孫で、徳川慶喜の最後の幕府で老中首座(幕府の№2)として君臨した、板倉勝静が治めていたという史実もあり、歴史の上でもかなり重要な場所であった備中松山城。明治維新後は、山の上にあったこともあり、解体されることもなく忘れ去られてしまいますが、しかし、そのおかげで城郭が残存し『天守の残る唯一の山城』としてその名を轟かすに至ったのでした。そして近年では、他にはない‶絶景スポット〟として全国的に有名になります。
「2013年頃に、雲海の中に浮かぶ『天空の城』として兵庫県朝来市の竹田城跡が注目をされ始めたんです。実は、備中松山城も周辺の盆地で霧がよく発生しやすい‶雲海スポット〟であり、お城ブームも影響して『天空の山城』として注目を集めるようになったんです。今では日本3大天空の城のひとつとして数えられ、近年は10万6千人の方が来城された年もあります」
たなびく雲の中に現れる、立派な天守の姿は、息を飲むほど美しく幻想的な光景です。こちらの景色は、臥牛山の東側に設けられた「備中松山城雲海展望台」から眺望ができるので、ぜひこの展望デッキまで登ってみてほしいですね。冬のこの時期の早朝は、特にオススメの時期だそうですよ。
また、備中松山城が注目されている理由はまだあります。実は、このお城には大注目の‶アイドル城主〟がいるんです。
「平成30年7月の豪雨で高梁市は大きな被害を受けてしまったのですが、この時から備中松山城に1匹の猫が住み着くようになったんです。この猫は、備中松山藩士から新撰組の隊長になった谷三十郎にちなみ『さんじゅーろー』と名付けられ、今では‶猫城主〟として活躍してもらっています」
さんじゅーろーの人懐っこく、愛くるしい姿に、お城を訪れた人はみんな虜に! 全国からファンの方が押し寄せてるんだとか。
他にも、備中松山城では、NHK大河ドラマ『真田丸』のオープニング映像でも使用された石垣が見学できたり、山の上にあるので軽いトレッキングとしても楽しめたりと見どころたっぷり。さらに現在は、展望台からの雲海の眺めを24時間ライブ配信しているそうで、家にいながらでもフォトジェニックな光景が楽しめます。天空の城が出現する奇跡の瞬間を目の当たりにできますよ。
ぜひ一度、歴史と風格ある美しき山城・備中松山城を訪れてみてください。
備中松山城
- 住所
- 岡山県高梁市内山下1
- 電話番号
- 0866-22-1487
- 営業時間
- 【4月~9月】9:00~17:30 【10月~3月】9:00~16:30 (最終入城時間:閉城時間の30分前。)
- 定休日
- 12月29日~1月3日 (※本丸への入城はできません。)
- 料金
- 【大人】500円 【小中学生】200円 団体割引あり。
- 駐車場
- 城まちステーション(5合目)110台 ふいご峠(8合目)14台
- アクセス
- 岡山自動車道 賀陽ICから車で35分。5合目もしくは8合目までは車で。土・日・祝日、繁忙期には、5合目から8合目までは登城整理バスシャトルバスが運行(運行状況は(一社)高梁市観光協会HPでご確認ください)。ふいご峠(8合目)からは徒歩で約20分。