福井

フォトジェニックな光景に感動!神秘の異空間‶福井のラピュタ〟

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FM福井
藤田佳代さん

北陸地方にある福井県は、近年、「全国幸福度ランキング」で連続一位に輝くほど暮らしやすく、魅力溢れる県として注目を集めています。自然と歴史が紡いだ絶景スポットが多いことでも有名で、日本海の荒波によって築き上げられた柱状の断崖『東尋坊』や全国名水百選に選ばれている『瓜割の滝』など、思わず写真を撮りに行きたくなる壮観な景勝地が点在しています。

そんな福井県に住む人たちの幸福度満点な生活に、一役買っているのが、地域に根差したオリジナリティ溢れる番組が豊富な放送局「FM福井」です。‶Colors〟をキャッチコピーとするFM福井では、ニュースや音楽、グルメ情報など多彩で色とりどりの番組がラインナップされています。

その中で、今回登場してくださるのは、朝のワイドプログラム「Morning Tune(モーニングチューン)」月金担当のアナウンサー・藤田佳代さんです。
「Morning Tuneでは福井県にお住まいの皆さんの朝が、ちょっとだけ上向きになるような時間をお届けしています。名前が佳代ですので、皆さん気軽に‶かよっぺ〟って呼んでくださいね!つたない部分も多々あると思いますが、皆さんと一緒に楽しい朝の時間が過ごせたらいいなと思っています。お時間ある方は、ぜひ一度聞いてみてください」(藤田さん、以下同)

お出かけ前のひとときを明るく元気に盛り上げてくれる、かよっぺさん。彼女が推薦する県内の「落ち着いたら行きたい」スポットとは?

宮谷石切場跡

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「私がご紹介するのは、あらわ市にある『宮谷石切場跡(みやだにいしきりばあと)』です。昔は石材を採掘していた場所だったらしいのですが、現在はまるでジブリ映画に出てきそうな光景が広がる神秘の絶景スポットになっているんです」

それは話を聞くだけで、想像を掻き立てられて、ワクワクしますね。さらに、その場所は森の奥地の‶秘境〟というべきところにあり、‶福井のラピュタ〟とも呼ばれているんだとか! はたして、どのような空間が広がっているのでしょうか……。ミステリアスな雰囲気漂う、福井の新たな絶景スポット・宮谷石切場跡について、地元のガイドをしている細呂木地区創生会の酒井敏雄さんに、詳しく解説していただきました。

「この場所は元々、明治20年頃から昭和の中期にかけて、宮谷石という石材の切り出しを行っていた採掘作業場でした。火山灰が固まった柔らかい凝灰岩である宮谷石は、加工しやすく耐火性もあったため、建築資材のほか囲炉裏やかまど造りにも使われていました。しかし、コンクリートの普及により、だんだんと需要が無くなり廃坑になってしまったんです。それから長い間、ここは人がほとんど足を踏み入れない場所となっていました。しかし、2017年頃から幻想的な写真が撮影できる、いわゆる‶映えスポット〟として少しずつ話題になり始めたんです。そこで昨年頃から、石切場までの道を観光しやすいように地元のメンバーで整備したり、安全に見回れるようガイドチームを立ち上げたりしました。私有地であるため、ご連絡頂いた方と日程を決めて、可能な限りご案内しています」(酒井さん、以下同)

SNSの影響もあって、石切場の噂は瞬く間に広がり、今では地元の観光会社から20人の団体ツアーが入るほど話題になっているんだとか。
それでは、ちょっとした冒険気分を味わえる石切場までの道のりを酒井さんに案内していただきましょう。

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「まずは、細呂木地区にある美術館『金津創作の森』から、少し歩いたところにある山道に入ります。なかなかの急勾配な坂道です。登っていくと、木々で覆われた岩場に四角く切り出された穴があり、中がトンネルとなっています。入口に立つとひんやりとした涼しい風が吹いてきますよ。ここからは30メートルくらい真っ暗で、しかも低いところは高さが1.2メートルほどしかありません。懐中電灯で照らしながら進めば、光が差し込む出口が見えてきて、石切場跡に辿りつきます」

到着すると、そこには石造りの神殿のような神秘的な空間が広がっています。天井が高く、苔蒸した石の壁が大きな洞窟状になっていて、その荘厳さには思わず息を飲むほど。しんと静まり返る中、木々のあいだから差す太陽の光が揺らめいて、なんとも幻想的な眺めを作り出しています。

「外の湿度が高いほど、石切場内部の空気がミスト状になり、それによって光の反射が変わってくるんです。また、季節や天候によっても太陽の射し方が変わってくるので、いつ来ても違った雰囲気を楽しめるという不思議な魅力があります。特に夏は、木の葉が緑のカーテンを作り、そこをくぐり抜けた光がエメラルドグリーンになって内部を照らし出して、とても綺麗なんです。このエメラルドグリーンの世界を体感するには5月以降が最適です。」

直射日光の差し込みで生じる‶光芒〟という光の筋も、日によって大きく変化します。これを撮影するために何度もこの地を訪れている写真家の方もいるんだとか。光芒は春の彼岸から秋の彼岸頃まで楽しめるそうです。さらに、運が良ければ、光の具合によって、虹が出ることもあるそうですよ。

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「また、この場所は岩山を地下へと掘り進んで切り出していた採掘場なので、洞窟内の低いところでは、水が染み出して池になっています。池に射す光は、苔蒸した壁に反射しているので、天井から水滴が落ちると、水面の揺らぎが壁に映りキラキラと輝いて、これもまた風情ある光景をご覧いただけると思います」

岩と緑と池、そして光が織り成すコントラストはとても表情豊か。その時々でしか出会えない奇跡の風景を求めて、リピーターになる方もいるそうですよ。

「皆さんには時間の許す限り、それぞれ自由に洞窟内を見回って楽しんでほしいですね。写真撮影はもちろん、中にはひとりで瞑想したり、仲間と大きな声で歌い始めたり、結婚式用の写真を撮影しに来た方なんかもいましたよ。思い思いの過ごし方で、新たな魅力を発見してもらえればと思います」

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現実から離れて、異世界に迷い込んだような不思議な気分を味わえる宮谷石切場跡。きっと他では体感できない特別な空間が待っているはず。さあ、あなたも福井県で、神秘の冒険へと出かけてみませんか?

宮谷石切場跡
住所
福井県あわら市宮谷
電話番号
NPO法人細呂木地区創成会 0776-97-5130
営業時間
体験時間 14:00~16:00 *日時応相談・予約制
※冬季12月1日から2月末日までは閉山しています。
定休日
月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
料金
2000円
アクセス
北陸自動車道金津ICより車で5分
ウェブサイト
https://awara.info/cat-sightseeing/宮谷石切場