新潟

昔話に出てくるような素朴で心温まる風景。四季を通じて自然との触れ合いを満喫できる“かやぶきの宿”

null

FM-NIIGATA
鎌田アレクシッチさやかさん

日本最長の川、信濃川を有し、米どころとして名高い新潟県。特別天然記念物のトキがいる佐渡ヶ島、本州側は上越、中越、下越と3つの地域に別れています。各地で多くのお祭りが開かれる土地としても有名で、夏になると長岡の花火大会が全国に中継されたりしています。

今回、新潟の魅力を紹介してくれるのは、FM-NIIGATAのパーソナリティ、鎌田アレクシッチさやかさんです。鎌田さんはセルビア人と日本人の両親のもと、オーストラリアで生まれて、愛知で育ち、東京を経て、新潟に Iターンでやってきて5年目になります。
現在はニュース番組「FM HEAD LINE」(水曜 7:30〜8:50 生放送)、海外情報と洋楽をお届けする「XOXO 〜hugs and kisses〜」(火曜 13:30〜15:55 生放送)、冬のシーズンプログラム「SNOWJAM 2021-2022」(金曜 9:00〜10:55)を担当中。

かやぶき集落 荻ノ島

null

日本酒や登山・キャンプ・スキーなどのアウトドア好きという鎌田さんは、アクティブに新潟県内を巡って、その地域の文化に触れたり、美味しいものを楽しんだりしているとのこと。そこでイチオシのスポットを教えていただきました。新潟県柏崎市の中心市街地から車で約30分のところにある、人口54名の農村「かやぶき集落 荻ノ島」です。

「 山に囲まれた小高い丘の上にある集落で、日本の原風景ともいえる、 とてものどかな時間が流れる場所です。 荻ノ島には、2棟の「かやぶき」の宿があって、それぞれ1日1組で貸切で泊まることができます。 広間には囲炉裏があって、キッチンでは地元の食材などを使って自由に食事が作れますし、 予約をすれば地元食材を使った夕食やジンギスカンのバーベキューも用意してくれますよ」(鎌田さん)

null
null

荻ノ島は懐かしいたたずまいのかやぶき屋根の民家が田んぼの周りを取り囲む、環状集落という全国でも珍しい地形で、かやぶきの屋根は昔から集落の人が山から丸太やススキ(かや)をとってきて、自分たちで作ってきたという歴史があります。近くの山を含めてとても見晴らしがよく「日本昔ばなし」に出てくるような眺めは、季節を通じて趣きがありホッと懐かしい気分にさせられます。
「今年の7月上旬にプライベートで泊まりにいった時は、宿の管理をされている、荻ノ島ふるさと村組合長の春日さんご夫婦が、ホタルのたくさんいるスポットの沢まで案内してくださいました。あたり一面をふわふわただようホタルの眺めはとても幻想的で、春日さんから集落の歴史や、お子さんの頃の思い出なども聞かせていただき、地元の方との交流を含め、心あたたまる時間がすごせました。
慌ただしい日々の暮らしにちょっと疲れた時や、離れて暮らす友人たちと“夏休み気分”などを楽しみたい時に、ふっと“帰りたくなる”ような、素敵な場所です」(鎌田さん)

長年、荻ノ島で暮らしている春日俊雄さんのお話を聞いてみましょう。
「かやぶき屋根は夏の強い日差しを遮断して涼しく、冬は室内の薪ストーブの熱気が抜けて雪が自然落下するという仕組みで、野外への二酸化炭素の排出を減少するとも言われている日本古来の優秀な天然素材です。人口の減少や職人さんの確保が難しくなる中で、20年間のうちに15棟も減って現在は8棟になってしまったのですが、Iターン移住の方々を中心にクラウドファンティングなどのプロジェクトを立ち上げて、かやぶきの歴史を存続させるために奮闘中です。」

null

自然の恵みの宝庫なのも荻ノ島の自慢のひとつ。集落の畑からは、身近な野菜のほかに大納言小豆、白インゲン、糸瓜。春にはコゴミやウドなど、秋にはキノコと豊富な山の幸のほか、近所の川ではモズクガニもとれるそう。
「あと、この辺りの名物、ジンギスカンがおすすめです。外でのバーベキューだけでなく、囲炉裏を囲んで天然鮎やキノコ、おにぎり、お餅を焼いたりしても楽しいですよ。あと水がいいのでお米も抜群に美味しいです。夜になったら空を眺めてみてください。満天の星空が美しく、頭上に天の川もはっきり見えます」

また、全ての遊び場にアクセスがいいというのも大きな魅力だそうです。
「お肌がすべすべになると評判の天然温泉「じょんのび村 楽寿の湯」や県立の児童館「こども自然王国」までは車で5分。スキー場までは10分。広大な里山の自然が楽しめる「夢の森公園」や、「大地の芸術祭」で知られる十日市までは20分。50分も走れば海にも行けます。荻ノ島をベースキャンプに連泊して、いろんな場所を回られる方も多いですよ。」

爽快なドライブを楽しみながら、雄大な自然の中で過ごせば、日頃のストレスもスーッと消え去ってしまいそうです。
「この付近は「じょんのび高柳」とも呼ばれていますが、“じょんのび”とは新潟の方言で“気持ちを開放して、のびのび過ごす様子”のことです。いつでも気軽に“じょんのび”しにおいでください」

かやぶき集落 荻ノ島
住所
新潟県柏崎市高柳町荻ノ島1090-2
電話番号
0257-41-3252(荻ノ島ふるさと村組合)
施設料金(税込み)
荻の家(おぎのや)宿泊利用38,000円 9名、島の家(しまのや) 宿泊利用 26,000円 6名(時間貸しとして、1時間4,100円)[食事別途]
アクセス
北陸自動車道 柏崎I.C.から約30分、関越自動車道 六日町I.C.から約50分
ウェブサイト
http://jonnobi-takayanagi.jp/stay/oginoshima-stay.html

最新記事