北海道
その日しか出会えない‶人と料理〟 アイディア溢れる、アートと繋がる空間へ
AIR-G’
豊澤瞳さん
日本随一の人気観光スポットであり、ジンギスカンやラーメン、スープカレーなどのグルメから、200万人以上が集まる大イベント「さっぽろ雪まつり」まで多彩な魅力を持つ北海道・札幌。この一大観光都市の中でも、旅行で来たら一度は訪れたいランドマーク的名所といえば「札幌市時計台」ですよね。現存する日本最古の時計塔であり、国の重要文化財にも指定されている、まさに札幌のシンボルです。
北の大都市で長年親しまれてきた時計台。この場所のほど近くで開局し、いずれも道民に愛されてきたラジオ局が「エフエム北海道」通称「AIR-G’」です。
今回は、こちらのAIR-G’でパーソナリティとして活躍している豊澤瞳さんにお話をお聞きします。豊澤さんは、現在『&.LOVE』と『REALIVE RADIO』の2つの番組を担当しているそうです。
「『&.LOVE』では毎週土曜8時から、朝ごはんのレシピやヨガ、サウナなどの暮らしがちょっと豊かになるような情報をご紹介しています。『REALIVE RADIO』(毎週水曜19時半~)ではエクストリームスポーツの面白さを発信中!アウトドアとスポーツとサウナが大好きなわたしのライフスタイルを丸ごとお届けしています」(豊澤さん、以下同)
CAFÉ『blue』

そんな豊澤さんが紹介してくれる札幌のオススメスポットは、有名なアーケード商店街・狸小路を抜けた先の八丁目エリアにあるカフェ「blue」です。
「こちらのblueさんは、セレクトショップの裏側に併設されているカフェなのですが、表からは入れません。裏に回ってビルの間に挟まれた駐車場の1番奥まで進むと、木の小さな入り口が…!初めて訪れる方にはちょっと難しいかもしれない隠れ家的なカフェなんです。店内は、オーナーさんがこだわって造り上げた落ち着いた空間が広がっています。また、メニューの中でも、その日の気分や天気、遊びに行くねと連絡をくれたお客さんに合わせた食材を取り入れて作る『TODAY’s PLATE』は、本当にその日限り。同じプレートは二度と食べられないからこそ、何度でも訪れたくなるお店です」
それは、冒険心がくすぐられるようなお店ですね! さて、どんな雰囲気の場所なのか。また、TODAY’s PLATEとは一体どんなメニューなのでしょうか。さっそくblueのオーナーである木下アヤさんにお話をお伺いました。

「このお店は2020年3月にオープンしました。元々、私はアートやクリエイターを紹介するオンラインマガジンの編集に携わっていたのですが、前職を辞めて、何をやろうかなと考えていた頃に、ある時知り合いから‶ここを使って何かやりなよ!〟といわれ、私のスペースができちゃったんです(笑)。そこで、アーティストの方々との繋がりや縁もあったので、カフェを拠点に展示やイベントなど、形に捉われずいろいろな活動をしよう、というスタンスでこちらを始めました。」(木下さん、以下同)
お店まで辿りつくと、まず目につくのが、店名のロゴが書かれたネオンサイン。蛍光ピンクの光が異彩を放っています。その横には木のかわいらしいドアがあり、くぐってみると、中はちょっとした異空間。まるで秘密基地のような大きな木目調のロフトがドンと構えられ、いくつものミラーボールが惑星のように輝いています。ロフトの部分は、ステージやDJブースとして使えるんだそうです。木下さんこだわりの内装と空間が造り上げられています。


このblueがある狸小路八丁目周辺は、‶下町っぽさもありながら、クリエイティブな方が多く、個性的なお店がひしめき合うエリア〟だと話す、木下さん。その中でも‶特別な場所〟になれるようにと、blueでは空間だけでなく‶食〟に関してもこだわりを持っています。
「これまで、周りのデザイン系や編集の仕事をしている人を見てきて、みんな忙しいので、やっぱり食事が偏りがちだったりしていました。でも、自分が元気じゃないと面白いアイディアが浮かばないし、仕事も捗らないと思うので、カラダに良く栄養を考えたご飯を作ろうと思ったんです」
そこで考案されたのが、豊澤さんも紹介してくれたTODAY’s PLATEです。その日によって違う、色とりどりの野菜たちで描かれた見た目も美しいワンプレートご飯となっています。

「TODAY’s PLATEは、ベジタリアンベースで考えた料理です。以前の会社で外国人の子と一緒に作っていたヴィーガン料理がもとになっていて、スタイルとしては、少しヨーロッパ系ですね。天気や気分に合わせて、その1日が元気になるようなご飯を目指しています。なので、事前に仕入れはしません。明日何作りたいか、どんな気分かなんて分からないですから(笑)。その日に仕入れた野菜の味や色味を生かしてプレートを作っていきます。ご飯は玄米を土鍋で炊いていて、他にも金時豆や、黒豆、小豆などをトマトで炊いた豆のディップなんかを乗せます。調味料はたくさん使わずに、ナッツやドライフルーツでコクや甘味を出すことが多いです。素材に合わせてデザインして、組み立てている感じですね」
アート作品のような見た目なうえ、「最終的に混ざり合っても美味しいように組み合わせは考えています」という完璧な一皿。その日限りで、同じでプレートが出てこないところも「今日はどうかな?」と毎日の楽しみが増えて嬉しいですよね。他にも、お店には低カロリーのシフォンケーキや自家製ジンジャーエールなどオススメメニューがたくさん用意されているので、ぜひ味わってみてくださいね。
コロナの期間にスタートしたblueですが、休業を設けながらもさまざまなイベントやマルシェなどを主催してきて、このエリアにかかせない重要な場所になってきました。
「コロナの影響でアーティストの人たちも活動を披露する機会が少なくなっていた状態でしたが、やっぱりみんな発表の場は欲しい。そんな時に、小規模ですがここで展示をやったり、ライブをやったりする場として使ってもらいました。そういった意味では逆によかったな、と思っています。これまでの時間があったおかげで、お店のスタイルとポジションが確立できたと思うので。‶特別な場所〟を作れているんじゃないかと」



今後は、店内でアーティストの展覧会を常に行っているような状態にしたいと話す木下さん。
「より多くの人に札幌にいる素敵なアーティストたちを知ってもらったり、クリエイター同士で繋がってもらったりと、アナログだけど、誰かと出会える場所づくりをこれからもしていきたいですね」
CAFÉ『blue』
- 住所
- 札幌市中央区南三条西8丁目7番 大洋ビル1F西側(ビル駐車場最奥)
- 営業時間
- OPEN 12:00
CLOSE 20:00 (日曜は19:00まで。LOは30分前)
※コロナの影響により営業時間が変更になる場合もあります。インスタグラムで都度情報をご確認ください。
- 定休日
- 毎週月曜日、第3火曜日
- @blue.aya.kinoshita
- アクセス
- 道央自動車道・札幌ICから車で約30分
地下鉄大通り駅から徒歩7分
地下鉄西8丁目駅から徒歩7分
路面電車創成小学校前から徒歩4分
西8丁目駅から235m