EDC 営業日誌(過去のお客様)
2023年7月22日放送
本日のお客様は、レイザーラモンRG様。
1974年、熊本県出身。
立命館大学のプロレス同好会で現在の相方・レイザーラモンHGさんと出会い、1997年10月、レイザーラモンを結成。吉本新喜劇などで活躍されたのち、HGさんのブレイクを機に東京へ進出。最初はHGさんの陰に隠れながらも次第に存在感を増し、“あるあるネタ”などで人気を博します。今回は、RGさんのこれまでの芸人人生を辿るドライブです!
 
 
RGさんと川島さんが知り合ったのは23年ほど前のこと。当時、レイザーラモンは大阪のお笑い界で登竜門と言われていた『今宮こどもえびす新人漫才コンクール』にて、プロレスコントのネタで優勝!後輩の川島さんは養成所にいた頃で“舞台でずっとプロレスやってるヤツがおるらしいぞ”“とんでもない芸人が現れた”という噂は聞いていたそう。大阪にあった劇場『心斎橋筋2丁目劇場』のオーディションがデビューステージとなったレイザーラモンですが、その次に挑んだのがこの『今宮こどもえびす新人漫才コンクール』。すなわち、レイザーラモンはデビュー2戦目でいきなり優勝!2人とも学生プロレスの経験があるため、レイザーラモンのプロレスのネタは動きのキレもあり、内容もドラゴンスクリューでツッコミをしたり、ロメロスペシャルで「もうええわ」と言ったり…と、プロレスファンなら熱くなる内容だったとか。
ここで話は変わりますが、RGさんから川島さんに聞きたいことが。それは、川島さんがRGさんのことを呼ぶ際に、「RG」「RGさん」「Rさん」など、呼び方がまちまちだということ。(特に「RG」と呼び捨てにされるのが気になるご様子・・!笑)先日も、川島さんがMCを務めるTBS『ラヴィット!』でRGさんとぼる塾のロケ企画があり、RGさんがぼる塾にゴダイゴのコスプレをさせるという内容のVTRが流れた後、川島さんが「先輩、ありがとうございます!」と言いつつ「RG」と呼び、“さん”を付けていなかったそうです。この“さん”が付いたり付かなかったりする違いは一体何なのか…RGさんが尋ねたところ、先ほどの例だと、ロバートの馬場さんとぼる塾のロケVTRは様々な役立つ情報がある内容だったのに対し、RGさんとぼる塾のロケVTRは情報ゼロでただただ笑える内容だったことを対比するために、あえて「馬場ちゃんとRG」と呼び捨てにしたのだとか。また、川島さんの中で“気持ちの良い文字数”があるそうで、「ここはこの文字数の方が良いと思ったら、先輩でも呼び捨てで言ってしまうことがある。自分が気持ち良いと思っているだけなんで、失礼な話なんですけど…」と説明すると、RGさんは「ラッパーみたいなことしてるなぁ…!」と驚き、「腑に落ちた!全然(“RG”と)言ってください!」とおっしゃっていました!
 
 
RGさんがお笑い芸人を目指したきっかけなど、“そもそものお話”もたっぷりと!
(幼少期のRGさん!)
元々お笑いが好きで、千原兄弟さんなどの大阪のお笑いや、『ボキャブラ天国』といった東京のお笑いも追いかけていたRGさん。ただ、その一方で大学生の頃は漫画家を目指していたと言います。大学3年の頃には月に一度漫画を描いて、東京の出版社まで持ち込んでいました。いわば“漫画家の卵”の状態だったRGさんですが、大学4年の頃、思い出作りとして心斎橋筋2丁目劇場のオーディションを一回受けてみようと思い立ちます。当時、所属していた大学のプロレス同好会で、最もお笑いに理解があったのが“ギブアップ住谷”こと住谷正樹さん。実は、この住谷さんこそ、のちのレイザーラモンHGさん!こうして2人でプロレスをもとにしたコントを作り、先程もお話しされていたように、心斎橋筋2丁目劇場のオーディションを経て、今宮えびすのコンクールで優勝されたのです。
ところが、しばらくして漫画のコンクールでも作品が「もう一歩で賞」に入選!ですが、
“お笑いでいける!”という見込みがあり、漫画家の道は諦め、お笑い1本に。こうして、お笑い芸人として順風満帆なスタートを切ったように見えたRGさんですが、男性ウケする芸風のため、劇場のお客さんの多くを占める女性からの人気を得られず、しばらくはツラい時期が続きます。
また、川島さん曰く、当時のRGさんはポンコツキャラで、台詞を忘れたり、凡ミスが多かったり…とよく怒られていたとか。そんな中、川島さんには忘れられない出来事が。それは、多くの若手芸人がお世話になった森さんという構成作家の方が、練習中にRGさんを怒ったときのこと。「皆これだけ一生懸命にやってるのに、お前は遅刻して台詞も覚えんと、ホンマええかげんにせえ!」といった感じで、30分ほど皆の前で説教されたRGさん。現場では緊張感が走り、RGさんもさぞかし落ち込んでいると周りの芸人も心配そうに見守っていましたが、RGさんが最後に発した言葉は、「森さん・・・お気を確かに!」
なんと、RGさんは森さんの気が動転したと勘違いし、逆に森さんを心配していたそうです。笑 川島さんは“信じられへんこと言った…”と唖然とし、その場面が忘れられないと言います。しかしその後、森さんとの関係は良好で、RGさんを度々番組に起用してくれているそうです。川島さんは、プロレス好きのRGさんだからこそ、相手の技を受け切り最後に逆転するという、“アントニオ猪木イズム”が、あったのではないかと推測していました。
 
 
2005年、相方のHGさんが大ブレイク!一方、RGさんはまだ本名の『出渕誠』という名前で活動していました。ここから現在の『レイザーラモンRG』になるまでに、様々な芸名を経ることになります。
(紆余曲折を経て“HG”“RG”になったレイザーラモンのお2人!)
その中でも川島さんが特に印象に残っている芸名が『冴羽獠』。漫画『シティーハンター』の主人公と全く同じ名前を名乗り、似たようなジャケットに赤っぽいTシャツを着ていた時期が2ヶ月ほどあったのだとか。笑
当時、川島さんも吉本新喜劇の香盤表に「レイザーラモンHG」「レイザーラモン冴羽獠」と並んで書かれているのを見て、“何これ!?”と驚いたと言います。笑 また、『アンドロメダ瞬』という芸名で活動していたこともあり、こういった芸名はRGさんがお世話になっていた先輩コンビ・バッファロー吾郎率いる“バッファロー吾郎軍団”が、飲み会で“どうしたら出渕は売れるか?”という会議を重ねた末に生まれたものでした。
その後、2007年に突如『レイザーラモンRG』に改名。これは元々、テレビ東京『やりすぎコージー』で、レイザーラモンの“じゃない方”のRGさんにスポットを当てた企画があった際に、スタッフの方から「リアルを名乗りましょう」と言われ、“RG”が生まれました。するとこれが、出演者の今田耕司さん、東野幸治さん、千原兄弟に大ウケ!“RG”への改名は、HGさんに寄せた、いわば相方を潰しに行くような行為ですが…「プロレスが好きだったからHGは受け入れたんだと思う。」とRGさんは当時を振り返ります。他のコンビを例に挙げると、『勝山梶』というコンビで活動していたムーディ勝山さんが大ブレイクした時、相方の梶さんが同じような『メロディ梶』というキャラをやったり、ハローバイバイの関暁夫さんが“Mr.都市伝説”でブレイクした際に相方の金成さんが“田舎伝説”というネタをやったり…と、ブレイクしたキャラのパロディを相方が行うケースはいろいろありましたが、成功した歴史はなく、相方から怒られて終わることが通例。でも、HGさんの場合はプロレス好きということもあり、言うなれば“タイガーマスクに対するブラックタイガー”のようなヒール的存在として、RGさんの改名を受け入れたのです。ただ、川島さんは「当時、HGに対するRGの質の悪さったらなかったですね。」と言います。HGさんを目当てにしているお客さんが多い中、「お邪魔しましタイガードライバー」と言いながら、自らの尾てい骨を傷つけるような着地をしたり、「おジャーマンスープレックスホールド」と言い、後頭部をゴンとぶつけたりと、、、実際の技の動きを取り入れたギャグを披露していましたが、客席からは悲鳴が上がっていたそうです。笑
 
 
そんな中、RGさんが見つけた鉱脈が“あるあるネタ”!
このネタが生まれたのは、HGさんが踵の骨を粉砕骨折するという大怪我をしてしまい、1~2年程休まなければならなかった時のこと。RGさんは、気持ちとしては若手芸人としてゼロからやり直す感覚で、とにかくオーディションに通う日々。その中の1つで成功したのが、TBS『リンカーン』の『あるある芸人タワー』という企画。ダウンタウンをはじめとするレギュラーメンバーがエレベーターに乗り、エレベーターのドアが開いた階にいる芸人がネタを披露するという内容でした。
そこで、RGさんは市川海老蔵さんに扮した『市川AB蔵』というキャラクターで登場したのですが、その裏にはケンドーコバヤシさんの言葉があったそう。当時、HGさんの結婚式でRGさんがスピーチをすることに。丸坊主にスーツ姿でかなり緊張した様子のRGさんを見て、ケンコバさんが「市川海老蔵みたいになってるやんけ!」とツッコミ。これがきっかけで市川海老蔵さんのモノマネをするように。そして、海老蔵さんといえば『おーいお茶』のCMのイメージがあったので、石井明美さんの『CHA-CHA-CHA』にのせて、「お~いお茶
CHA CHA CHA♪」と歌う『市川AB蔵』のネタを作り上げたのです。
(RGさん扮する『市川AB蔵』がこちら!)
『あるある芸人タワー』のオーティションの際、この『市川AB蔵』のネタに、“歌舞伎のあるある”を付け加えることを考え、最初に出てきたのが「鏡越しで弟子を怒りがち」というもの。しかしここで、「今だから言うけど、そのあるあるって、FUJIWARAの藤本さんが楽屋でボソッと言ったことやねん。」とまさかの盗作を告白!川島さんも驚いていましたが…何も武器が無かったゆえに必死だったそうです。あるあるネタは、この1つだけだったため、「あるある早く言いたい」と引っ張り続けて、最後に1つだけ言う、という手法を取りました。
他の芸人はとにかくあるあるの数で勝負しているのに対し、逆に「1個やん!」と、笑いどころになりました。そのため、RGさんがあるあるのお題を振られたときに、今でも「1個だけあります!」と言うのは、この時本当にあるあるが1個しかなかったことに由来するのだそう。その後、ケンドーコバヤシさんのラジオによく呼ばれるようになった際に、ケンコバさんに「『1個だけあります!』は絶対言っていけよ。」とアドバイスされました。このフレーズがあるからこそ、あれだけ長く「あるある早く言いたい♪」と焦らす芸が成立し、なおかつ最後のあるあるネタがしょうもなくても、「何やそれ!」とツッコんでもらいやすい状況が生まれます。
ただ『リンカーン』出演後、他のオーディションにはなかなか受からない時期が続きます。その中で、二度目の転機となったのが、庄司智春さんと藤本美貴さんの結婚式。何人かの芸人が余興を披露する中で、RGさんは“結婚あるある”をリクエストされたとか。吉本からは大勢の芸人が、もう一方ではハロプロから様々な関係者が集まる中で“結婚あるある”を歌ったところ、参列していた芸人仲間の皆さんが、「早く言えよ〜」と盛り上げてくださり会場は大盛り上がり!ハロプロ関係者は“ぽか〜ん”としていたそうですが・・笑、それがテレビ朝日『アメトーーク!』のスタッフの目に留まり、『RG同好会』(2010年7月8日OA)という、RGさんにスポットライトを当てた企画に繋がり、“HGさんの相方”という認識ではなく、“レイザーラモンRG”として、世間の認知度も高まっていくのです。
(その後も様々なモノマネをされたRGさん。
2017年には、細川たかしさんの弟子として『こぶしたかし』の名前も頂きました!)
ここで、RGさんに“川島明あるある”をリクエスト!すると、「…1個だけあります。」とのお答えが!笑
AIさんの『Story』にのせて熱唱してくださった“川島明あるある”は…「『ラヴィット!』では、シャツの襟無いヤツ着がち♪」というモノ。笑
『ラヴィット!』を観るのが習慣になっていると言うRGさんならではのあるあるでした!
 
 
RGさんにとっての『これまで仕事で最も影響を受けた人物』は、ものまねタレントの神奈月さん!神奈月さんと言えば、武藤敬司さんのモノマネでおなじみ。最初は女性や子供には分かりづらかったプロレスネタを根付かせたパイオニアと言っても過言ではありません。RGさんは、そんな神奈月さんに大きな影響を受け、憧れていると言います。
また、神奈月さんは新ネタを貪欲に作り続け、映画『トップガン
マーヴェリック』が話題になった時には、すぐにトム・クルーズのモノマネをされていました。神奈月さんのモノマネする早さにもRGさんは憧れており、ご自身も早さを重視されているとか!最近は、人に言われたらすぐやるようにしているそうで、トータルテンボスの藤田さんに言われて大谷翔平さんの通訳・水原一平さんのモノマネをしたり、Twitter上で有吉弘行さんにリクエストされた『サンクチュアリ』の主人公のモノマネをすぐに披露されました。“クオリティ度外視で、偉ぶらずにとにかく早くやる”という姿勢や、“とにかく目の前の人達に楽しんでもらいたい”という気持ちは神奈月さんに学んだとお話しいただきました!
 
 
8月5日(土)~8月18日(金)までグレースバリ銀座店にて開催される「THE EMPTY STAGE GRAND 2023
SUMMER」という公演に、RGさんも出演されます!
こちらは、ワンマントークショーと即興コントで構成されるライブ。RGさんは8月10日(木)公演のワンマントークショーにご出演。RGさんのステージは、即興音楽の伴奏にのせてRGさんがあるあるを30分間歌い続けるのだとか!
詳しくは、こちらのページをチェック
 
 
RGさんのエウレカは、「全てのモノにあるあるは1個だけある。」ということ!
「真実も共感も、言葉すらもすべて“あるある”。」と話すRGさん。例えば、「ありがとう」と言えば相手に感謝の意が伝わりますが、そこには“こう言ったら、こういう意味なんだな”という共通認識があり、「全ての表現活動、もしくは人間とは“あるある”なのでは。」とおっしゃいます。さらに、“あるある”という言葉の直訳は海外には無く、日本人は“あるある”というだけで通じ合えるというのは凄いことだと力説。ここで川島さんからは、「その時の勢いでつけた“RG”(アールジー)という名前に“ある”が入っちゃってるっていうのが、運命ですよね。」というお話も。「万物に“あるある”はある!」と唱えるRGさんですが、川島さんからは「まさかその第一歩(歌舞伎あるある)が、盗作だったとは…!」とツッコミが。笑
(ちなみに、FUJIWARAの藤本さんにこのことは伝えたそうですが、全く覚えていなかったそうです。笑)
また、歌人の俵万智さんからは「RGさんがやっていることは、道端の石一個一個に名前を付けていることです。」と評価されたそう。これを聞いた川島さん、加えて「“~がち”を最後に付けたのはRGさんの発明だと思う。」と褒め称えます。RGさん曰く、『リンカーン』で“あるあるの最後に笑いが欲しい”という動機だけで“~がち”と付けたとのことですが、俵万智さんには「あなたのあるあるは“~がち”というロケットの発射台があるから、それに向けてロケットを作っていけるんです。」とも言われたとか。
「川島に“~がち”褒められた!」と嬉しそうなRGさん。川島さんは「すごい発明ですよ。だから今、“理科室の水、強くしがち”って言ったら、“それRGのやん!”ってなっちゃうんですよ。」とさらに褒めますが…ここでRGさん、「今、良い話したのに、“RG”って言ったやん。」と、やっぱり川島さんの呼び方が気になるご様子。笑
「今は絶対“RG”の方が良いんですよ。RGはマイケル・ジャクソンと一緒なんで。マイケルさんとは呼ばないでしょ!」と川島さんが理由を説明すると、「そこまでいった!?」とさらに喜び、川島さんがトドメに「あるある(R)の、概念(G)で、RGなんです!」と言うと、「(その言葉で)Tシャツ作ろう!」と大興奮!笑
終始、“川島さんからの呼ばれ方気になりがち”なRGさんでしたが…これからも、まだ見ぬ“あるある”を歌にのせて届けてくれることでしょう!
 
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