PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2022年11月26日放送

Passenger

堀込高樹

本日のお客様は、KIRINJI堀込高樹さん。
1969年、埼玉県出身。1996年、実弟である堀込泰行さんと『キリンジ』を結成。翌年にはCDデビューを果たします。2013年、泰行さんが脱退後は、新メンバー5人を迎えバンド編成となり、バンド表記も『KIRINJI』に変えて再始動。2021年からは高樹さんのソロ・プロジェクトとして活動されています。
20年以上のファンで、ひとり旅の時にはキリンジの「Drifter」を必ず聴くという川島さんが、高樹さんの歴史を紐解くドライブに出掛けました。

 

 

 

〜KIRINJIと麒麟〜

“KIRINJI・堀込高樹”と“麒麟・川島明”という、グループ名・コンビ名が似ているお二人は、本日が初対面!“麒麟”のお二人は、NSC時代“田村川島”というコンビ名で活動していましたが、NSC卒業後、新たなコンビ名として田村さんが最初に提案したのは“麒麟児”だったそうです!しかし、お祖母さんの影響で相撲に詳しかった川島さんは、頭の中で、力士の“麒麟児和春”が浮かんでしまい・・・“児”を無くして、“麒麟”に落ち着いたのだとか!その後、CDショップで“キリンジ”の存在を知り、名前が被らなかったことに安堵したと振り返ります。笑
キリンジの曲を川島さんが初めて聴いたのはラジオ!高樹さんが作詞された「牡牛座ラプソディ」が流れてきました。この曲を初めて聴いた時のことを、「1つも理解できなかった。笑」と語り、独特の世界観にラジオの前から一歩も動けなくなったと言います。
これには、高樹さんも「ちょっと変な曲ですもんね、あれ。笑」「苦し紛れに、“勢いさえ伝わればいいか”みたいな感じで作った。共感してもらう気持ちは一切なかった。」と制作秘話を明かしてくださいました。笑 そんな、カッコいい曲調と独特な詞の世界に一気に魅了された川島さんは大ファンに。それから20年以上追っかけています。
ここで川島さんは、高樹さんが麒麟のことを知っているか確認!
「もちろんですよ!」という高樹さんは、毎朝、『ラヴィット!』を観ているそうですが、あえて、“じっくり観ない”ようにしているのだとか!理由は、面白すぎるから。じっくり観てしまうと“あれ、今日休みだっけ?”と、休日感覚に陥り、仕事モードにならないそうです。笑

 

 


(SUMMER SONIC 2022)

〜ミュージシャンへ〜

堀込高樹さんは、中学時代にギターを手にし、曲を作り始めてから、ぼんやりと“音楽で生活できたら良いな”と思っていたそうです。大学時代にはサークルに入りコピーバンドを組みますが、“自分の曲を演りたい”という気持ちが根底にあり、長続きはせず・・・。結局、大学時代はご自宅で音楽作り(宅録)に励んだと言います。しかし、当時はまだ音楽だけで生活していける状況にはなく、大学卒業後、ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)のゲーム音楽制作部に就職。大人気野球ゲーム“スーパーファミスタ5”のゲーム音などは、高樹さんも制作に関わっているそうです!
仕事は楽しかったものの、ミュージシャンとして生きていくことを諦めきれなかった高樹さんは、並行して自身の曲制作も続け、レコード会社に送っていました。しかし、良い返事はなかなか貰えず・・・。そんな時、弟の泰行さんも音楽制作をしていることに気付き、一緒のパッケージでレコード会社に送ることを提案。当時、泰行さんはガレージロックのような曲を制作しており、高樹さんとは別ジャンルだったことから、音楽のバリエーションもだいぶ広がったと言います。すると途端にレコード会社から良い反応が!さらに、当時ナムコで共に働いていたラッパーの“かせきさいだぁ”さんにも曲を聴いてもらうと、半年ほど経ってから、かせきさいだぁさんがインディーレベール「Natural Foundation」と繋いでくださり、デビューを果たすことになるのです。こうして“キリンジ”は世に素晴らしい曲を送り出していくことになります。
“キリンジ”という名前の由来について伺うと・・・なんと、力士の“麒麟児”からだと言います!小学生の時、ふくよかな体型だった高樹さんは、友達から「麒麟児高樹!」と、呼ばれていて、“麒麟児”というワードが頭に残っていたそうです。そして、改めて麒麟児という言葉の意味を調べると、“将来が期待される少年”という意味だと判り、それをカタカナにしてキャッチーな形にすることにしました。“キリンジ”と“麒麟”という名前は、“麒麟児和春”関がいたお陰で誕生していたのですね!

 

 


(KIRINJI LIVE 2022)

〜人生におけるマイ大事件〜

1つ目は、2人組からバンド編成になったこと。
キリンジは2013年、泰行さんの脱退により、メンバーを5人加えたバンド編成に。(バンド表記も“KIRINJI”に変更) 当時の心境を、「誰かボーカリストを呼ぶことも考えたんですけど、きっとその人には泰行の代わりっていう視線がつきまとう。エッセンスは引き継いでいるけど何か驚きが欲しいと考えた結果、バンドにしようと思い、なおかつ、世代も幅広く、男女混合がカッコいいと思った。」と語り、KIRINJIは、楠均さん、千ヶ崎学さん、弓木英梨乃さん、コトリンゴさん、田村玄一さんを迎えたバンド編成で、2020年まで活動を行ないました。


(アルバム『ネオ』)

2つ目の大事件は、RHYMESTERと共作したこと。
2016年8月にリリースされた『ネオ』というアルバムに入っている、「The Great Journey feat. RHYMESTER」という曲でRHYMESTERとコラボしたKIRINJI。兄弟時代も含めて、それまでKIRINJIはフィーチャリングを行ったことが1度もありませんでしたが、「The Great Journey」の原曲を聴いたスタッフから、これはラップを入れた方が良いと強く勧められたそうです。当初、高樹さんは“人の歌詞が入るのは嫌だな。”と思い、他のメンバーも“KIIRNJIがラップ?”と懐疑的だったそうですが、ラップを入れたバージョンを聴いてみると “これはイケるわ!”と確信し、RHYMESTERに共作をお願いしたと言います。こうして、KIRINJIはフィーチャリングという新たな扉を開くことが出来たのでした。


(愛媛・萬翠荘での弾き語りLIVE)


(岡山・蔭凉寺での弾き語りLIVE)

そして、最後のマイ大事件は、今年から弾き語りを始めたこと。
2020年に、バンド体制に終止符を打ち、2021年からは、高樹さんのソロ・プロジェクトとして再始動したKIRINJIですが、去年までは変則的にバンドメンバーを入れた体制で、たった1人でステージに立ち、ワンマン公演を行った経験は無かったそうです。「コロナ禍でライブを延期することも多いなか、1人だったらそういうリスクも少ないし、ファンの人も喜んでくれるかなと思った。」と、今年から弾き語りを始めた心境を教えてくださいました。過去には番組にお願いされて弾き語りを行ったことはありますが、今回は自ら始めた弾き語り。その気持ちは随分違うようで、「以前は“こんな感じでイイすか?”という気持ちだったけど、今回は“弾き語り作品”にしようという気構えがある。ある完成した作品があって、それを弾き語り用にもう1回アレンジする感覚。歌い方やギターも作り直す作業になるので、新曲作る感覚に近い。」とおっしゃいます。新たな解釈で生まれ変わる曲を、ライブで聴くのが楽しみですね!

 

 


(アルバム「crepuscular」)

〜最新アルバム『crepuscular』、アナログ盤をリリース!〜

昨年リリースしたアルバム『crepuscular』のアナログ盤が、11月16日に発売されました。アルバム自体は昨年リリースされていましたが、1年越しでのアナログ盤化!理由を伺うと、シンプルに「順番待ち。」とお答えが!笑
近年、アナログレコードは大人気で、新作をアナログ盤にするアーティストや、古い作品を再リリースするなど、世界的にアナログ盤のプレス工場は大忙しだそうです。そして、ようやく『crepuscular』をプレスする順番が回ってきて、このタイミングとなりました。「もう1回プロモーション出来るから良いや。」と、前向きに捉えている高樹さん。皆さんも是非、アナログ盤での『crepuscular』を聴いてみてくださいね!

さらに、KIRINJIは来週、ライブも控えています。
日本でも人気の高いフランスのバンド『TAHITI 80』との2マンライブ、「TAHITI 80 / KIRINJI JAPAN TOUR 2022」を開催!
東京公演は、12月1日(木) 『Zepp DiverCity』
大阪公演は、12月3日(土) 『Zepp Namba』
※チケットの詳細は、公式HPをご確認ください
https://www.kirinji-official.com/contents/549601

 

 

〜堀込高樹さんのエウレカ!〜

高樹さんのエウレカは、“1人では何も出来ない”ということ。
弾き語りを始め、1人でステージに立っていますが、ステージの音響や照明、さらにはグッズ販売などを含め、様々なスタッフの方に支えられており、実は1人では何も出来ないと気付かされると言います。作曲をしている時は、“今、俺はとんでもない作品を作っている。この時代に、このタイプの曲書ける人は日本に俺しかいないな。J-⁠POPって結構特殊な業界だから、世界に俺1人だ!”と、プロとしての誇りとアドレナリンで全能感があるそうですが、レコーディングやライブでは、自分1人ではどうにもならないことが多く、無力感が生まれ、その行ったり来たりをされているんだとか。現在はソロ・プロジェクトとして活動しているKIRINJIですが、改めて周りのサポートに感謝されています。
そして、今後の目標は「KIRINJIを長く続けること。」
25年以上続くKIRINJI(キリンジ)は、様々な形態で活動を続けてきました。現在は高樹さんのソロ・プロジェクトですが、今後、新しい形態になる可能性もあります。そして、「例えば、これからメンバーが4人ぐらい入り、その中にすごい優秀な人がいたら、僕が仮に死んだとしたも、その人がKIRINJIという名前を引き継いでやるみたいな感じになると面白いと思った。」と話します。
“法人KIRINJI “として、KIRINJIは永久不滅でいたいと語る高樹さんの夢に、川島さんは「KIRINJIは永久不滅という言葉は、ファンとしてとても嬉しいです!」と喜んでいました。


(福島・旧広瀬座での弾き語りLIVE)

 

radikoのタイムフリーで聴く
PLAYLIST
  • 「時間がない」
    KIRINJI
  • 「牡牛座ラプソディ」
    KIRINJI
  • 「Drifter」
    KIRINJI
  • 「君の胸に抱かれたい」
    KIRINJI
  • 「The Great Journey feat. RHYMESTER」
    KIRINJI
  • 「再会」
    KIRINJI
  • 「薄明 feat. Maika Loubte」
    KIRINJI