PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2022年6月25日放送

Passenger

小野大輔

本日のお客様は、声優の小野大輔様。
1978年、高知県出身。2001年頃より声優活動を開始され、2005年にアニメ『AIR』で主役を務め注目を集めました。さらに、2006年にはアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の古泉一樹役として大きな話題を呼び、以降は『黒子のバスケ』の緑間真太郎役、『進撃の巨人』のエルヴィン・スミス役、『ジョジョの奇妙な冒険』の空条承太郎役、『おそ松さん』の松野十四松役、『黒執事』のセバスチャン・ミカエリス役など数々の人気アニメ作品に出演。歌手活動やラジオ・パーソナリティなど様々な顔と美声を持つ大人気声優さんです!
大のラジオ好きの小野さんは、「土曜日のエウレカ」も聴いてくださっているとのことで、本日はラジオ愛、ドライブ愛溢れる旅となりました!

 

 

〜『ジョジョの奇妙な冒険』・空条承太郎役〜

小野さんといえば、川島さんも大好きな漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第3部主人公、“空条承太郎”の声の人としても有名です。(アニメ版・2nd Season『スターダストクルセイダース』〜)
小野さんにとっても、『ジョジョの奇妙な冒険』は思い入れのある作品。大学時代に、ジョジョの第5部(黄金の風編)にハマり、小野さんの人生に光を照らしてくれたと言います。作品の中には、「“覚悟”とは暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開く事だッ!」など、ポジティブなメッセージが多くあり、定まった夢を持っていなかった大学時代、小野さんは“自分も何者かになろう!”と決心したのでした。そして時を経て、ジョジョのアイコンとも言える、第3部主人公・空条承太郎役を演じることになった小野さん。そのプレッシャーはやはり凄かったそうです。
空条承太郎は、スピードとパワーを兼ね備え、精密な動きができるクールなキャラ。弱点がほとんどありません。弱点や三枚目の要素があれば、表現の幅も広がりますが、“(声や表情が)変わってはいけない完璧なキャラ”を演じることは声優にとって難しいことだと言います。ましてや、作品の中でも人気が高いキャラクターということで、当時の心境を「嬉しさと重圧がミルフィーユ状態だった。笑」と振り返りました。
また、『ジョジョの奇妙な冒険』といえば、作者の荒木飛呂彦先生が描く、独特な台詞回しも有名です。空条承太郎の必殺技は、「オラオラ」の掛け声とともに拳の連打を相手に叩き込む、通称「オラオラのラッシュ」!声の収録時にはやはり苦労が・・・。「オラ」の回数も多いですが、漫画ファンが読みながら脳内で再生するスピードも速いこのセリフ。一番多いシーンだと、「オラ」を53連発も言うことがあったのだとか!また、承太郎の特徴を考えると、「オラ」を“低くて重い声”で“速く”言う必要がありました。しかし人間は、力強く喋るとスピードは遅くなり、ピッチを上げると声が高くなります。“低くて重い声を速く出す”という、人間の構造上無理のあるこの難題に、小野さんも最初は対応出来なかったそうです。アニメ開始当初、「オラ」の“オ”の部分にアクセントを置き、“オ”の部分で相手を殴るイメージで収録をしていると、承太郎のライバルであるディオ・ブランドー役の先輩声優・子安武人さんに、「小野くん。“オラオラ”遅いね。」と言われたそうです。笑 この言葉に「カチンときましたね。笑」と振り返る小野さんは、ライバル役に指摘された悔しさからか、回を重ねるごとにコツを掴み、速くなっていったのだとか!こうして、アニメの中の承太郎と共に、成長を遂げた小野さんは声優としての実力をさらに身に付けたのでした。ちなみに、ディオ・ブランドー役の子安武人さんも同じく、「無駄無駄」と連呼するシーンがあるのですが、小野さんに指摘するだけあってスピードは相当速かったそうです。笑 子安さんについて、「すごく良い先輩で、後輩が成長できるようにわざと言ってくれたんだと思う。」と、感謝されていました。
番組では、その場で「オラオラのラッシュ」を披露していただきました!気になる方は是非、radikoタイムフリーでチェックしてみてくださいね!

 

 


(日本大学入学式の時に撮影した、御祖父様とのお写真)

〜声優の世界へ〜

小野さんは、日本大学芸術学部放送学科ご出身で、学生時代はラジオ制作者を目指していました。ラジオドラマを作る実習では、音響効果を担当。しかしある日の実習で、演者が足らず、小野さんに声が掛かります!役としては、村人Aのような脇役。セリフも「こんにちは〜」くらいだったそうですが、ディレクターを担当していた同級生から、「大ちゃん、良い声だね〜」と褒められたそうです!この言葉がとても嬉しかった小野さんは、その後も「演者足りてる?」と、必要以上にアピール!笑 次第に音響効果よりも声優への憧れが強くなり、大学在学中に声優の養成所に入学されたのでした。

 

 


(幼少期の小野さん)

〜ラジオ愛〜

小野さんがラジオに興味を持ったのは中学時代。片道1時間ほどかかる通学時間が暇だった時、友人の勧めでラジオに出会いました。伊集院光さんのラジオやオールナイトニッポンがお好きで、通学中にカセットに録った番組を聞き、学校でラジオ好きの友達数人と、オンエアされた内容について深く語り合っていたそうです。
その後、ラジオ制作者を目指して大学に入り、そこでの実習をきっかけに声優の道に。そして現在、小野さんはラジオパーソナリティとしても活躍中。2007年から文化放送で放送中の『神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~』は、15年も続く人気番組です。
開始当初は“ラジオが好き過ぎるあまり”プレッシャーもあったそうですが、その時、頼りになったのは、同じパーソナリティであり先輩声優の神谷浩史さん。小野さんは、ご自身が番組の主導権を握るより、トークが達者な神谷さんを予想外なことで笑わせる立場に回ろうと考えたそうです。「トークが達者な方ほど、筋道がしっかり見えている。だからこそ、そのレールをあえて別の方向に持っていきたかった。それをずっとやっていたら15年経っていました。笑」とおっしゃいます。
芸人も大好きな小野さんは、ただただ笑いながら観ることもありますが、ラジオにおけるご自身の立ち位置と照らし合わせて観察することもあるそうです。そして、“麒麟”の漫才は参考になるともおっしゃいます!「参考にならないでしょ!笑」とすぐにツッコむ川島さんでしたが、お話を聞くことに。“麒麟”の漫才の第一声で、川島さんがマイクに寄って「麒麟です。」と言う定番の掴みは、声優業でも活かせるテクニックなのだとか!「良い声で言うって面白いんですよね!」と力説する小野さん。
その流れから「麒麟です。」が生まれた経緯を川島さんに質問します。麒麟は結成1年目の頃、ボケ数を増やす為に早口の漫才をしていて、そのなかで、アニメを題材にしたネタで“一休さん”のセリフを良い声で言うボケがありました。すると、そのネタを見ていた作家さんから「川島は本当に声が良いから、自己紹介も良い声で言ったら?」とアドバイスを受けたそうです。そこで「麒麟です。」が生まれ、最初の1秒で“良い声”であるという自己紹介が済んで、漫才がより広がりを見せたそうです。この話を聞いた小野さんは感嘆されつつ、声優は自己紹介の掴みで魅力を出すのは難しいとおっしゃいます。キャラクターを演じる事で声の認識をされている声優さん方にも、もちろん地声があり、キャラクターの役になりきっていない声で自己紹介してもなかなか良い反応は得づらいそうです。そこで小野さんは、自己紹介の時に「麒麟です。」の掴みを真似して、とても良い声で「小野・・・大輔です。」と言うことで、“良い声で挨拶する”というボケを実践されているそうです!笑

 

 


(ご兄弟での撮影!)

〜好きなドライブルート〜

ドライブもお好きな小野さん。やはりドライブ中でもラジオを聴いているそうです!「土曜日のエウレカ」も聴いてくださることがあるそうで・・・!
「ドライブをモチーフにしているので、運転中に聴くという事と、すごく親和性が高い。助手席に乗っている感覚で聴けて、話に出てくる場所にも行きたくなる。」とお褒めの言葉を!(小野さん、ありがとうございます・・・!)
また、「土曜日のエウレカ」を初めて聴いたのは、“さかなクン”がいらっしゃった第2回の放送だったらしく、さかなクンのテレビに映る姿だけでなく、内面やバックボーンを知ることができて良かったと感想を頂きました。川島さんも、第2回の放送について「伝説の回ですよ。生放送なら事故だった。笑 知識も深く、愛があるためさかなクンの話を遮ることが出来ず、落語のように1人で2時間ぐらい喋っていました。笑 第1回ゲストが丸山桂里奈さんで、2回目がさかなクンだったので自分にとっても異次元のラジオだった。笑」と、振り返りました。
ちなみに、小野さんの好きなドライブルートは、夜中に東京から海老名サービスエリアまで行き、八王子〜府中〜調布と、ぐるっと回って都内に戻ってくるルート。夜中の海老名サービスエリアでは、冷たい缶コーヒーを買って、ボーッとするのが癒しだそうです!「ドライブ中は安全第一なので、余計な事を考えなくていい。」と語る小野さんは、仕事の疲れや失敗があった時には、運転に集中してネガティブな気持ちを消し、心が元に戻るまでドライブを楽しんでいるそうです。「ドライブはただの移動ではない。」とおっしゃっていました!

 

 

〜伊集院光=神様〜

今まで一番緊張した仕事は、声優の仕事ではなくラジオ!小野さんが神と崇める伊集院光さんの「伊集院光とらじおと」にゲスト出演されたこと。それまで一度もお会いしたことが無く、神だから会えるはずがないと思っていた伊集院さんとの初対面の時のことをお話し頂きました。以前から伊集院さんのことが好きだと公言していましたが、それは“番組に出たい”という意味ではなく、いちリスナーとして、とにかく聞いているのが好きでした。また、好きな番組に自分が関わることで、“番組が面白くなくなったらどうしよう・・・” “ラジオといういい意味の閉鎖空間で生まれる内輪ネタなどに走り、初めて聞く人が面白くなかったらどうしよう・・・” “伊集院さんに面白くないと思われたらどうしよう・・・”など、不安が募っていた小野さん。そんな心臓バクバクのなか、CMを挟んでいよいよこのあと登場するという時、神は救いの手を差し伸べてくださいました。「今日のゲストは小野大輔さんです。なんか僕のラジオ聴いてくれているみたいだね。もう、ろくなことないんだから。会わない方がいいんだよ!憧れているということは、120点から入るじゃん。もう減点しかないんだから!」と、伊集院さんは、照れもあったのか、自ら笑いを交えて先に不安を口にすることで、小野さんが抱いていた不安を消し、自然体で喋れるように番組に迎えてくれたのでした。そして、番組内でラジオ愛の話ではなく、伊集院さんの落語と小野さんの芝居の共通点など、声優として芝居について語りました。この時、改めて、“自分は声優なんだ”と思えたそうです。また、小野さんは今年3月に伊集院さんがコロナに感染され、「伊集院光 深夜の馬鹿力」をお休みされた際、伊集院さんの代役としてオープニングトークを務めました。「伊集院光とらじおと」のトークの最後で「夢や野望は何ですか?」と聞かれた際、「伊集院さんのお昼の番組は出演させて頂いたので、あとは深夜の馬鹿力に出させて頂くこと。」と、答えていた小野さん。伊集院さんのコロナ感染という不測の事態で、理想の形ではありませんでしたが、神のピンチを助けられたことで、「ラジオは筋書きのないドラマが生まれる場所だなと思いました。」と、その時を振り返りました。

 

 

〜6月29日に新曲「Sounds of Love」を配信リリース〜

今作は、小野さんの大好きなゴスペラーズさんが提供してくださった、大きな愛をテーマにした壮大なバラード曲。コロナ禍は、好きな人や仲間に会えなくなった事で、逆に、人との絆を改めて確認出来た時期。だからこそ改めて家族愛や友情、そして仲間との絆を、大きな意味で“愛”と捉え、届けたいという思いが込められています。
是非チェックしてみてください!

 

 

〜小野大輔さんのエウレカ!(発見・気付き)〜

小野さんのエウレカは、声優の師匠であり、『クレヨンしんちゃん』の園長先生役でも知られる、納谷六朗さんから言われた“声優は耳がよくあれ”というお言葉。こちらは、声に磨きをかける為に努力を重ねていた養成所を出てすぐに言われた言葉で、お芝居は自分ひとりでは成立せず、チームプレイで作り上げるものと気付かせてくれました。例えば、相手が怒っている演技をすれば、それを受けて自分のセリフも変える必要があります。また、リハーサルと本番で、相手役の方が演技の熱量を変えれば、それに合わせた演技が求められます。声優は、自分の声を人に聞かせたいと思いがちですが、相手の声を聞くことが大事。この教えは、小野さんの胸に今も刻まれています。
そして、今後の夢を最後に伺うと、「Tokyo FMで、またレギュラーがやりたいです!」と力強く教えてくださった小野さん。言葉に出す事で、様々な夢を叶えてきた小野さんなら、実現すること間違いなしですね!

 

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PLAYLIST
  • 「DELIGHT」
    小野大輔
  • 「STAND PROUD」
    橋本仁
  • 「Sounds of Love」
    小野大輔
  • 「ドラマティック」
    小野大輔