EDC 営業日誌(過去のお客様)
2021年11月27日放送
本日のお客様は、BEGINの上地等様。
1968年、沖縄県石垣島の出身。幼馴染の比嘉栄昇さん(ボーカル)、島袋優さん(ギター)と共に1988年に「BEGIN」を結成。
オーディション番組『三宅裕司のいかすバンド天国』に出場し、“2代目グランドイカ天キング”に!イカ天でも披露された「恋しくて」でメジャーデビュー。沖縄フレイバーを漂わせた、ブルージーでセンチメンタルな音楽が支持を集めます。
その後、「涙そうそう」「島人ぬ宝」など老若男女に歌い継がれる名曲を発表。2001年6月、ご自身らの企画でスタートした「うたの日コンサート」に加え、ハワイやブラジルなどでも公演を行い、国内外で活躍の場を広げています。
本日は、今年デビュー31周年を迎えた、沖縄のレジェンドアーティスト「BEGIN」のピアノ担当・上地等さんと川島さんがドライブに出掛けました!
 
【左から上地等(ピアノ)、比嘉栄昇(ボーカル)、島袋優(ギター)】
 
沖縄のイメージが強いBEGINですが、実は上地さんは今、東京在住!比嘉さんは石垣島、島袋さんは沖縄本島で暮らしているため、沖縄に帰る頻度は高いそうで、新曲のレコーディングの際には1ヶ月ほど沖縄に滞在されます。上地さんは「(東京在住と)言うたびに残念がられるんですよ〜。笑」とおっしゃっていました。
(料理上手な上地さん!東京でも、沖縄の味・ゴーヤチャンプルー、ソーメンチャンプルーはもちろん作られます!)
そんな上地さんは、ドライブ早々、川島さんと話したいことが!それは、川島さんと奥様の出会いの話。上地さんは、以前テレビでこのエピソードを聞き、キュンとされたそうです!
〜ある日、川島さんが後輩3人と新宿でご飯を食べていると、ひとりの女性がその店に来店。“素敵な方だな、とても好みの顔だな〜”と思っていた川島さんですが、声を掛けることはなく、後輩の皆さんと食事を楽しんでいました。しかし、しばらくすると、その女性に、同じ店にいた強面のヤンチャな男性が絡み始めました!戸惑う女性。そこで、川島さんは助けることを決意!“喧嘩が強いわけではないが、何か起こっても4人いれば大丈夫だろう”と思った川島さんは、「(こちらの女性)僕達の友達ですけど、何か用ですか?」と間に割って入りました。するとヤンチャな男性は立ち去り、見事女性を救出!その女性が今の奥様!〜
まるで漫画のような素敵なエピソード!!上地さんも「そんなことある〜?」と改めて驚いていました!笑
(上京後のお写真。この写真撮影の前には、奇跡の出来事が!詳しくは後半で!)
続いてはBEGINの馴れ初め話に。
BEGINの3人は石垣島出身の同級生で、小・中・高と学校も同じでした。各々が中学生になると音楽をやり始め、上地さんは当時、フォークに夢中だったそうです。高校卒業後、3人とも進学のために東京へ。なかなか東京に馴染めなかったこともあり、週末はよく集まっていたそうです。
その後、比嘉さんと島袋さんは学校を中退され、アルバイトに励みますが、悶々とした日々が続きます。そして、まだ若く、有り余っているパワーを発散しようと、3人で音楽を始めることに。
最初は、石垣島の先輩のバックバンドを1年ほどされていたそうです。初めて3人で演奏を行ったのは、石垣島の同級生の結婚式。若くて、まだお金があまり無かった新郎新婦の為に、仲間達で普段お世話になっていたライブハウスを貸し切り、結婚式を開催することにしました!この結婚式で、後のBEGINとなる3人は演奏し、式を盛り上げました。そして、ここでの演奏が3人の運命を大きく変えることに。結婚式終了後、ライブハウスのマスターから「君たち来月からここで演らないか?」とオファーされたのです。
上京して2年が経つ頃、このような流れで3人での音楽活動が本格的にスタート。その半年後、伝説の番組『三宅裕司のいかすバンド天国』に出場。『三宅裕司のいかすバンド天国』は、バンドが対戦形式で競い合い、5週連続で勝ち抜くと“グランドイカ天キング”となり、メジャーデビュー出来るという番組。
BEGINが出場した目的は、番組出演を機に様々なライブハウスで演奏が出来たら良いな、くらいなもので、メジャーデビューまでは全く想定していませんでした。半分、思い出作りの感覚で出演されたBEGINでしたが、見事に5週勝ち抜き2代目の“グランドイカ天キング”に!プロへの道が開けた瞬間でした。
ちなみに、イカ天で披露し、後にデビュー曲となる「恋しくて」は、島袋さんの失恋話からできた曲。イカ天に出た1週目のOA後の反響は大きく、普段は地元の友達が憩いの場として20人ほど集まっていたライブハウスに、何百人ものお客さんが押し寄せて来たそうです。
いきなり人生が変わったBEGINの3人ですが、突然売れたことで、その反動も大きかったと言います。今振り返れば楽しかったと語る上地さんですが、デビュー曲「恋しくて」の後は、なかなかヒット曲が生まれず苦難の日々が続いたそうです。しかし、デビューから10年後の2000年に「涙そうそう」、2002年に「島人ぬ宝」など立て続けに名曲を発表され、沖縄のレジェンドバンドとして確固たる存在となりました。
(デビュー当時のBEGINさん)
そして2009年にはBEGIN with アホナスターズ名義で「笑顔のまんま」をリリース。この曲が誕生した経緯は“明石家さんま”さんの一言。
前年の2008年、さんまさんが総合司会を務めた『FNS27時間テレビ!!
みんな笑顔のひょうきん夢列島!!』の深夜コーナーに出演したBEGIN。すると、さんまさんからこの番組のエンディング曲を作ってほしいとその場で依頼されます。上地さんは“難しいかな〜”と思ったそうですが、ギターの島袋さんがあっさり快諾!番組終了までの15時間ほどで、後世に残る素晴らしい曲を完成(当時は歌詞の1番のみ)させたのです!
その後、さんまさんは、“無茶振りしてこの曲を作らせてしまった・・・”という気持ちから、BEGINが毎年開催している「うたの日コンサート」にノーギャラで出演!しかも、2〜3時間のコンサートの進行MCを担当されました!それまでのうたの日コンサートは、例年7〜8000人の集客でしたが、さんまさんが来るということで、およそ5万人のお客さんが!交通規制が入り、警察が出動するほどの事態になりました。1人で4万人ほどの人を集客させたさんまさんですが、ノーギャラ出演!上地さんもそのカッコ良さにとても感動されたそうです。
こうして“お笑い界”と“沖縄”の架け橋となった「笑顔のまんま」はその後、『沖縄国際映画祭』の公式テーマソングとして使用されています!
 
 
ここ10数年のなかでBEGINさんが大事にしている活動は、日系の方が多く生活されている国でコンサートを行うこと。そのきっかけを与えてくれたのはハワイでした。
ハワイには、日本から移住された方々が“みんなが協力して頑張ってきた証”として建てられた『慈光園本願寺』という場所があります。上地さんは初めて訪れた際に、現地のおじいちゃん・おばあちゃん、そして3世となる孫世代の方など、たくさんの方とお話する機会を得たそうです。そこで上地さんは移民の方達が経験された、厳しい環境での生活のお話を聞き、自分たちが忘れかけている“日本魂”を感じたと言います。
また、ハワイだけでなく、ブラジル、ペルー、ボリビア、アルゼンチンなど他の地域にも日本からの移民の方が多いことを知ったそうです。ハワイの日本人移民の方々のなかには沖縄の方が多く、沖縄の伝統芸能“エイサー”の文化も現地に根付いています。“エイサー”を踊る際にはBEGINの曲を使用することが多いそうで、ハワイでBEGINは大人気!そのため、ライブで訪れた際は、“あれ?俺ってこんなスターだったっけ?笑”と思ってしまうほど大歓迎を受けたそうです!
さらにハワイだけでなく、世界中にエイサー隊がいて、ブラジル・サンパウロでのライブも大盛り上がり。南米の陽気なノリもあり、その熱狂は本当に凄かったそうです。
(ハワイでのライブ)
(ブラジルでのライブ)
 
 
ドライブも終盤。ここで、冒頭とは逆に、川島さんが好きなBEGINの結成前のエピソードをリクエストすることに!「あれ、奇跡だよね〜」と話し始めた上地さんのお話は・・・
〜石垣島出身の3人。石垣島の人たちは高校卒業後、1回は島を出るのが主流だそうです。3人も例外ではなく、上地さんと島袋さんは東京へ、比嘉さんは沖縄本島に高校卒業後、進学することになっていました。上地さんは上京4日前、翌日東京へ先に旅立つ島袋さんと石垣島の店で偶然出会ったそうです。そこで、東京での連絡先を交換し、上京後に会う約束を!
そして東京で再会されたお二人。入学式に来ていくシャツを綺麗にするアイロンが欲しかった上地さんは、島袋さんと電気街のある秋葉原へ。そして、とある電気店でアイロンを探していると、店の奥の洗濯機コーナーに見覚えのある後ろ姿が・・・。近づいてみると、なんとそこに、沖縄本島へ行く予定だった比嘉さんが!!実は比嘉さん、大学受験に失敗して、東京の予備校に通うことになっていたそうです!つまり、3人は、上京直後になんと秋葉原の電気店で偶然集結していたのです!その奇跡の再会をきっかけに、毎週集まるようになった3人は後にBEGINを結成!〜
このエピソードに川島さんは「奇跡でしかない。沖縄の神様がいるんですよ、きっと。神様が比嘉さんを秋葉原に置いとこってなったんですよ!笑」と改めて驚いていました。
 
BEGINは昨年オンラインで開催された『沖縄からうた開き!うたの日コンサート 2020 in 石垣島〜with JAL
ホノルルマラン〜』のDVDを今年発売されました。
毎年6月に開催されている「うたの日コンサート」。誰しも“うた”に助けられた経験がある。だからこそ、“うた”に感謝し、お祝いしようという趣旨で、2001年から毎年うたのお祝いを続けて来ました。そのため、コロナ禍でもお祝いは中止せずに開催するべきだという結論に至り、昨年は12月に、石垣島から海をバックに生配信という形で開催されました。
配信ライブをするにあたり、「生配信をするか、事前に収録したライブを配信するか、ここにどんな差があるのか?」ということを、とても悩まれたと言います。そこで、生配信でやるなら意味付けたいと考え、配信を観ている方からリクエスト曲を募り、セットリストを決めてもらうことに!その場で集計して演奏するという、通常のライブでは観られない生配信ならではの素晴らしい企画でしたが、ここで問題が・・・!これまで数多くの曲をリリースされているので、リクエストされても思い出せない(演奏できない)曲があったそうです!笑
ですが、その良い意味のグダグダ感も楽しんでもらおうと思い、それを含めてありのままを配信することに!比嘉さんに至っては、歌詞もメロディーも覚えてない曲があったのだとか・・・!笑
配信の途中にトイレに立つ上地さんなど・・・普段はなかなか見られないお姿が拝見できます!「本音を言うと、(恥ずかしい一面もあるので)DVD化したくなかった。笑」と上地さんはおっしゃっていましたが・・・ファンの方々からの要望を受けてリリースとなったこのDVD、皆さん是非チェックしてみてくださいね!
上地さんがこれまでの人生で見つけたエウレカ(気付き)は「完璧なものよりも、少し欠けたモノのほうが人間らしい感じがする」ということ。
例えば、1ヶ月後に5kg痩せるとダイエット宣言した人が、結果4kgしか体重を落とせなかった時、上地さんは、“途中でラーメンでも食べちゃったのかな?”と考え、その誘惑に負けてしまったリアル感に人間らしさ、“ブルージーさ”を感じるそうです!
このエウレカを発見したのは、上地さんの実体験も関係しているそうで、「ライブ中、100点の演奏を目指しているが、どうしてもミスタッチをしてしまう時がある。ミスした時は本当に悔しいけど、ある時、そのミスを意外とお客様が喜んでいることに気付いた。ミスしてないフリも出来るが、途中で演奏を止めてでもやり直す方が、“ブルージーさ”があって僕は好きなんです。」と語ってくださいました。
 
 
そして、BEGINは来年、『第25回
BEGINコンサートツアー2022』の開催が決定しています!「BEGINの活力は、お客様の前でライブを行い、喜んでもらうこと」と、言い切ってくださった上地さん。1月16日
(日) 「愛知・名古屋市公会堂 大ホール」を皮切りに、全国20都市22公演で開催されます!
※詳細はHPでご確認下さい。
https://www.begin1990.com/live/detail/?id=670
また、上地さんは、2019年にベーシスト・高橋 "Jr." 知治さん、ブルースハーモニカ奏者の KOTEZさんと共に、50
歳を超えたメンバーが男の等身大を描くバンド『ビリケンブラザーズ』を結成!今月11月17日に、1st アルバム「Trippin’
Orchestra」をリリースされました!さらには、来月12月9日に、「渋谷B.Y.G」にて待望のワンマンライブが開催されます!アルバム・ライブ共に是非チェックしてみてください!
※詳細はHPでご確認ください。
https://www.begin1990.com/live/detail/?id=671
 
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