EDC 営業日誌(過去のお客様)
2021年10月9日放送
本日のお客様は、ハライチ・岩井勇気様。
1986年、埼玉県生まれ。幼なじみの澤部佑さんと2006年に「ハライチ」を結成。デビュー2年目の2008年、『M-1グランプリ』準決勝進出。その後、2009年、2010年、2015年、2016年と4大会連続でM-1決勝に進出。また近年では『史上空前!!笑いの祭典ザ・ドリームマッチ2020』にて渡辺直美さんと「塩の魔人と醤油の魔神」を披露し、大反響を呼びました。個人としても、「腐り芸人」と言う新たなジャンルを開拓され、トーク力の高さから、多数のバラエティ番組に出演されています。さらに2019年には、初エッセイ集『僕の人生には事件が起きない』(新潮社)がベストセラーに!そして、先月9月末に出版したエッセイ第2弾『どうやら僕の日常生活はまちがっている』では初めて小説に挑戦!アニメと猫が大好きなことでも有名な芸人さんです!
 
 
お二人は数多くのバラエティ番組でご一緒されていますが、二人きりで話す機会はほとんど無いそうです。
しかし以前、NHKのコメディ番組『ん』で共演された時、空き時間に岩井さんが川島さんの楽屋を訪れました。岩井さんの空き時間の過ごし方について、“楽屋の電気を消して、1人で体育館座りしている”と勝手なイメージを持っていた川島さんはとても驚いたと言います。笑
実は岩井さんは“芸人はみんな仲間”という思いがあり、先輩の楽屋などによくお邪魔し、お喋りするのが好きだそうです。一方、相方の澤部さんはスイッチの切り替えがあり、テレビに出ているオンの時と、楽屋やプライベートのオフの時の差が激しいそうです・・・。
川島さんも楽屋などでは人見知りだそうですが、「川島さん、(本当に)人見知りですか?」と話を遮った岩井さん。実は、川島さんのある姿を目撃していました。
それは、『ん』で共演される前の2019年、同じくNHKでの出来事。朝の連続テレビ小説『なつぞら』に出演していた川島さんは、撮影の合間にNHKの食堂で共演者の俳優さん方と仲良く食事をしていました。別の収録でたまたまNHKに来ていた岩井さんは、食堂で川島さんを見つけ、早速挨拶に向かうと“よそよそしい”対応を取られたそうです・・・。(あれ?俳優さんとは朗らかに話しているのに俺には冷たいな・・・距離感で言えば同じ芸人の俺の方が近いはずなのに・・・)と思った岩井さんは、“言い方は悪いけど川島さんは俳優ヅラしているな”と感じたそうです。笑
このエピソードに川島さんは慌てて弁明!笑
当時の岩井さんは、「“お笑い風”をやっている人は許さない!」とバラエティ番組で毒舌キャラを発揮され始めた頃で、川島さんは岩井さんを警戒していました・・・。後で何を言われるか分からないので、俳優としての仕事現場を岩井さんだけには目撃されたくなかったそうです。笑
「芸人がいると思って話しかけたら俳優だった・・・」と蒸し返す岩井さんですが、川島さんの対応がちょっと寂しかったそうです。川島さんも当時のことを謝罪しつつ、「俺にもどっかに俳優スイッチがあったんだな・・・」と反省している様子でした。笑
鋭い視点を持つ岩井さん。今回、我々EDC(エウレカ・ドライブ・コーポレション)は、岩井さんをよりよく知るため、乗車前にアンケートを行ったのですが・・・その回答に「アンケートが嫌い!」と書かれていました!!その理由を川島さんが確かめると、こんな事実が・・・。岩井さんは数多くのバラエティ番組に出演されながら、執筆活動・脚本・漫画原作も行っているため、時間を見つけて書き物のお仕事をされてます。この日の夜にこの原稿を書こうと思っていると、突然、とてつもない質問量のアンケートが送られて来て、「明日までに」と言われる事があり・・・「ふざけんなよ!」と思ってしまうそうです。笑
エッセイなどは原稿料がありますが、アンケートは番組出演料に含まれ、アンケート自体にはお金は出ません。しかも、アンケートの質問量は番組側が決めるため、いわば送り放題!時にはアンケートの方が、原稿よりも文字数が多い時があるそうです!そんなアンケートへの不満は川島さんも少なからずあるようで、アンケートあるある話に・・・。「コンビニでの楽しいエピソードは?スーパーでは?旅行先では?家族とのエピソードは?と散々聞かれた挙句、最後に“鉄板エピソードは?”と聞かれる・・・」それでも頑張って答えを絞り出して書いたものの、一番弱いエピソードだけが番組で採用されることもあるそうです・・・。番組・演者の両方に良くないことが起きている(番組のクオリティーも下がる・演者も面白くない人に思われる)、アンケートのあり方を考え直さなければならないと訴えていました。笑
しかし岩井さんは今回、『土曜日のエウレカ』史上一番といっていいほど、しっかりアンケートに答えてくださいました!“アンケートが嫌いと記入した以上、しっかり書かないと本当に尖っている人に思われる!”と、笑いながら語ってくれた岩井さん。その鋭くも優しいお人柄に救われました!この場を借りてですが、本当にご協力ありがとうございました!そして、ごめんなさい!笑
 
 
(中学時代の岩井さん。 陸上部に所属されていたそうです!)
岩井さんはもともと芸人になろうとは思っていませんでした。お笑い番組を観るきっかけになったのは、幼なじみの澤部佑さん。とにかくテレビが大好きだった澤部さんからおすすめのバラエティ番組を教えてもらい、『ボキャブラ天国』などを観るようになりました。そこで岩井さんは、バラエティ番組自体より、“ネタ”という作品に興味を持ったそうです。
そして中学時代、岩井さんと澤部さんの共通の友人が、「お笑いをやろう!」とまず澤部さんを誘い、澤部さんが岩井さんを誘う形でトリオが結成されました。
しかし、高校2年生の時、その共通の友人がラグビーに熱が入り、大学進学を希望したため脱退することになり、岩井さんと澤部さんはコンビになりました。
お二人はプロの道に進むため「ワタナベエンターテインメント」の養成所の2期生として入学。ワタナベエンターテインメントを選んだ理由は、吉本のNSCだと埋もれてしまいそうだし、先輩も多くて怖そう・・・と感じていたことと、他の養成所より学費が安かったことでした。
養成所卒業後はデビュー2年目にして『M-1グランプリ』で準決勝に進出、3年目には決勝進出を果たしました!ハライチの漫才といえば“ノリボケ漫才”が有名ですが、結成当初はコント大喜利漫才をされていたそうです。
憧れていたのは、岩井さんがもともと大好きだった“2丁拳銃”さん。しかし、一番面白いスタイルの漫才だと思い、目標にしていた2丁拳銃さんのネタが、賞レースでは結果が振るわず、それを観た岩井さんは、“2丁拳銃さんで優勝できないなら俺らには無理だ・・・”と別の形の漫才を作ることに。こうして生まれたのがノリボケ漫才で、新たな漫才のシステムを作り出しました。
M-1効果もあり、デビュー2年目からテレビの仕事も入り始めたハライチのお二人。早くから順風満帆なイメージがありますが、大きな賞レースで優勝するなど、爆発的にブレイクするタイミングはなかったそうです。澤部さんもある時期からテレビに多数出演されるようになりましたが、ブレイクというよりは徐々に“染み渡っていった”感じ。笑
一方、岩井さんは、澤部さんが染み渡ったことで、“じゃない方芸人”という風に見られがちではありましたが、澤部さんほど出ていないだけで、レギュラー番組は常に持っていました。近年は、『ゴッドタン』で「腐り芸人」キャラを確立し、エッセイもベストセラーになるなど、ピンでの人気が高まる岩井さん。そのきっかけとなった出来事は2つありました。
1つはラジオ番組のレギュラーを持ち、自分について語る場所ができたこと。それまで自分自身の考えや思いを発する機会がほとんどなかった岩井さんは、ラジオ番組で初めて発言権を獲得し、そこで自分を知ってもらったことで、他の仕事に繋がったそうです。
もう1つはおでこを出したこと。以前は基本“おかっぱ頭”だった岩井さんですが、とんねるずさんの番組でたびたび坊主やモヒカンにされ、木梨憲武さんにはプライベートでも突然坊主にされ・・・髪型が定まらない時期がありました。しかし、おでこを出すことで明るい印象に変わり、とっつきにくいイメージから脱却した岩井さん。「ノリさんのおかげです」とおっしゃっていました。笑
そして、ハライチは結成15年!出場資格が最後となる今年、4年ぶりにM-1グランプリに出場します。早くから売れているコンビですので、「まだ15年!?」
と思う方も多いと思いますが、無理もありません。ハライチのお二人がテレビに出始めたのは、先輩であるオードリーさんやナイツさんと同じ頃。岩井さんご自身も「まだ出れる」という話題性を含めてエントリーされたと言います。
また、岩井さんにはもう1つ狙いがありました。それは、コロナ禍でお客さんの前で漫才をする機会が減ったので、その場を多く作ること。さらに、M-1のお客さんは、審査員目線で厳しく見る方や、他の芸人さん目当ての方が多く来られるので、その環境で“笑い”を取ることが岩井さんにとって一番の快感だそうです。すでに突破された1回戦は、劇場ではなく簡易の特設ステージ。トップバッターだったそうで、とても刺激があり楽しめたとおっしゃっていました。過去4回決勝に進出されている実力者が、M-1に戻ってきました!お二人の原点でもあるM-1での最後の活躍が楽しみですね!
 
 
ここで、岩井さんがドラゴンクエスト大好き芸人でもある川島さんと話したいことが!
最近、スマホ版の『ドラゴンクエストV
天空の花嫁』にハマっている岩井さん。幼少期にスーパーファミコンでやっていましたが、改めてスマートフォンで遊び直しているそうで・・・、突然改まった表情になり「ご報告があります。」と切り出しました。「この度・・・ヘルバトラーが仲間になりました!」と、まるで第一子が産まれたかのようにご報告!笑
ヘルバトラーは1/256の確率でしか仲間にならないと言われており、ドラクエ好きには大興奮の出来事!冷静な岩井さんも、「仲間にしますか?」という選択画面を見た際は、スマートフォンのため、「はい」と「いいえ」を押し間違えないか手が震えたそうです。この凄さがわかる川島さんが驚いていると、岩井さんはさらに「いや・・ごめんなさい・・実はこの前にキラーマシーンも仲間にしたんです!」と続けてご報告!笑
こちらも同じく凄いことで、貴重なモンスターを仲間にしていることを公言してしまった岩井さんは、帰り道にスマートフォンを盗まれるのではないかとビクビクされていました。ちなみに、このご報告は“しっかり”アンケートに書かれていました。笑
 
 
岩井さんは、最近初めてメイド喫茶に行ったそうです。秋葉原に別の用事に訪れていた際、メイド喫茶の呼び込みの凄さに感心され、1人で行ってみることに!
「ぅぅぅっう、、す、す、すみません!」と、相当緊張しながら呼び込みのメイドさんに声を掛け、ご入店。笑
お店のコンセプトは“夢の国”、メイドさんは猫耳を付けている可愛らしい格好だったそうです。
メイドさんから「こちらは夢の国ですので、ご注文の際に普通に呼んでも気付かないので“ニャンニャン”とお呼びください!」と説明を受けた岩井さんは、動揺されましたがとりあえず落ち着いて、まず食べ物と飲み物を決めることに!
オムライスに決めた岩井さんは注文する際、改めて“ニャンニャン”のことを思い出します。笑
しかし、超えなければいけない高い壁に手が届かず・・・周りをキョロキョロしていると、先ほど説明をしてくれたメイドさんが来て「お客様、“ニャンニャン”ですか?」と助け舟を出してくれました!助けられたことも相当恥ずかしかったそうですが・・・、「は、ははい!“ニャ、、ニャ、、ニャンニャン”です!」となんとか注文。
そして、食事が終わって帰ろうとした時、岩井さんはあることを見落としていたことに気付きました。注文したオムライスとドリンクのセットには特典でメイドさんとのチェキ撮影が付いていたのです!!
自ら入店したにも関わらず、“こんな恥ずかしいことがあるのかと・・・!”と軽くパニックになる岩井さん。笑
さらにチェキの撮影場所は、通常メイドさんたちが踊ったりするステージで、他の客さんの方を向きながら撮影するパターンでした。
メイドさんから、“ニャンニャンのポーズ”と“キュンキュンのポーズ”と“お互いの手でハートを作るポーズ”のどれがいいですか?と聞かれ、「じゃあ・・・キュンキュンで。」と答え、グーを2つ顎に乗せるポーズでメイドさんとチェキを撮影した岩井さん。
初めてのメイド喫茶の感想は、「メイドさんを好きになるというより、辱めを受けるのがクセになるかも・・・」とおっしゃってました。笑
(高校時代の岩井さん。こちらは、キュンキュンのポーズではありません!笑)
実は川島さんもメイド喫茶に行ったことがあるそうで、会話は意外な方向へ。川島さんは、後輩芸人“天津”の向さんに連れられて、1〜2回はメイド喫茶に行かれたそうですが、次に訪れたのは“妹喫茶”でした!メイド喫茶に行った時は、“郷に入っては郷に従え”の精神で、その場のノリに合わせることができた川島さん。しかし、妹喫茶では少し苦い経験があったそうで・・・。入店後、「担当する子は妹なので、タメ口でグイグイ来ますけど、そういうコンセプトですので。」と説明を受けました。もちろん了承した上で、席に座った川島さん。すると・・・
妹店員「何飲む〜?」
川島「あ、アイスコーヒーで・・」
妹店員「ケーキは?」
川島「あ、ケーキは大丈夫です。甘いものがあれなんで・・」
妹店員「え?ケーキ頼まないと損じゃん!え、ケーキ頼まないの?ケチじゃん!」
妹から“ケチ”呼ばわりされ続けた川島さんは、“これ、タメ口を超えてないか?”と感じ、このままいると喧嘩になってしまうかもしれないと思い5分で店を出たそうです。笑
さらにメイド関連話が尽きない川島さんが、もう1つ体験談を!新宿の吉本興業・東京支部の近くにある猫耳マッサージに行かれたこともあるそうで、看板には「メイドさんがマッサージするニャン!」といった内容が書かれており、ちょっと疲れをほぐそうと気軽に入店すると、的確にツボを押してくださる本格的なマッサージだったことが判明!特にメイドさんらしい会話もなく、施術後に、「すごく猫背なので、日常でも意識して下さい。」と猫耳の人からアドバイスを受けたそうです。笑
岩井さんも“思っていたのとは違った・・・”という経験がありました。それは、秋葉原付近でヘッドマッサージの店をホットペッパーで予約し、実際にお店に行ってみると、“巫女”の格好をした店員が出てきたそうです。笑 ホットペッパー上では店名が普通だったので、本格的なマッサージだと思っていたそうですが、巫女さん姿の女性に“ふにゃふにゃ”頭を揉まれて1時間経過してしまったそうです・・・。
 
 
岩井さんは、前作『僕の人生には事件が起きない』に続き、エッセイ第2弾となる『どうやら僕の日常生活はまちがっている』を9月末に発売されました。今作はエッセイ23本と、初めての小説も1本収録されています。
このエッセイを読み終えた川島さんは、「本の“はじめに”で嘆きや怒りを書き、小説に関しては、勘違いした芸能人が書くモノだ、などと毒を吐いておきながら、最後にちゃんと小説を書いているあたり、今回のアンケート問題にも通じる“岩井のやり方”だな!」と感心していました。
小説を書くことに関しては、どういう気持ちだったのか尋ねると、岩井さんらしいお答えが・・・。出版社から依頼された小説に対し、岩井さんは最初、小説は書けないですと伝えていたそうですが、と同時に、エッセイを書いている人に「小説書けるんじゃないですか?」と聞くことは、“それはエッセイを下に見ているのでは?”
という違和感も覚えていました。だからこそ今回は、エッセイみたいな小説を書いたそうです。岩井さんの中では、「これはエッセイです」とも言えるが、「小説です」と言うことで今回書いた文章が、“小説”として認められるのであれば
“小説家ってなんですか?”というメッセージも含まれているそうです!
川島さんはこの話を聞き、「確かに、小説と言われれば小説なのか?エッセイといってもフィクションが入っているな?フィクションとノンフィクションの境目を作っていない作品になっていた!」と納得した様子でした。
また、「もちろんエッセイも本当に面白い!」と川島さんが絶賛した『どうやら僕の日常生活はまちがっている』。現在発売中ですので、皆さん是非チェックしてみてくださいね!
最後に、今後の目標を聞かれた岩井さんは、「漫才さえ出来ればいいかな」とお答えになった後、逆に川島さんへ同じ質問を投げかけました。
すると川島さんは、家族の幸せを支えるのは前提として・・・「家に地下室を作り、自分の好きなものだけがある空間で、この世と遮断したい。頑張っているのはそのためだけ。」という、なかなかヘビーなお答えが・・・笑
冗談も含まれていると思いますが、皆さん、川島さんへのアンケートもほどほどでお願い致します!笑
 
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