EDC 営業日誌(過去のお客様)
2021年6月12日放送
本日のお客様は、ゆりやんレトリィバァ様。
1990年、奈良県出身。NSC大阪校35期を首席で卒業。2015年に『R-1ぐらんぷり 2015』の決勝に進出。2017年には『女芸人 No.1 決定戦 THE
W』で優勝され初代王者に!2019年、アメリカのオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に出演し、アメリカの観客を沸かせました!そして今年の『R-1
グランプリ2021』で優勝!全国ネットのお笑い賞レース2冠を達成された、人気ピン芸人さんです!
 
 
ゆりやんさんは、今年3月にR-1グランプリで見事優勝!審査員として現場にいた川島さんは、ネタを披露する順番が最後にも関わらず、全く緊張していないゆりやんさんに驚いたそうです。ゆりやんさん曰く、今年のR-1の舞台は例年行われているテレビ局ではなく、大阪の劇場だったことで、慣れ親しんだ感じがして落ち着くことができた。また、雰囲気に呑まれないように、他の芸人さんのネタを見ないよう(笑い声が聞こえないよう)にして挑んだことが功を奏したそうです。ゆりやんさんのネタ選びの決め手は、“自分がやっていて一番楽しいネタ”であること。“ウケるけど、やっていて楽しくないネタ”をすると、負けた時に後悔が残るため、賞レースでやるのは、とにかく自分が楽しんでやれるネタ、と決めているそうです。
R-1優勝を決めた2本目のネタのきっかけは、かまいたちさんのトーク番組!ゆりやんさんがダイエットを始めたばかりの頃、ネットでは芸人として武器(見た目で笑わせる)を失ったのではないか?と言われていたそうです。そこでゆりやんさんは、「武器を無くしてどうするの?」と言われた時、「武器持ってますよ!」と言い返すためにオモチャのピストルをずっと持っていました!そして、かまいたちさんの番組でピストルを出す機会が訪れます。満を持してピストルを構えたところ、意識していた訳ではないですが、ピストルを構えた姿勢が「アウトレイジ」の北野武さんのようになり、かまいたちさんから「そのたけしさんの姿勢やめ!」とツッコミを受けます。この“たけしさんの姿勢”が面白いと思ったゆりやんさんは、ネタに取り入れることにしたのです!
 
 
(幼少期のゆりやんさん)
ゆりやんさんは、小学校低学年の頃、「モーニング娘。」に憧れていて、将来はアイドルになりたいと思っていました。しかし、「モーニング娘。」は、みんな二重で可愛いと気付きます。次に注目したのは、関西のアイドルである「吉本新喜劇」の皆さんでした。自分もあの人たちのようにスポットライトを浴びたい!と思い、芸人を目指し始めます。関西の人は、一度は憧れる吉本芸人の道。しかし大半の人は歳を重ねるにつれ現実的な道を考えるといいます。ゆりやんさんが、芸人になるという夢をブレずに持ち続けた理由は、小学生の時の出来事が関係していました。小学3年生の時、一切できなかった鉄棒が、練習を重ねることでできるようになりました。“人間はやれば出来るんだ!”。この成功体験が、ゆりやんさんを芸人の世界に導いたのでした。
(幼少期のゆりやんさん)
高校卒業後はNSC(吉本興業の養成所)には入らず、関西大学へ進学しました。本当は高校卒業後にNSCに入学したかったそうですが、高校3年生のゆりやんさんは青春の真っ只中!好きな人ができました。しかし、その恋は実らず、、、、ショックを受けましたが、意中の相手に「凄い!」って言われたい!羨ましがってほしい!という一心で勉強に励みました。そして見事、名門・関西大学への入学を果たしたのでした。しかし、合格したことで目的を達成してしまった大学生活。就職活動をする意思は無く、ご自身の夢である芸人になるために、大学4年の時に、関西大学と並行してNSCに入学されます。そして、NSCは首席で卒業!ちなみに卒業ライブで披露したネタは、『お金を返して欲しいけど、直接言うのは気が引けるので「オブラートに包んできました!」と言って自分をビニール袋に包んできた人』というネタ。現在と芸風はさほど変わらず、、、NSC卒業時には今のゆりやんさんの原型が出来上がっていたのです。笑
NSC卒業後、すぐにロケ番組等で「忍者ハットリくん」の格好で出演をするなど、プチブレイクを果たしていたゆりやんさんですが、ライブではあまりウケることが無く、悩んでいました。そんな時、ある人から「ゆりやんはネタの人じゃないから、そんな気にしなくても良いんじゃない?」と言われます。その人は、悪気なく励ますために送った言葉でしたが、舞台で大爆笑を取る先輩方に憧れていたゆりやんさんにとって、“ネタの人じゃない”と言われたことは少しショックでした。そのため、憧れの先輩方に追いつくため、R-1優勝を目標に定めました。
そしてデビュー3年目にはR-1決勝に初進出!初めての決勝のネタ順は、1番手。プレッシャーもあり、緊張しそうな場面ですが、ゆりやんさんは強心臓でした。袖から舞台を見たときに、小学生から観ていた憧れの舞台だ!と興奮されたそうです。憧れの舞台で緊張するより楽しみたい!と感じたゆりやんさんは、緊張を消すため、“イルカ目線”で自分を客観視しました。私が緊張していることなど、イルカやサメからしたらどうでもいい事!と独特の解決法で初の決勝の舞台を楽しんだのでした。
 
 
2019年に「アメリカズゴットタレント」という、全米で人気のオーディション番組に出演したゆりやんさん。角刈りのカツラを被り、アメリカ国旗が描かれた水着でダンスを行い、全米に衝撃を与えました。この舞台裏についてもお聞きしました。
「アメリカズゴットタレント」のテレビ出演の切符を掴むためにアメリカ・ニューヨークへ渡ったゆりやんさん。オーディション予選会場には1000人程の参加者が集まっていました。予選会場の舞台裏ではカメラが回っていましたが、ネタバレ防止の為にゆりやんさんはオーディション予選が始まるギリギリまで衣装に着替えずに待っていようと思っていました。ですが、付き添いの方の提案で、アピールを含め少し前から着替えることにしたゆりやんさん。本番前に衣装を見せてウケが少なくなったらどうしよう・・と不安になりましたが、着替えた途端にカメラマン達がゆりやんさんに殺到!ステージに上がる前に、楽屋で人気者になってしまいました!そして、その勢いのままテレビ出演まで勝ち進んだのでした。
全米の予選会場から、テレビ収録まで勝ち進んだのは、120名程。ゆりやんさんは、意外と合格者数多いな〜と感じたそうですが、実は全米のオーディションには4万人もの人が参加していました。知らぬ間に、とんでもない倍率を勝ち進んでいたのです!テレビ収録本番では、歓声とブーイングが入り交じり、会場は大盛り上がり!結果は1回戦敗退となったものの、ゆりやんさんの顔は全米に知れ渡ることとなったのです。自ら応募したものの、この番組の影響力の大きさをあまり理解していませんでしたが、数ヶ月後、1人でニューヨークを旅行した際に、街中で「アメリカズゴットタレントに出てましたよね?」と、多くの人に声を掛けられたことで、すごい番組に出たことを知るのでした。
さらに、ゆりやんさんの夢はアカデミー賞を取ること。R-1グランプリの決勝に初めて出た時のネタが、「アカデミー賞の授賞式スピーチ」だったこともあり、いつか実際にアカデミー賞を獲ることで、日本でこのネタを知っている人が笑ってくれたら嬉しいと思っています。
 
 
ゆりやんさんが、影響を受けた人は、レイザーラモンRGさん。
ネタが面白いことは勿論ですが、どんな状況でもご自身の世界観を貫き通すメンタルの強さ。また、他の人がやらないモノマネを見つけ出す、お笑いへの探究心。さらには優しさも兼ね備えており、とても尊敬されています。
ご本人にその想いを伝えたことがあるそうですが、RGさんが何て言っていたかは忘れてしまったそうです。笑
もう1人は、なかやまきんに君。理由はRGさんと同じように、自分の芸を貫かれているところ。ゆりやんさんはお二人のように、信念を持ち続け、優しい人に憧れています。なかやまきんに君さんにも想いを伝えたことはあるそうですが、こちらも返事の内容は忘れてしまったそうです。笑
 
 
近年、ゆりやんさんがハマっているのは、トレーニング。110kgあった体重は、65kgに!トレーニング内容は筋トレと食事制限。やり始めたら、楽しくなってしまったそうです!川島さんからの目標体重は?という質問に対しては、「5kgです!」と元気にお答えになりました。笑
 
 
ゆりやんさんのエウレカは“本当のことを言わなくても良い”ということ。
デビュー1年目の頃、天竺鼠の瀬下さんに何度もご飯に連れていってもらっていたゆりやんさん。ある日、瀬下さんが、ボケとして後輩を説教するノリをされていました。数名いた後輩の中で、ゆりやんさんにもパスが回ってきて、「これだけ言われてゆりやん、どう思う?」と聞かれます。まだ芸歴も浅く、他人に怒られた経験もあまりなかったゆりやんさんは、「本当に気をつけようと思いました・・・」と答えたそうです。すると瀬下さんに、「ちょいちょい、(ただ説教ボケをやりたいだけだから)何も思いません!でええねんで。」と言われます。その言葉が、ゆりやんさんの頭にずっと残り続けたそうです。月日は流れ、「お笑い向上委員会」に出演したとき、MCの明石家さんまさんをはじめ、周りの芸人さんたちの掛け合いを見て、“本当のことは言わなくても良い!嘘を言えば良いんだ!”
と、そこでの光景と、瀬下さんの言葉が繋がったそうです。しかし、ボケのつもりで嘘を言い続けた結果、真面目なことを言っても、本当のことを教えて下さい。と言われるオオカミ少年状態に・・・。何が本当かわからないゆりやんさんに対し、「R−1優勝時の涙はホンモノの涙に見えましたが、どうですか?」と川島さんが聞いたところ、「あれはホンマの涙で、昔飼っていたハムスターを思い出しました。」と、最後までボケ倒していただきました。笑
 
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