EDC 営業日誌(過去のお客様)
2021年4月17日放送
本日のお客様は、高橋名人こと高橋利幸様
1959年、北海道生まれ。1982年に株式会社ハドソン入社後、第1回全国ファミコンキャラバンで高橋名人の称号を確立。ファミコンブームとともに、当時の子供たちから絶大な人気を集めます。「スターフォース」(シューティングゲーム)で披露した、1秒間に16回ボタンを押す「16連射」は、名人の代名詞に。プロゲーマーの先駆的存在として、現在でも幅広い世代の方に知られています。
 
 
(ハドソン入社時の高橋名人)
高橋名人が入社した1982年、当時の「ハドソン」は、ソフトウェアのプログラムを販売する会社でした。入社2年目の1983年、任天堂からファミコン(ファミリーコンピューター)が発売され、ハドソンはファミリーベーシックというファミコンの周辺機器の1つを開発していました。当時ファミコンは、ほかのコンピュータより値段が安いうえ、画質も綺麗だったことから、ハドソンはファミコンのゲームソフトを開発することにします。
世の中は、子供を中心にファミコンブーム。新しいゲームを発売するイベントを銀座で行った際には、大勢の子供が集まり、ハドソンはイベントを全国各地で行うことにします。「ハドソン全国キャラバン」と名付けられたこのイベントで、ゲーム教えるコーチ役(攻略法や、技術を教える)が必要となり、当時、芸能人などを起用するほど予算が無かったハドソンは、社員である高橋さんを選出します。愛称があった方が良いという流れから、囲碁・将棋などの世界で強い人を指す「名人」という肩書きを付けて、「高橋名人」が生まれたのでした。
(ハドソン全国キャラバンのお写真)
高橋名人は、元から特別ゲームが上手いわけではありませんでした。しかし、「名人」を名乗る以上、下手なことは出来ません。とてもプレッシャーを感じていた高橋名人ですが一筋の光明が差し込みます。イベントでは子供達の前で1面のみをプレイすれば良い!そこで高橋名人は「スターフォース」というシューティングゲームの1面のみをとにかく繰り返し練習して、テクニックと攻略法を極めました。
1985年、任天堂から「スーパーマリオブラザーズ」が発売され、ファミコンブームに勢いが増します。そんな時代の波もあり、高橋名人は雑誌の取材を受け、さらには新聞の1面に掲載されたことも!ハドソン以外のゲームソフトの取材依頼まで届くほど、高橋名人は、ファミコン名人として名を馳せていきます。
(子供達の前でゲームを教える高橋名人)
高橋名人の人気はとどまることを知らず、80年代のスーパースター、近藤真彦さんと中森明菜さんのテレビ番組への出演依頼もありました。収録当日、中森さんは参加できませんでしたが(高橋名人は、中森さんが好きだったので結構ショックを受けた・・)近藤真彦さんの横でゲームをしたそうです!さらには、歌手デビューも果たした高橋名人!デビュー曲「Bugってハニー」は同タイトルのアニメのOP曲として使用されています。
 
 
会社員でありながら、一躍時の人となった高橋名人。なかでも、有名なのが「高橋名人逮捕説!?」。噂の原因は、一日警察署長に起用された高橋名人が、その前のイベントで、「今度、署長をするために警察に行くんだ」と話したこと。イベントに来ていた子供達は、「警察に行く」=「逮捕される」と勘違いしてしまったようです・・・。当時、子供の間で神とまで崇められていた高橋名人のこのニュース(誤報)は瞬く間に広がり、「逮捕」という言葉が一人歩きをして、さまざま憶測を呼び、あらぬ疑いをかけられます。
例)
・肘に電極を仕込んで、震える反動を利用して16連射をしていたことがバレて詐欺罪。
・イベントで子供の手を握りつぶして傷害罪
・脱税
ちなみに川島ドライバーも、幼少期に友達から「名人が指にバネを仕込んで16連射していたことがバレて、詐欺罪で逮捕された!」と聞き、本気で信じてしまったそうです。もちろんどれも根も葉もない噂ですが、「高橋名人逮捕!?」のニュースは、新聞にも取り上げられ、2週間後にはドイツにまで届いていたそうです。
高橋名人自身が社会現象となっていた当時の年齢は、20代後半。
芸能人のような活躍ぶりでしたが、会社員であるため給料制でした。ボーナスも特にありませんでしたが、それについて不満はなかったそうです。あくまでハドソンの宣伝の仕事をしているだけと考えており、会社では開発・営業・経理・総務の方の力があってこそ宣伝部が活躍できるため、自分が有名になったからといって、他の人より多くの給料を求めることはありませんでした。若くして、人間性も名人級だったのですね!
(ハドソン全国キャラバンのお写真)
 
 
高橋名人といえば、ボタンの早押し!16連射!最高記録は10秒間に174回、1秒で換算すると「17連射」を達成したこともあります。特別な練習をしたことはなく、全国でのイベントを重ねた結果、能力が付いたとおっしゃいます。
現在61歳の高橋名人、最近は瞬発力を使うゲームより頭脳系の「ピクロス」というパズルゲームにはまっているらしいです。また今年、ご自身のゲームアプリ「高橋名人35周年記念アプリ〜ゲームは1日1時間!〜」をリリースされました。このゲームには、連射・オノ投げ・スケボー・シューティングと4つのモードがあります。全て1分以内に終わるゲームで、昔ながらのシンプルな内容!ファミコン世代の方にとっては、懐かしさを感じる仕上がりとなっております。連射モードでは、連射記録も出るので皆さんも是非チャレンジしてみてください!
 
 
高橋名人はドライブ好きで、2年に1度のペースで故郷・北海道へ奥様と訪れます。北海道の中でも特にお好きな場所が、知床半島の知床五湖。北海道の大自然を満喫出来るそうです。現地にある木で作られた高架からは、五湖のうち2つの湖を見ることができます。こちらも綺麗で、安全が確保されている場所ですが、残りの3つの湖を見るためには、湖畔をめぐる遊歩道を歩くため、事前に講習を受ける必要があります。内容のほとんどはヒグマと遭遇した時の対処法。遭遇しないための注意事項として、飴・チョコレート・甘い香りのする飲み物の持ち込みは禁止されています。高橋名人曰く、実際に見た残りの3湖はもちろんのこと、湖に行くまでの景色は自然の美しさが溢れている!!
(知床五湖へ向かう途中の高橋名人)
他にも北海道には、稚内の日本海側にあるオロロン街道という、20キロほど直線の一般道があります。ドライブ中の景色は絶景で、風車が3キロほど立ち並んでおり、北上すると利尻島・礼文島が遠くに見えてくるそうです。北海道の自然を満喫できるドライブウェイです!
(オロロン街道。風車が立ち並んでいます。)
 
 
今後の目標は、ゲーム業界のためにもっと役に立つこと。最近まで、一般社団法人e-sports促進機構代表理事を務めていた高橋名人。今後も、ゲームイベントなどでスピーカーが必要となったら、いつでも登壇する意気込みです!
 
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