2017.08.11 Fri
ラジカセのデザインの面白さや魅力を紹介したい。松崎順一
カセットテープが再び注目を集める中、渋谷西武で開催中の「大ラジカセ展」が話題です。今回は「大ラジカセ展」の監修者で、家電蒐集家の松崎順一さんに話を伺いました。
小宮山雄飛さんのリポートです!
■かっこいいラジカセが、どんどん海外に流出するのを食い止めたかった。
家電蒐集家で日本随一のラジカセ博士でもある松崎順一さんのファクトリー、デザインアンダーグラウンドへ。ラジカセやラジオが山のようにあります。ファクトリーというよりは、倉庫と呼んだ方が良さそうな雰囲気です。
松崎順一さん
「ここは、倉庫兼事務所兼ファクトリーです。毎年棚卸しをしていますが、常時4〜5,000台あります」
4〜5,000台! どこから集めてくるんですか?
松崎順一さん
「一般ゴミとして廃棄された家電を、海外の発展途上国へ輸出する業者さんが日本国内にたくさんいます。コンテナに積まれる前に、僕がかっこいいと思う物だけを仕入れています。70〜80年代の貴重でかっこいいラジカセが、どんどん海外に流出するのをなんとしても食い止めたいと考えまして、インテリア・デザイナーの会社を一年かけて辞めました。何考えてるんだ?って言われましたが(笑)」
松崎さんが普段音楽を聴くのは、カセットテープなんですか?
松崎順一さん
「……iPadやパソコンでradikoを聴いています(笑) デジタルを否定していないんですよ。デジタルは便利なので使いこなすことに意味があるんです。アナログは愛するものというカテゴリーです」
■当時のラジカセのデザインの面白さや魅力を紹介したい。
松崎さんが監修を務めた「大ラジカセ展」が、渋谷西武で開催中ですね。
松崎順一さん
「家電蒐集家として十数年かかって収集したラジカセの中から、特にデザインがユニークな物や希少な物、約五千台の中から百数十台をピックアップして展示しています。当時のラジカセのデザインの面白さや魅力を紹介したいんです。僕はデザイナーなので、プロダクトは音質よりもデザインが優先。このかっこいいラジカセからどんな音が出るのかと考えると、ワクワクするんです。カセットテープのメディアとしての面白さ楽しさも同時に伝えたくて、昔のビンテージのカセットテープも数百本展示しています。いろんなアーティストの方に、カセットテープをカスタマイズしてもらったオンリーワンのアート作品も展示しています」
大ラジカセ展
8月14日(月)まで開催
西武渋谷店A館7階=特設会場
dairadicasseten.haction.co.jp
■野菜をブランディング化したい。
これからのワクワク、教えてください!
松崎順一さん
「デザインアンダーグラウンドを通じて伝えたいのは、サウンドが持つ可能性です。野菜にいろんな音楽を聴かせて野菜をブランディング化、キャラクター化するのが夢です。例えば、松田聖子を聴かせた野菜とか……(笑) 植物は音で味が変わったりするそうなので、専門の研究所と一緒に開発できれば」
デザインアンダーグラウンド
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〈本日のオンエア曲〉
Fight The Power / Public Enemy
サマージャム '95 / スチャダラパー