25.04.02
生成AIでジブリ風の画像が流行…著作権の問題は?
ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師の塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『生成AIでジブリ風の画像が流行…著作権の問題は?』
吉田:対話型生成AI『ChatGPT』の新機能を使った、『スタジオジブリのアニメに似た画像の生成』が流行しています。SNS上には『ジブリ風の画像』の投稿が相次いでいるのですが、著作権上の懸念も指摘されています。塚越さん、まずは、『ChatGPT』の新機能を使った、こちらの動きについて詳しく教えてください。
塚越さん:『ChatGPT』の運営元『OpenAI』が3月25日に最新の画像生成AIを発表しました。既存の機能から大幅にレベルアップし、自分が持っている画像を「〇〇風にして」という指示ができるようになりました。OpenAIのサム・アルトマンCEOもXのプロフィール写真をジブリ風に加工したんですね。欧米で“ジブリ風”という指示で加工した画像をSNSにアップするのがバズり、SNSでは「Ghiblification(ジブリフィケーション)」とも呼ばれています。いろんなユーザーが自分の写真や歴史的な場面、例えば、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談の場面などをジブリ風に加工したり、いろいろなものが加工されてネット上にアップされています。日本のコンテンツで言うと、“ワンピース風”や“ドラゴンボール風”といった画像も投稿されていますし、日本以外のコンテンツでも、できるといえばできますが、特にジブリが注目されているということです。
吉田:『ジブリ風の画像を生成する』ことは著作権の侵害につながる恐れもあるんですか?
塚越さん:当然なんですけれども、「これは著作権的にまずいんじゃない?」という声が多いです。ここから法律の話ですが、大きく分けるとふたつあるんですね。ひとつは、いわゆる『〇〇風』という『作風や画風』に関しては、「著作権はない」というのが世界的な一般的解釈なんですよね。「このアニメの目が〇〇に似てる!」とか作風が似ているだけなら何でも言えちゃいますよね。何でもかんでも「パクリだ!」みたいなことになってしまうのでそうは言えない。なので、『ジブリ風』というだけでは問題にはならないんですね。ただし、『トトロ』や『ナウシカ』といった『特定のキャラクターにそっくりなもの』を生成してしまうと、キャラクターの著作権を侵害する可能性が出てきますし、その『ジブリ風』の画像で商売をするとか、著しくジブリの名誉を毀損する内容だと、著作権侵害の可能性もあるということです。OpenAIは画像生成のルールとして「存命のアーティストの作風で画像生成を指示するのは拒否します」ということで、『存命のアーティストの〇〇風』というのはできないようにはしているんですけれども、ジブリというのは、「宮崎駿監督というアーティストではなく、ジブリというアニメスタジオなのでジブリ風はOK」と彼らは解釈しているということなんですね。なので、微妙なラインなんですけれども、法的にはジブリが訴えることがない限りは、なんとも言えないです状況ですし、また、現状ではジブリからの公式見解は特にありません。というのが、まずひとつあります。ここまでは作風と著作権の問題なんですけれども、もうひとつの論点がですね、『AIの学習データ』に関するこちらも著作権の問題です。とにかく生成AIは膨大なデータを学習しますが、結局、「ここに公式のジブリ画像や作品データが含まれていて学習しているんじゃないの?」ということですよね。OpenAIはジブリ作品をAIに学習させたかどうかは明言していません。日本と外国でのAIの学習に関する法律にはいろいろ違いがあるんですけれども、世界中でルールについては議論の最中です。例えば、ニューヨーク・タイムズや一部のアーティストは、自分たちのデータが勝手に学習に使われているとしてOpenAIに裁判を起こしています。OpenAIとしては『フェアユース』という「公正な利用であれば著作物を使っても問題ない」という立場を取っていて、問題が生じる場合は、基本的には作ったユーザー側に責任があるとしています。ただ、OpenAIに限らず生成AI全般で答えが出てなく、いろいろな裁判などが進行中ということです。
ユージ:『ジブリ風の画像の生成が流行している』ことについて、塚越さんはどうご覧になっていますか?
塚越さん:そうですね、今、ふたつの話をしましたけれども、なかなかややこしいですよね…。とにかく、2022年に画像生成AIというものが話題になってから、いろいろな話が出てきましたが、まだ統一見解が出ていない。今回は特に精度がかなり高いんですよね。本当にすごい似ちゃっているので改めて問題になったかなと。OpenAIはかなり大胆なことをしていますが、一方で著作権関係ではシビアなディズニーには配慮していて、『ミッキー風』はもとより、『ディズニー風』なども回避してて、できなくしているというのも結構あります。なので、訴訟は回避したいのかなというふうにも思っています。それとですね企業によっては、例えば、画像や動画編集ソフトの『Adobe』は、学習データは完全に権利をクリアしたものにしているとか、『〇〇風』というのは最初から作れないようにするとか、そうした対策をしている企業もありますし、あとは、最初からお金を払って、例えば、ジブリとかディズニーと契約して『〇〇風』をできるようにするといった解決策も言われたりもしてますけれども、どこまでできるのかな?と、どんなデータにでも何でもかんでもお金を払うのは難しいし限界があるという話もあります。今回の件でいうと、ジブリが今後なにかを言うか言わないかが大きいかなと思いますし、ただ全体としては、世界中でまだまだ議論されている最中で、いろいろな裁判もある、世界中の統一見解を早く出さないとジブリはジブリで大変だなと思いますね。なので今、注目の問題になっているということを覚えていただきたと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 2, 2025
#ユジコメ①
「AIが生成したジブリ風の画像」について
対話型生成AI「ChatGPT」の新機能を使った「スタジオジブリのアニメに似た画像」の生成が流行しています。OpenAIのサム・アルトマンCEOもXのプロフィール写真をジブリ風に加工したりして、欧米で「ジブリ風」という…
#ユジコメ②…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 2, 2025
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 2, 2025
また、生成AIは膨大なデータを学習しますが、OpenAIは ジブリ作品をAIに学習させたかどうか明言してません。…