25.03.31
火災保険の2025年問題とは?
ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーター引き続き、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「火災保険の2025年問題とは?」
吉田:日本でも大規模な山火事が相次いでいますが、1月にロサンゼルスで大規模な山火事が発生したアメリカでは、一部の地域から保険会社が撤退したり、保険の引き受けを拒否するケースも増えています。そうしたなか、今、日本でも懸念されているのが、火災保険の2025年問題です。そこで今朝は、神庭さんに2025年問題の背景や注意点について解説してもらいます。
神庭さん:そもそも、火災保険の2025年問題とは、今年2025年前後に火災保険契約の満期が一斉に訪れる問題のことです。もともと、日本の火災保険は住宅ローンの期間に合わせて30年以上の長期契約を結ぶケースも多かったです。ところが自然災害リスクの高まりに合わせて、2015年10月に火災保険の契約期間が最長36年から10年に短縮されました。さらに2022年には5年に縮まっています。結果、2015年に10年契約を結んで、今年で満期を迎える人が大量発生することになりました。日経新聞によると、2024年度に満期を迎える火災保険は損保大手4社で約232万件でしたが、28年度には約360万件まで増加する見通しで、これが2025年問題です。
ユージ:これが、どうして問題になっているんですか?
神庭さん:一番懸念されてるのが保険料負担の急増です。長期契約で契約していた人は更新する時に再契約する必要があります。ただ、朝日新聞によると火災保険料がこの5年余りで4割もアップしています。築30年の一戸建ての場合、年間保険料が約3万1,000円から4万7,000円まで5割も上がっているという状態です。
吉田:なんでそんなに上がっているのでしょうか?
神庭さん:1つ目は自然災害リスクの増加です。台風、豪雨、洪水、土砂災害。最近だと岩手、愛媛、岡山など各地で山火事も相次いでいます。災害が続けば当然、保険会社の保険金支払いも増えます。2つ目は建物の老朽化です。都市部を中心に築年数の古い住宅・マンションが増えていて、火災や水漏れなどのリスクが高まっています。3つ目はインフレです。修理や再建築の際の資材価格や人件費が大幅に上昇しています。こうした状況を受けて、損保各社が火災保険料を引き上げているというのが実情です。
ユージ:保険料が上がる理由はよく分かりました。一方で、保険会社や代理店側への影響はどうですか?
神庭さん:保険会社にとっても大きな問題で、更新手続きが集中することで、業務負荷が増える可能性があります。保険の販売代理店はただでさえ人手不足です。例えば銀行の窓口で住宅ローンとセットで契約した場合、その銀行自体が統廃合でなくなっているとか、担当者が辞めちゃってるというケースも多々あります。殺到する更新手続きをどうさばくか。これまで以上にDX化を進めていく必要があります。毎日新聞などによると、三井住友海上とあいおいニッセイ同和は、ネット上で更新手続きを完結できるサービスを8月から始めるそうです。各社、こういったデジタル化の動きを急いでいる状況です。
吉田:各社対策を進めているんですね。契約者の側の注意点は何でしょうか?
神庭さん:自動で契約を更新する設定にしていた場合、よく分からないまま高い料金で契約してしまう恐れがあります。本当に必要な補償内容は何なのか?この機会に複数の損保のプランを見比べて、料金も含めてしっかり比較検討してほしいです。たとえば、マンションの高層階に住んでいて水害リスクが低いなら、水災補償を外すという手もあります。もちろん、マンションでも下水が逆流するとか、ベランダの水が溢れて流れ込んでくるという可能性はゼロではないので、最後はご自身で判断を。他にも自動車保険とかクレジットカードについている保険と、火災保険の特約の内容が被っているケースがあります。重複して入るのは無駄なので、調べてみて下さい。あとはお金の払い方です。結構な出費ではありますが、毎年1年ごとに更新するよりも、できれば5年契約で一括払いした方がお得になります。
ユージ:火災保険の2025年問題。神庭さんはどう考えていますか?
神庭さん:改めて、損保業界のあり方が問われています。先週、三井住友海上とあいおいニッセイ同和が合併するという大きなニュースが飛び込んできました。これまで再編や合併のたびに社名が長くなってきたので、Xでは「もう年末調整の欄に書ききれない」と悲鳴があがっています。何という社名になるかは不明ですが、売り上げ規模は東京海上日動を抜いてトップになります。これで寡占化(かせんか)が進んで保険料が高止まりするのか、3メガ損保体制で健全な競争や合理化が進んで、多少とも保険料が安くなるのか注目ポイントだと思います。あとは損保業界では近年、ビッグモーターの不正請求問題や大手4社のカルテル問題など不祥事が相次ぎました。「契約者の保険料を上げておいて、自分たちはウラでズルいことをやってるんでしょ」という疑念を生まないように、やっぱり業界全体として、襟を正して信頼回復に努めて頂きたいと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 31, 2025
テーマは「火災保険の2025年問題とは?」
日本で大きな山火事が続いていて心配ですが、アメリカでは山火事で保険会社が撤退する話もあり他人事ではなく2025年問題として懸念されています。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 31, 2025
日本では火災保険が2025年に満期を迎えるケースが多く、
次の契約のタイミングで保険料が大幅に上がるのではないかと心配されています。
火災保険は新しいサービスも増えているので、契約切り替えをポジティブに捉えて活用するのも一つの方法です。…
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 31, 2025
またどんなに自分の家の火の元に気を付けていても、隣の家で火災が発生すれば、それを避けるのは難しい場合もあります。
万が一に備えてどんな準備ができるか、見直すタイミングとして良いのではないでしょうか。#ワンモ