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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.01.23

共通テストで初実施の『情報』を“今”学ぶ理由

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「共通テストで初実施の『情報』を“今”学ぶ理由」

吉田:2025年度、大学入学共通テストの2日目の試験が1月19日、全国の651会場で行われ、今回「情報I」が初めて実施されました。試験は、4つの大問で構成され、試験時間は60分でした。今回、初めて実施された「情報I」では、どんなことを学ぶのでしょうか?塚越さんにお聞きします。


ユージ:塚越さん、早速ですが、情報はどんなことを学ぶのでしょうか?


塚越さん:受験生のみなさま、ご家族の方、関係者のみなさまお疲れ様でした。情報という科目ですが、情報社会の基礎知識を学ぶだけでなく、データ活用や分析、論理的な思考を養うものです。4つの分野を学びます。1つ目は、情報社会の制度や技術、モラルなどを学んで、問題解決能力を育成するということ。2つ目は、メディアの特性やコミュニケーション手段の特徴を学ぼうというもの。3つ目が、コンピュータの仕組みやプログラミングの基礎を学んで、実際にプログラミングを行うというものです。最後の4つ目は、情報通信ネットワークの仕組みを学んで、データ収集や分析技術を学ぶことです。このように、情報社会の基礎的な知識と、それにとどまらない技術的な点も学ぶということですね。


吉田:そんな「情報I」の共通テストでは、どんな問題が出題されたのですか?


塚越さん:問題は4つの大問から構成されていまして、問題文が比較的長いということでした。具体的な問題だと、例えば文化祭に向けて工芸品をつくるので、その担当者を割り当てるためのプログラムに関する問題だったり、あるいは高校生が職業体験でスーパーマーケットを訪問した設定で、スーパーのレシートに表示された情報を問う問題などです。特に、レシートに記載されている数字が何を意味しているかが問われたりします。『ポイント会員情報』と、『レシートデータの組み合わせから得られない情報』を判断せよといった問題もあります。例えば、会員登録のポイント情報があるとその人の年齢が分かります。あとは、レシートから特定の年齢層の人が来店する時間帯が分析できます。こういうことは分かるのですが、商品を購入した理由は判断できないので4択から選びます。問題を通して、情報セキュリティを学ぶことにもつながっています。全体的には受験生に身近な問題ですが、問題をみると文字数も多くて、設定が細かいんですね。長文読解だったり、図表の分析も必要で、プログラミングの知識がないと難しいです。IT知識だけでなくて、論理的に考える力が必要です。大人がやっても難しいということでおふたりも挑戦されたんですよね?


ユージ:問題のページがいくつかあって、レシートの問題を吉田さんとやったら私たち正解しました!


塚越さん:おめでとうございます。


吉田:身近な問題だったので、プログラミングになると分からなくなっちゃう。


ユージ:やって感じたのが、塚越さんの言うとおり、文章が長い!


吉田:読み解く力が大変ですね。


ユージ:僕らはこの1問を集中して正解しましたが、これが他にも問題ある。制限時間の中でやるとなると頭が混乱するなと思いました。


塚越さん:結構、大変ですよね。60分でやらないといけないし、何教科もありますから。受験生は、本当に大変ですよね。


吉田:共通テストの問題や配点について、塚越さんは、どう見ましたか?


塚越さん:私も結構大変だったなと思いましたが、朝日新聞によると受験生からは「簡単すぎ」といった声を報じられていますね。


ユージ:読解力あるなー。


塚越さん:読売新聞も、基礎的な問題に受験生が安堵した、といった内容を報じています。今の学校現場で、みなさん色々学んでいるなと思いますし、高校の教員からは「初年度なので生徒に配慮したかも」という声もあります。総合すると、内容的にはやや簡単、真面目に勉強していれば問題ないレベルだったということです。ただ、情報の配点は100点満点ですが、導入初年度ということもあって、合否の判定に関して、配点比率を他の教科よりも低くする国公立も多くあるということです。簡単にいえば、点数を多くとれても、他の教科を含めた全体の中での情報の得点比率は低くなるとのことです。平均点の中間集計では、「情報I」は73.10点で高い水準でした。結構みなさん得点がいいので、来年以降はもう少し内容が難しくなると思われます。


ユージ:AIの活用も進む“今”、情報を学ぶ理由は何でしょうか?


塚越さん:情報化社会なので、基礎的な知識、プログラミングやアルゴリズムって何なの?というのに答えられないといけません。


ユージ:そうか。プログラミングができるだけじゃなくて、何なのかを答えないといけないんですね。


塚越さん:大人でもなかなか分からない方がいますので、こういうものが必要になっていきます。そして、生成AIがこれから広がっていくので、一緒に暮らしていく中で原理を知るのも必要になっていきます。プログラマーの人材不足でこれからどうなるか分かりませんが、「情報」という授業があって、こういうものに触れることで将来この道に進もうという方が増えると思います。私も世界史に触れてから、面白いなと思想に興味をもって、大学院はフランス思想に進みました。日本史など教科によって、新しい興味のある分野に進む人も増える思います。なかなか、面白い分野ですし、みなさん興味があれば「情報I」の共通テストを調べてやってみてください。


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