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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.10.09

自民党、『不記載議員』ら10人以上を非公認へ

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら！


「自民党、『不記載議員』ら10人以上を非公認へ」

吉田：石破総理は、8日に自民党派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、収支報告書に不記載があった議員について、最終的に少なくとも10人を衆議院選挙で公認しない方針を固めました。塚越さん、まずは「非公認」の方針について教えてください。


塚越さん：まず先週の段階では裏金議員を原則公認という方針だったのですが、色々と報道や批判があり、ずいぶん変わってきました。自民党は今年の4月に党の調査で分かった裏金議員ら85人のうち、不記載額500万円以上などの39人を処分しています。その上で新たに今回出た方針では、4月に8段階で処分を行ったのですが、上から4番目の「選挙での非公認」より重い処分を受けた議員は、今回の選挙で非公認となります。もともと党員資格が停止処分中だった下村博文氏、西村康稔氏、また党員資格6ヶ月で処分が終わったのですが、最近その処分期間が終わった高木毅元国会対策委員長も、非公認になる方針です。また、先ほどの「選挙での非公認」より軽い「党の役職停止」処分を受けた人のうち、処分期間が今も継続中、国会の政倫審(政治倫理審査会)に出席しなかった議員も非公認となりました。平沢勝栄氏、三ッ林裕巳氏、そして裏金額が2,728万円とかなり多かった、元政調会長の萩生田光一氏が該当します。この6名が公認されないというのが、昨日までの方針でした。そして、9日未明、読売新聞が「石破総理が最終的に少なくとも10人を衆議院選挙で公認しない方針を固めた」と報じていて、追加で4人以上を非公認とする方向です。非公認の候補が無所属で立候補しても対抗馬は擁立しないということです。非公認がまだ増える可能性があります。裏金議員も地元からの公認申請がなかったり、自民党が行う情勢調査。どれくらい選挙で勝てるか調査して、勝ちそうにない。厳しいと判断された場合は公認しない方針ということです。そういうことを加味して10人、それ以上になるのかもしれません。要するに石破総理や政権の判断でこれからも増減があるかもしれません。ちなみに、「公認とはどういうこと？」と思う方がいられると思うので説明します。当たり前ですが、自民党の支援が受けられます。具体的には「資金と人員支援」で、選挙にかかるお金の支援、選挙に詳しいスタッフの派遣など、色々あるので大きいです。逆に、非公認になるとお金も人も全て自前になるので、これは候補者にとって公認の有無が必要です。


吉田：石破総理、「比例重複」を認めない方針も示していますよね。こちらの方針についても詳しく教えてください。


塚越さん：次に公認されたとしても、裏金議員は比例の「重複立候補」を認めない、という方針もあります。どういうことかというと、衆院選では「小選挙区」と「比例代表」の2つの投票があります。小選挙区では候補者個人に投票し、比例代表は政党に投票します。みなさんも投票所で、候補者の名前と政党で2枚入れたことがあると思います。比例代表については、政党が候補者の名簿をあらかじめ提出します。細かいメカニズムは省略すると、小選挙区で候補者がどれくらい得票したか。政党への投票率が考慮された結果、小選挙区で落選しても、名簿に名前があることで復活当選する可能性が出てきます。なので、比例代表に重複立候補できるかどうかは非常に重要です。特に小選挙区で弱い候補にとっては重要です。これができないということになり、説明が長くなりましたが、公認はしても比例重複は認めない方針の議員は、元官房長官の松野博一氏、元総務大臣の武田良太氏など、出馬を目指す議員のうち、最大で43人が該当するとみられます。あとは、石破総理と自民党の党4役という方々、自分達も比例の重複立候補はしない方針ということです。これはケジメということで、いずれにしても自分たちの小選挙区、ちゃんと自分が勝ってそしたら、有権者に認められて禊を済ませたということになるのかなと思います。


ユージ：この方針について、与野党の議員からは、どのような声があがっているのでしょうか？


塚越さん：例えば、非公認に該当する平沢勝栄さんは、石破さんを応援したのにダメだったじゃないかということですごく怒っていました。立憲民主党も結局、石破さんが言った「相当程度の非公認が生じる」というより「一部非公認」であり、ほとんどの方は公認しちゃうと怒っていて、それもそうだなと思います。


ユージ：「不記載」に対する、非公認の方針ですね。


塚越さん：そうですね。これはやはり、色々ありますが石破総理が色々ブレブレと言いましたが、ここで最後の最後に力を入れてきたということです。ここで公認するしないで、特に安倍派などで分かれますから。安倍派内部での分断があって、ある種、戦いを挑んだ石破総理の戦い方が、今ここで出てきているとみていただけるといいと思います。


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