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24.09.10

兵庫県の斎藤知事の疑惑告発文書問題、維新も辞職を申し入れ

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。


今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


「兵庫県の斎藤知事の疑惑告発文書問題、維新も辞職を申し入れ」

吉田：兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑告発文書問題を巡り、日本維新の会は、斎藤知事に辞職と出直し選挙を申し入れる方針を固めました。2021年の知事選で、維新とともに支援した自民党は、12日に辞職を申し入れる方針を既に決定しています。一方、斎藤知事は応じない方針のようです。神庭さん、このニュースについて問題になっていることを改めて教えて下さい。


神庭さん：まず、これまでの経緯を整理したいと思います。複数の報道によると、今年3月、当時、西播磨県民局長だった男性が、斎藤知事にパワハラや企業から贈答品を受け取った疑惑があるとする文書を県議や報道関係者に送りました。3月27日に兵庫県が局長を解任。斎藤知事は記者会見で「事実無根」「嘘八百」「公務員失格」など強い言葉で否定しました。5月7日、県は文書の「核心的な部分が事実ではない」として元局長を停職3カ月の懲戒処分にします。5月21日、県議会が第三者機関による再調査を要請、知事が第三者機関の設置を表明。6月13日、県議会が地方自治法に規定された「百条委員会」の設置を決定します。百条委員会というのは偽証や理由のない証言拒否は罰則に問われます。7月7日、元局長の男性が亡くなっているのが見つかりました。自殺とみられています。男性はその2日前に、県議会から告発文書を提出するように依頼を受けており、19日には百条委員会で質疑をする予定でした。


ユージ：知事のパワハラなどに関して、具体的にどんな疑惑が出ていますか？


神庭さん：県議会が県職員を対象にしたアンケートによれば、知事のパワハラについて、職員の59人が「目撃(経験)等により実際に知っている」と回答しました。実際に見た人、経験した人から聞いた人は466人。人づてに聞いた人が1,225人。直接・間接を含めると38.3%が、知事のパワハラについて見聞きしたことがあると答えました。具体的な内容としては、「俺は知事だぞ」と職員の意見を聞かなかった。「俺は知事だぞ」と言って怒っていた、机を叩いて怒られたなどの記述があります。


ユージ：アンケートによると「知事だぞ！」が口ぐせになっているんですね。


神庭さん：「斎藤さんだぞ」だったら、よかったかもしれませんが「知事だぞ」はいただけないですね。贈答品に関しても、こんな回答が寄せられました。視察先で受け取ったお土産などを、秘書課職員に分けることもなく、独り占めしていると聞いた。カニが秘書課に送られた。それなりの量だった。すべて知事が持ち帰った。前知事は秘書課員にも配り「職員は味を知らないとPRできない、自分に投資しろ、色々食べて人に伝えろ」と言われていましたが、斎藤知事は独り占め。カニは分けづらそうな気もしますが、食べ物の恨みは恐ろしいです。FNNの報道によると、その後追加集計されたアンケートには、顔のテカり防止用の油取り紙を使用したあと、そのまま床に捨て職員に拾わせていた。職員から聞いた情報です。着ぐるみといった経過活動で、子供が知事より着ぐるみに群がり不機嫌になったと聞きました。


吉田：斎藤知事や県幹部は、こういった疑惑について、どんな説明をしていますか？


神庭さん：朝日新聞デジタルが報じた百条委員会の一問一答によると、「いくつかの行為は不適切だった。反省したい」と述べる一方、「業務上の範囲でさせてもらったものだと思っている」と釈明しました。「『俺は知事だぞ』と激怒することは、私はない」と職員アンケートの一部内容を否定しています。贈答品に関しては、机、いす、ネクタイを貰った。明石のり、カキ、枝豆、カニ、日本酒、玉ねぎなどの食品を貰ったり、届けられたりした。スポーツウェア、スポーツシューズ、浴衣は「無償貸与」して貰った。「県として食料品をいただくのは社交儀礼の範囲で問題ない」などと語ったそうです。ただ、1番の問題はパワハラでも贈答品でもありません。


吉田：どういうことでしょうか？


神庭さん：告発者の「犯人探し」をして、懲罰的な人事をしたことが一番いけなかったです。元局長の男性は、3月に県議やメディアに文書を送っていますが、その後、4月には正式な県の窓口にも公益通報しています。公益通報者保護法は、通報を理由に告発者に解雇や降格など不利益な取り扱いをすることを禁じています。


吉田：そういう手続きがあるんですね。


神庭さん：朝日新聞によれば、片山安孝前副知事は、「メール調査の中には、クーデターを起こす、革命、逃げ切る、というくだりがあった。斎藤知事は「告発と言うよりも誹謗中傷性の高い文書。作成者を捜すのは必要なこと」と話したといいます。政治的な背景をいぶかる気持ちも分からなくもありませんが、こういう告発があった場合、まずは公益通報として扱い、通報者を保護するのが前提になります。告発の事実に反する点があるなら、犯人探しなどせずに淡々と1つ1つ否定すればよかったと思います。とにかく、2021年の知事選で推薦した自民や維新も「製造物責任」をとる形で知事おろしにまわりました。いよいよ進退窮まったなという印象です。



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