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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.07.13

宅配便の再配達率、再び上昇

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら！


宅配便の再配達率、再び上昇

吉田：宅配便の再配達率が再び上昇し、人手不足に悩む宅配業界の負担が増しています。国土交通省によりますと、今年4月の再配達率は前の年の同じ月に比べて0.5ポイント増加し、11.7％でした。塚越さん、宅配便の再配達率の上昇、これにはどのような背景があるのでしょうか？


塚越さん：国土交通省は毎年4月と10月の年2回、サンプル調査を行っています。これはトラックドライバーの人手不足問題と、その対策としての宅配ロッカー・置き配の効果を調べるためのものです。今回、再配達率が増加した背景は、今はまた広がっていますが、コロナの落ち着きと共にリモートワークが減少し、外出が増えたためと推測されます。実際、会社通勤の多い都市部とその近郊部では再配達率が増えて、地方では減少しています。ただし、コロナ以前の再配達率は15％程度と高く、2020年4月はステイホーム率が高く8.5％を記録しました。いずれにせよ、コロナ以降、再配達率が下がっているのは事実です。


吉田：再配達が社会問題になっていることから、「置き配」や「宅配ロッカー」など、再配達を減らす取り組みは、すでに行われていますよね？


塚越さん：置き配については、指定場所に置かれていなかったり、荷物が濡れるといった声もあり、ある調査では置き配に不安を感じる人が半数という回答もありました。宅配ロッカーでは不安の度合いは下がりますが、ロッカーの数に限界があったりと、さらなる普及には課題もあります。いずれにせよ、不安解消の対応策として、例えば、業者が置き配した時の写真を撮影し、データを残すことでトラブル要因を減少させる試み等あります。また、オートロック付きのマンションであっても、配達員に一回限りで表示されるパスワードを利用し、マンション内で置き配ができる仕組みなど、一部の業者で始まっています。さらに、同様の仕組みでマイカーの中に商品を置き配する、といったサービスも実証実験が始まっています。


ユージ：国土交通省は、宅配便の再配達率を2025年度までに7.5％程度に引き下げる計画を掲げています。再配達率を今よりも下げるためには、どのような対策が必要だと思われますか？


塚越さん：再配達率が20％になると、年間9万人のドライバーが余分に必要となり、経営的にも厳しく、物流もパンクします。再発率を下げる為には、技術的な工夫が必要な一方、もう再配達が「無料」で「何度でも」という常識を変える必要があります。一時期、通販サイトの「送料無料」をやめようという動きもありましたが、なんでも無料！といったサービス精神は、日本の課題である生産性向上にとってマイナスです。安くて無料っていうのは大事ですが、有料でも良いサービスの開発を伸ばす、といった方向で競争が生まれるような環境を作るためには、我々自身の意識の改革も必要だと思います。


ユージ：塚越さんは、再配達にならないようにするため、何か心がけていることはありますか？


塚越さん：昨今は様々な業者で、事前に登録するとメールやLINEが届き、配達時間を選んだりできます。このようなサービスを利用するといいと思います。


ユージ：ドライバーさんの負担も減らせますし、自分にとって都合の良い時間帯を気軽に確認、変更が出来たりしますからね。


塚越さん：誰にとっても良い事だと思いますので、色々チェックして貰って、意識の面でも考えて頂ければと思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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