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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.11.19

動仕会社「reboot」が、異例の求人募集

nullいま知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します！！

今日は、いま気になる・人に話したい旬のネタをお届けするネットニュースサイト『ねとらぼ』の編集長・加藤亘さんにお話を伺いました。そして、加藤さんが取り上げたニュースはこちらです。


動仕会社「reboot」が、異例の求人募集

ザベス：「reboot」という動仕会社が、Twitter上で動画アニメーターの求人票を掲載し、その“異例”の内容で注目を集めています。


鈴村：加藤さん、その異例の求人募集とはどんな内容なんですか？


加藤さん：まず、動仕会社「reboot」のツイッターに掲載されたものを、一部抜粋してご紹介します。


来年度求人のお知らせ。「reboot」では新規採用を募っております。
デジタルアニメーター、18万円。
弊社は「ハイスペックな動画育成」をテーマにしているため、まずは生活が安定した状態で仕事に取り組んでいけるよう、月額固定給制度を取り入れました。


加藤さん：…ということで、鈴村さんはもちろん他にもピンッときた方がいらっしゃると思いますが、固定給で18万円からという点に注目が集まったんです。


鈴村：動画アニメーターは通常1枚いくらという歩合制がほとんどで、固定給は珍しいですよね。


加藤さん：「新人アニメーターの登竜門」という扱いになりがちな“動画職”は、一般的に薄給と言われています。JAniCAの「アニメーター実態調査 2019」によると、その平均年収は125万円で、月給に換算するとおよそ10.4万円ということで、18万円というのは業界的になかなかの額だと思います。
ご存知ない方のために説明すると、そもそも動仕会社の“動仕”とは、アニメの「動画」と「仕上げ」のことで、動画は原画と原画の間に中割の絵を加えることです。そして仕上げは、その動画をスキャンして彩色を施すことを指します。つまり、どんなに素晴らしい原画だったとしても、元の線や動きが拾えていなければ台無しになります。そういった重要な工程を専門的に請け負っているのが動仕会社です。
ちなみに今回注目された動仕会社「reboot」は、「ポケットモンスター」「呪術廻戦」「ハイキュー!! TO THE TOP」など、人気作品を数多く手がけている実績ある会社です。


加藤さん：今回、「reboot」の代表と人事部長に「異例の求人」について取材したところ、次のようなお答えでした。
まず、固定給にしたのは社長のお考えだそうで、「生活基盤がしっかりしてないと良い仕事はできない。なのに、この基本部分をどこもやってないのは不思議じゃないか。うちは単にそこをやっただけ。」とのことです。
その基本ができなかった理由としては、制作予算が少ないから。もし固定にしてしまったら、人を多く雇えない。すると生産量が上がらない。さらに雇った人が辞めてしまったら、教えたことも全部ダメになってしまう…ということで、会社としてなかなかリスクが取れなかったそうです。
もちろんリスクがあるのは「reboot」も同じですが、そこはもう割り切って「“海外”の動仕で利益を生んで、それを日本のクリエイターに投資していく。」そんな、日本に仕事を戻していく流れを生んで行きたい…というのが「reboot」の考えでした。


鈴村：動仕は海外での作業の方が安いんですよね。


加藤さん：中国や韓国などは安価で、物量が圧倒的だそうです。海外での動仕の物量がなければ、現在放送されている大量のアニメを作るのは不可能だと言われています。


鈴村：今回の募集は新人向けなのでしょうか？


加藤さん：固定給で18万円から、というのは新規の人向けだそうです。経験者はまた別途相談ということで、技術を身につけてフリーになったり、他社に移籍したりも全然アリ！とのことでしたよ。



そして、今日の #スズコメ はこちら。






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