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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.06.10

持続化給付金の再委託問題

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日は、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。
宇佐美さんに伺うニュースはこちら!


【持続化給付金の再委託問題】

エリザベス:中小企業などに最大200万円を支給する『持続化給付金』の事業をめぐり、国から委託を受けた一般社団法人『サービスデザイン推進協議会』が大半の事業を大手広告代理店の『電通』に再委託したことについて、野党は「運営の在り方が不透明」だとして、批判を強めています。こうした批判を受け、梶山経済産業大臣は一昨日、お金の使い方が適切かどうか、外部の専門家を入れて、月内にも検査を始める方針を明らかにしました。


宇佐美さん:今日のニュース、炎上しそうで怖いんですよ〜。


鈴村:がんばってください!お話、伺っていきますよ。(笑)
今回の事業の委託先は競争入札で決まったと報じられているんですが、経済産業省のような省庁が事業の委託先を決める場合、どのようなことが決め手になるんでしょうか?


宇佐美さん:入札には大きく分けて2つの方式がありまして、価格だけで判断する最低価格方式と、価格のほかに、技術や体制など、提案全体を評価する総合評価という方式があるんですけれども、今回は、総合評価方式で、多分、スピードと財務の健全性みたいなものが重視されたのではないかと思いますね。


鈴村:差額の20億円について、野党は「中抜きではないか?」と問題視しています、こちらはどう思われますか?


宇佐美さん:これはね、全くナンセンスですね(笑)。業務の委託事業というは、定められた用途でしかお金は使えないんですよね。あと、単価も決まっているんですね。だから、不正は極めて困難です。この委託事業は、基本的には使った分だけ支払う“清算払い”という方式なんですよ。つまり、769億円はまだ国にあるんですよね。今は、事業者が立て替えている段階なので、この段階では、中抜きのしようがないというのが現状ですね。


鈴村:なるほど、そういうことなんですね!
あと、再委託の合理性を説明する義務があるという指摘もあるんですが、こちらはいかがですか?


宇佐美さん:再委託が増えると体制が怪しく見えることは間違いないので、説明はした方がいいと思うんですよ。ただ、再委託そのものが悪ということではないんですよね。確かに今回は、ほとんど電通にお金を使うので、電通が上に立って、逆に協議会に再委託をするような形なら、形としては綺麗だったしシンプルだったと思うんですけど、それを電通側が嫌がったみたいなので、こういう事業の方式は、事業者と相談しながら決めるものなので、結果、こうなってしまったのはしょうがなかったんじゃないかなと思いますね。


鈴村:野党は、旅行や外食などの割引券やクーポン券を配る『Go Toキャンペーン』についても、委託費が高額だと批判しています。委託費の上限が総事業費の2割にあたる3095億円と巨額だったことから“税金の無駄”につながるとして批判が続出しています。政府は急きょ、公募を中止して、やり直すことになったんですけど、こちらはどう思いますか?


宇佐美さん:これも何を問題視しているのかよくわからなくてですね、確かに最大3095億円というのはすごく大きく見えるんですけれども、これは、予算の段階の上限で、実際に使えるお金というのは、まず、入札して、そのあと業務執行して、清算するという流れで決まっていくわけですよね。だから、業務委託費として実際に使われるお金ではないわけですよね。基本的には、予算をとって、入札して、実行して、監査するというのがワンセットで、全部終えた後に、ちゃんとチェックするという仕組みになっているので、予算として通った以上は、ちゃんとやりきるべきなのではないのかなと思いますね。
あえてドラクエでいいますと、ドラクエの新作が出るときに事前にいろいろな情報が出るわけですよ、長すぎるとか、ストーリーが複雑すぎるとか。でも、やっぱり、プレイして、最後までクリアしてから評価するのが基本なわけですよ。


鈴村:ん〜、やっぱりそうですよね!ゲームは全部やってから!やりもしないのに文句言っちゃいけないってことですよね。


宇佐美さん:そうですね。予算が通ったんだから、まず、やってみようというのが大事だと思いますね。


鈴村:どちらの問題についても共通しているのは“委託”という点ですけど、委託が増えたのは、公務員の削減が関係しているようなんですよね、そのあたりはどうなんでしょうか?


宇佐美さん:小泉政権ぐらいの時から、なるべく、「官から民へ」ということで、民の力を使うということで、公的性質の高い今回みたいな給付金の業務も昔だったら、経産省傘下の独立行政法人がやったわけですけども、こういう事業も民間企業がやるようになったんですよね。だから、確かに怪しく見えちゃうんですけれども、これはこれで時計の針は戻せないので、こういう新しい仕組みに国民がリテラシーを高めてくということが必要なのではないかなと思います。


鈴村:理解を深めていかなければいけないということですね。不透明なことがあること自体が疑われる要因の一つであると今回の話を聞いてわかりますけど、やっぱり、ちゃんと説明は欲しいなとも思いますね。


宇佐美さん:そうですね、確かに複雑ではあるので説明は必要だとは思います。


そして、今日の #スズコメ はこちら。







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