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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.06.09

動画の調査報道

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日お話を伺ったのは、ジャーナリストでメディアコラボ代表の古田大輔さんです。今日の話題はこちら!


「動画の調査報道」について

鈴村:古田さん、これはどういった内容なんでしょうか?


古田さん:アメリカをはじめ、世界各地に広がっている活動「Black Lives Matter」のきっかけとなった、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスのジョージ・フロイドさんの事件に関して、ニューヨークタイムズが動画を使った詳しい調査報道を行っていまして、それが話題となっています。そのタイトルが『8 Minutes and 46 Seconds: How George Floyd Was Killed in Police Custody(8分46秒:ジョージ・フロイドは警察の拘束によってどう殺されたのか)』というストレートなもので、街角の監視カメラや目撃者がスマホで撮影した動画などを集めて、それを時系列に沿って様々な角度から分析することで、彼が拘束されてから亡くなるまでの8分46秒を克明に捉えた、すごく衝撃的な調査報道となっています。
日本ですと、先日クルド人の男性が職務質問で警察官に不当な暴力を振るわれた、という動画が流れ、これもデモにつながりましたよね。こちらは1本の動画があるだけなんですけれど、ニューヨークタイムズの報道は、たくさんの動画を集めることで「なぜこのような事件が起こってしまったのか」ということをあらゆる角度から検証しています。こういった手法はまだ日本では見かけられないですし、テクノロジーとしても優れた報道ですね。


鈴村:事実にたどり着くためにテクノロジーを使う、というのはひとつの答えな気もしますよね。最近は、テレビ局ではないメディアによる「動画」を使った報道は盛んになってきているのでしょうか?


古田さん:いまの時代はインターネットが主流なので、テレビ局に限らずどのメディアでも動画は使いますね。例えば、イランで航空機が撃墜された件について、「イラン軍による誤射」という原因を突き止めたのも、「べリングキャット」というインターネットの調査報道集団が中心になったんですが、こちらも一般の人が公開した動画や画像を調査・分析して分かったんです。なので、いまは「動画=テレビ局」という考え方は、世界的にもあまりされなくなっていますね。
そして、ニューヨークタイムズの調査報道が新しいのは、色んな人の動画を集め、それを3Dのマップを作成してそこに落とし込んでいるところです。それを全て合成していくことによって、事実を立体的に浮かび上がらせています。相手方の証言を客観的な証拠でひっくり返せるというのは、本当に新しい動きですね。


そして、今日の #スズコメ はこちら。






過去の #スズコメ #シゲコメ を音声でCHECK!!



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