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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.06.05

これからの参加型スポーツの在り方

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

金曜日は『スポーツ』をキーワードにお届けします。今日、お話を伺うプロフェッショナルは、早稲田大学 スポーツ科学 学術院の教授、原田宗彦さんです。
原田さんにお話を伺うテーマはこちら!


【これからの参加型スポーツの在り方】

山崎:マラソン大会などの各種参加型スポーツイベントが中止に追い込まれ、『身体を動かすことの喜びを共有する場所』が一時的に失われている現状について、まずは伺いました。


原田さん:これまでたくさんの人がランニングイベント、あるいは、自転車のイベントに参加していたのですが、その機会が失われてしまった。少なくとも、今年は、ほぼ全てのイベントが中止になりましたので、皆さん目標を失ってうずうずしているのではないか?と思います。そういう『身体を動かす事の大切さ』や、『イベントに参加して競う喜び』みないなのは、全く衰えていないと思います。なので、今は、いつかイベントが開催したときに向けてしっかり準備をする。日ごろのトレーニングをしっかりやろうということで、リモートワークなどになったおかげかもしれませんが、皆さんお住まいの場所でジョギングやランニングをされている方、増えましたよね?そういうふうに『いつか来る日のために鍛えよう』というような傾向が、今、強いと思います。


山崎:人々の健康志向は今も変わらないということですね。
さあ『これからの参加型スポーツの可能性』にフォーカスしていきます。新型コロナウイルスの影響によって、参加型スポーツは新たな局面を迎えるということですが?


原田さん:今後なんですけれども、新型コロナウイルスの影響が収まらない場合、会社に行くのが週2、3日、残りの日は自宅で仕事みたいなライフスタイルが定着する可能性があります。そうなると、地方に分散していくか、あるいは、自宅での仕事が増えるということですよね。なので、遊びと仕事の均衡が非常に重要になります。しかし、しっかり仕事はするけど、リモートワークでは、なかなかリズムが作りにくいと思います。だから、“しっかり仕事して、しっかり身体を動かす”、そういうことが重要になるので、これからますますウォーキングとか、サイクリングとか、そういうアクティビティの人気が出る感じはします。例えば、今、南房総の中古住宅が結構売れ始めて、人気が出ているわけなんですよね。なぜかというと、東京の企業がリモートワーク用の住宅を購入して、そこで皆さんに働いてもらうと。そうなると、ワークとバケーションを掛け合わせた“ワーケーション”みたいな概念が重要になってきます。なので、例えば、南房総に何ヶ月間か移り住んでそこで仕事をする。すると、そこでサイクリングをやったり、サーフィンをやったりと、楽しいことと仕事とが一緒にできちゃう人気スポットになる可能性があるんですよね。そうなると定期的に南房総と東京を往復する、人の移動が生れてきますよね。スポーツツーリズムというのは、スポーツで人を動かす仕組み作りを意味しますが、そうなると自治体も、スポーツツーリストがワーケーションでやってくるというような機会を充実することによって、関係人口を増やすことができる。と、高齢化と人口減が進む地方では、そういった関係人口から、最終的に定住人口の増加に結びつけていって、Win-Winの関係が生れてくるといいなと思います。


山崎:そして、原田さんは、地方分散化によるスポーツツーリズム活性化の可能性について、ある一つの考え方がキーになると考えています。そのキーとなる考え方とは?


原田さん:あまりスポーツを強調すると「え〜、スポーツ苦手だよね〜」とか「体育の時間にいい思い出ないよ」みたいな人も結構多いですが、少し概念を変えて、アクティブな生活、もっと身体を動かして、楽しく汗をかきましょうというような、『アクティブ・ライフ』という考え方がこれから定着してくると思うんですよね。その手段はなんでもよくて、犬の散歩でもいいし、ガーデニングでもいい、ジョギングでも、サイクリングでもいいと思います。とにかくアクティブに過ごすというのが、これからのキーになってくると思います。そうなると参加型スポーツというのも、まさに、このアクティブ・ライフを実践する上で不可欠な要素になるのかな?というふうに感じています。


山崎:新しい考え方ですね、アクティブ・ライフ。アクティブとは逆の考え方ばかり注目されてきましたから、密にならないアクティビティというのも考えてみると、いくらでもありますよね。


エリザベス:そうですよね!


山崎:参加型スポーツイベントは、地方活性化の大きなエネルギーになるポテンシャルも秘めているということなので、地域の特性と、開催するためのアイデアを活かせば、『身体を動かす事の喜びを共有する場所』は失われることはなさそうですね。


そして、今日の #シゲコメ はこちら。





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