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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.06.03

予備費10兆円、野党からは批判の声

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日は、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。
宇佐美さんにお話を伺う話題はこちら!


【予備費10兆円、野党からは批判の声】


エリザベス:今年度の第2次補正予算案には、具体的な使い道を決めない『予備費』として、10兆円が計上されました。予備費は政府の裁量で使い道が決められるため、野党は「国会の軽視」だと反発しています。衆議院の委員会では、一昨日、国民民主党の源馬謙太郎 衆議院議員が「内閣の恣意的な判断で何でも使える。必要なら予算を組むやり方でもいいのではないか」と追及。これに対し、麻生財務大臣は「政府の対応は『スピードが足りない』との指摘を受けている。万全を期さなければならない」と反論しました。


鈴村:まず、基本的なことから伺っていきます。『予備費』というのは何のために設けられているのでしょうか?


宇佐美さん:予備費というのは、政府が災害などの不測の事態に備えて確保する裁量で使える予算です。性質上、国会を通さずに自由に使えるお金なんですよね。


鈴村:これは今すぐやらなければいけないということで言えば、スピード感が上がってくる予算と考えていいんでしょうか?


宇佐美さん:そうですね、かなりスピード感をもって執行できますね。


鈴村:第2次補正予算案には10兆円が計上されたんですけど、こちらはどうご覧になっていますか?


宇佐美さん:間違いなく過去最大で、新型コロナウイルスとの先行きが見えないから、予備費を多めに確保したって言うことなんですけど、ちょっと多すぎるかなとは思いますね。


鈴村:予備費は過去にも計上されていまして、2009年度にはリーマン・ショックに伴う経済危機への対応に備えて1兆円。2011年度には東日本大震災の復旧・復興に充てる目的で8000億円が計上されました。規模を比べると今回は10兆円なので、リーマン・ショック、東日本大震災の10倍ということになるんですけれども、こちらはどう思われますか?


宇佐美さん:これは一長一短で、例年は数千億円規模なので「大きすぎる」という批判は理解できるんですよ。ただ、新型コロナウイルスの第2波が来る可能性はかなり高いので、今回、「政府の動きが遅すぎる」という批判があったのも事実なので、こういう対策をとるのもメリットはあるかなと思いますね。


鈴村:野党からは「必要なら予算を組むやり方でもいいのではないか」という声もあるんですけど、こちらはどうですか?


宇佐美さん:これを指摘したのが源馬謙太郎議員という方で、本当にいつもまともな指摘をする議員なんですけど、これは言う方の議員のブーメランで「国会がちゃんとスピード感をもって対応してくれるのか?」という問題があるわけなんですよね。今の国会はなんでも政治的な駆け引きの道具にしがちなので、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正なんかもすごい揉めたわけですよね。だから、与野党が協力する仕組みがなかったら今回の判断もやむを得ないのかなと思います。
あえてドラクエで例えれば、補正予算を組み直すというのは“復活の呪文”でゲームするみたいなもので、予備費でやるっていうのは“冒険の書”にセーブするみたいな話ですね。


鈴村:おぉ、なるほど!ちょっと説明しますと、復活の呪文というのは、文字をいちいち入力してすごい長いパスワードを入力するアナログのセーブ方式なんですよね。冒険の書というのは、ボタン一つで「冒険の書に記録する」をピッ!とやると、すぐにセーブができるんですよ。そのセーブした冒険の書にもう一回、ピッ!とすると、この冒険の書を始めますか?ってなって、すぐに始められんですよ。いちいち入力しなくていいんですよ。


エリザベス:なるほど!


鈴村:だから、速度が上がるっていうことですよね。


エリザベス:ほぉぉお!!!


鈴村:あってますか?(笑)


宇佐美さん:素晴らしいですね!(笑)
だから政府としては、新型コロナウイルスの第2波がすぐにきたら、前のモードに戻りたいので、ピッ!とボタンを押して、すぐにお金を使える、冒険の書的な予備費を使いたいわけですけど、野党としての「そんな簡単に手続きを飛ばさないでくれ」という主張もよくわかりますね。


鈴村:この10兆円がどう使われるかも気になるところなんですけど、使い道について、自民党の田村憲久 政調会長代理は、新たな現金給付を想定していることを明らかにしました。こちらはいかがですか?


宇佐美さん:これは、基本的にはこの前までの緊急事態の下で政府が展開した政策と同じよなことをする、現金給付だったり、都道府県への交付金を配るということを想定していると思います。


鈴村:そうですね、この間の対策については速度がすごく遅いということはみんなも言ってましたし、今後も、新たな給付というのも求められることも多いでしょうから、速度が上がるということはいいことなのかなと単純に感じますよね。
予備費の10兆円はどのように使えばいいとお考えですか?


宇佐美さん:予備費はあくまでも予備費なので使わないのが一番なので、これから経済活動を活性化する中で、やっぱり新型コロナウイルスは出てくるとは思うんですよ、それでも、3密に気を付けて、なんとか努力でセーブできるのが一番よくて、それで予備費の10兆円を使わないで済みましたっていうのが一番いいことじゃないかなと思いますよね。


鈴村:ちょっと時間がなくなってきたので、一言でいいのでお願いします。予備費と言うのは繰り越しは可能なんですか?


宇佐美さん:できないんです。


鈴村:できないんですね!?そうかぁ、そうなると難しいな…。



そして、今日の #スズコメ はこちら。







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