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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.01.30

香川県からのアクセスをブロックするプログラムが話題に

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日は、気になる・人に話したい旬のネタをお届けするネットニュースサイト『ねとらぼ』の編集長、加藤亘さんにお話を伺いました。
加藤さんが注目したネットの話題はこちら!


【香川県からのアクセスをブロックするプログラムが話題に】

このニュースのあらましは…
香川県議会が検討中の『ネット・ゲーム依存症対策条例案』に備えて、とあるプログラムが公開され、ネット上で話題になっています。それは、もしものために“香川県からのアクセスをブロックするプログラム”です。


鈴村:これはどういうことなんですか?


加藤さん:そもそもの発端は香川県が公開した、『ネット・ゲーム依存症対策条例案』の素案です。“18歳未満は平日ゲーム60分まで”の部分が注目されていますが、素案の第11条を見るとこんな記載があります。


第 11 条
 インターネットを利用して情報を閲覧に供する事業又はコンピュータゲームのソフトウエアの開発、製造、提供等の事業を行う者は、その事業活動を行うに当たっては、県民のネット・ゲーム依存症の予防等に配慮するとともに、県又は市町が実施する県民のネット・ゲーム依存症対策に協力するものとする。


つまりですね、この素案がそのまま通った場合、ゲーム業界だけではなく、あらゆるインターネット事業者は、香川県民のネット・ゲーム依存症の予防に配慮しなければ条例違反になってしまうということなんですよね。そのためにネット上では早くから、「アクセス前に「香川県民ですか?」と聞く必要が出てくる」とか、「Yesと言ったら時間制限つけなくちゃ…みたいな話になるぞ」とか、「香川県からのアクセスに規制が必要になってしまうのでは?」などですね、懸念する声があがっていたんですね。


エリザベス:そんなことできるんですか?


鈴村:「ぼく、香川県民なんでそろそろ落ちます!」っていうワードが出るわけですよね、きっとね(笑)。「キミは香川県民だから落ちなくちゃいけないんじゃないの?」とか。すごいね…。そこで出てきたのが、香川県からアクセスをブロックするプログラムなんですか?


加藤さん:そうなんです。ねとらぼ編集部ではですね、このプログラムの作者に公開した狙いなどを聞いたんですけども、先に申し上げておくと、ジョークの一種で作ったものです。しかし、ジョークのようでいて、皮肉の利いた意見のようにもとれますね。


鈴村:具体的にはどんなプログラムなんですか?


加藤さん:今回公開されたプログラムは、『nino』さんという方が作ったもので、技術共有サービス『Qiita』で公開されています。位置情報を取得するためのAPIを用いてまして、ユーザーの所在地の緯度経度を取得し、都道府県を割り出して、もし、香川県だった場合は、香川県の公式サイトに飛ばすというシンプルな仕組みです。


鈴村:(笑)。なるほど。


加藤さん:もちろん、位置情報の取得にはユーザーの同意が必要なので、偽装されたり、拒否されたりしたら意味はありません。また、このプログラムはあくまで、“アクセスした人が香川県民であることを特定するヒント”の一つを提供しているにすぎないため、香川県からのアクセスであっても、香川県民であるからはわかりませんし、条例が求める“18歳未満”かどうかや、“1時間以上の利用”は別途対策が必要だとninoさんは語っております。こういった条例通りのアクセス制限を完璧にするには、「技術ベースでは難しい」というのがninoさんの意見でした。サービス提供側が本当に依存症に対策しないといけなくなる!ということは、まずないと思いますが、現在の素案からは、そんな可能性もありそうだと捉えてしまうというお話でした。


鈴村:いきすぎるとこうなりますよね。規制というか、リアルに、本当にやれっていうことになってくると、どこからアクセスしたかとか、タイマー付けて…ってことになりますよね。


加藤さん:全国的に、特に何もないっていうか、制限されるような内容じゃないにしても、香川県民だからって制限していいの?って話しにもなるんですよ。


鈴村:そういうことにもなりますよね。ちなみに、作者のninoさんは、香川県の条例案にはどんな意見なんですか?


加藤さん:対策を打つ可能性のあるゲームサービス提供側でなく、しかも、香川県民でもないので、条例に直接関係のない立場でいるので何とも言えないと前置きをしているんですけれども、「どちらかと言えば反対です」という立場でした。


鈴村:なるほどねぇ!加藤さんは今回の条例についてどう感じでいらっしゃるんですか?


加藤さん:今回の条例というか、ゲーム依存症対策で“ゲーム1日60分間”という根拠はどこからきたのかっていうのが、すごく疑問があってですね、特にエビデンスみたいなものもないんですよね。もちろん、1日中ゲームだけをしていると生活に支障があるっていうのはわかりきっていることなので、先回りして対策を打ったりですね、問題を世に問うという意義はあるかもしれないんですけれども、大人だって射幸心に煽られて、そういう依存症になることだってあるので、限定するのはちょっと無理があるんじゃないかな?とは思います。


鈴村:僕は子どもの時からゲームやってますけど、めちゃくちゃやってましたけどね!(笑)


加藤さん:やってましたよ、僕も!ずっとやってましたよ!!(笑)


鈴村:ず〜っとやっちゃったんだよねぇ(笑)!でも、そんなにずっとやっちゃったから、「こんなに時間使っちゃった…」とか後悔したりとか、「ああここ疎かにしたな…」とかって、勉強したんですよね。だから、「ここは時間をちゃんとコントロールしよう!」とか、一個一個、自分で勉強していったんですよ。


エリザベス:確かに!


鈴村:だから、そういうことも大事な気もするけどなぁ。



そして、今日の #スズコメ はこちら。











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