19.09.30
「アメリカ民主党、トランプ大統領への弾劾調査を正式開始」
いま知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!
今日は、報道ベンチャーの株式会社「JX通信社」代表取締役・米重克洋さんにお話を伺いました。米重さんが注目したネットの話題はこちらです。
「アメリカ民主党、トランプ大統領への弾劾調査を正式開始」について
このニュースのあらましは…
アメリカ野党・民主党は、ドナルド・トランプ大統領が政敵に対する捜査をウクライナ大統領に働きかけたとされる疑惑をめぐり、弾劾調査を正式に開始すると発表しました。
やしろ:こちらネットの反応はいかがでしたか?
米重さん:「ロシアの次はウクライナか」「トランプさんは次から次へとこういうのが出てくるな」といった反応が多いのと、あとは「トランプさんは切り抜けるのではないか」といった声もあります。ただ、今回は「弾劾」という大ごとになっていますので、すでに為替や株価に影響が出ているんです。そういった部分で経済への影響を心配する声も多く見られましたね。
やしろ:そもそも「弾劾」とはどういったものなのでしょうか?
米重さん:議会が大統領を罷免できる…つまりクビにできる制度です。アメリカの場合ですと、下院の過半数の賛成で弾劾訴追されます。さらに、罷免するためには上院の3分の2の賛成が必要となり、かなりハードルが高く設定されています。
やしろ:過去に弾劾になったアメリカの大統領はいるんでしょうか?
米重さん:過去には例がないんですね。弾劾裁判になった人はいますが、弾劾で罷免された人はいません。ニクソン大統領はいわゆる「ウォーターゲート事件」で弾劾訴追が始まる、というところまで行って辞任となりました。あと、記憶に新しいのはクリントン大統領で、この方は不倫問題で弾劾裁判にかけられました。しかし、上院で3分の2が集まらずに罷免は免れました。
やしろ:そして今回、トランプ大統領がウクライナ大統領に働きかけたとする疑惑について詳しく教えてください。
米重さん:今年7月、トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談中に、ジョー・バイデン前米副大統領について捜査するよう依頼し、その見返りに軍事支援の拡大を約束した、という疑惑が取り沙汰されています。このバイデン氏は、次の大統領選での野党・民主党の有力候補と言われている人物で、現時点の世論調査でも、次の大統領選ではトランプ大統領より有利だと言われています。民主党の中でも穏健派で、共和党の支持者の一部を切り崩せるのではないかと見られています。
やしろ:トランプ大統領弾劾の可能性はどれくらいありそうでしょう?
米重さん:いまのところ、それほど可能性の高い話ではなさそうです。というのも、共和党が上院の過半数を占めていますので、罷免に必要な3分の2を集めるためには、かなりの数の造反者が必要になります。
やしろ:なるほど。勉強になりました!
そして、今日の #ザベコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #ザベコメ ? #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 30, 2019
結局この弾劾調査を始めたところで、本当に弾劾されるのかというと、難しいのかなと感じました。ただ、このような弾劾調査されるという事自体が、これまで大統領にはなかった事なので、重く受け止めて、少しでも変わっていったらいいと思います。