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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

19.09.26

eスポーツ大会、賞金減額問題!

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日は、気になる・人に話したい旬のネタをお届けするネットニュースサイト『ネトラボ』の編集長、加藤亘さんにお話を伺いました。
加藤さんが注目したネットの話題はこちら!


【eスポーツ大会、賞金490万円減額問題】

このニュースのあらましは…


今月『東京ゲームショウ2019』の中で行われた『ストリートファイターV』のeスポーツ大会で、トッププロゲーマーのももち選手が優勝したものの『日本eスポーツ連合』が規定するプロライセンスの取得を拒否したため、本来500万円の優勝賞金が10万円相当へと減額になりました。
また『パズル&ドラゴンズ』の大会では、日本eスポーツ連合のジュニアライセンスを持つ、ゆわ選手が優勝しましたが、ジュニアライセンスの規定により、優勝賞金500万円を受け取ることが出来ませんでした。
こういった流れに受けてネット上では、プロライセンスを発行する日本eスポーツ連合や、大会を開催したゲームメーカーなどに批判が集まっています。

鈴村:eスポーツ大会の賞金問題については以前からいろいろ議論されていますけど、ももち選手は、なぜ、正規の優勝賞金を受け取らなかったのでしょうか?


加藤さん:今回、eスポーツに詳しいフリーライターの岡安学さんに取材しました、それによりますとですね、日本eスポーツ連合が発行するプロライセンスを持っていない場合、賞金の最高額は10万円と大会公式サイトの規約に書かれていて、ももち選手は、そのライセンスを持っていなかったために正規の優勝賞金500万円を受け取ることが出来なかったということです。
規約には他にも、「上位8人の入賞が確定した時点で、プロライセンスを持っていない人には、ライセンスを発行するよ、費用も負担するよ〜」といった内容も明記されているんですが、つまり、受け取ろうと思えばその場でライセンスを取得し、賞金を受け取ることも出来たわけなんですよね、ただし、ももち選手は、そのうえで、ライセンスの取得を拒否したわけです。


鈴村:優勝賞金500万円が10万円になるというのはすごい減額だと思うんですけど、なぜ、ライセンスを持っていないと10万円になるんでしょうか?


加藤さん:これはですね、『景品表示法』が定める賞金の上限額が「10万円、もしくは、商品額の20倍まで」とあるからです。ゲーム大会で支払われる賞金については、多くのメーカーが景品表示法に抵触しないようにするための安全策を取っていると思われます。一方でですね、プロライセンスがあれば“仕事の報酬”として判断されるためにですね、景品表示法に縛られることなく賞金を支払うことが出来るという建前になっているんですね。


鈴村:建前としてそういうことなんですね。プロライセンスというのが曖昧な感じもしますけどね。今回の最大の問題点は何だったんでしょうか?


加藤さん:今回の問題点は、まず日本eスポーツ連合が「プロライセンスがなくても賞金を出せることがわかった」と直前に発表したところから始まります。
簡単に説明しますと、日本eスポーツ連合が消費者庁に問い合わせたところ、「興行性があるeスポーツイベントは、それだけで仕事として認められる」という回答があったそうなんですね。


鈴村:あったんですね!?


加藤さん:例えば、観客がいたり、誰かが視聴したり、そういう興行性があれば、プロアマ問わず、10万以上賞金を出しても景品表示法に違反しないと、あとから消費者庁が言ってきたわけですね。しかし、多くのゲームメーカーは“プロライセンスがあるから賞金が払える”という解釈を守ってきたという背景があります。日本eスポーツ連合がライセンスについて「必ずしも賞金を得るために必要なものではない」と名言したにも関わらずにですね、メーカーは以前からある大会規約を守っていることに矛盾が発生してしまったわけなんですね。それが今回の問題点になったと思われます。


鈴村:ライセンスっていうのは、じゃあ、なんなんですか?っていうのがありますよね、これね。


加藤さん:そうですよね、なのでネット上ではですね、プロライセンスいるの?っていう話になっちゃいまして…


鈴村:そうですよね、要らないですよね…。誰でも参加できるようにするほうが、eスポーツをもっと広げられそうなイメージがありますけどね。この前もこの番組でニュースでやりましたけど、海外では16歳の若い子がすごい金額の賞金を得たっていう大会があったりしますからね。ただ、お金がすべてではないとも思いますけどね。もっと盛り上がって欲しいところに、この賞金の問題って絶対に出てくるじゃないですか?eスポーツを広げるためには、このプロライセンスに関しては、もうちょっとしっかり整備していかないといけないんでしょうね。


加藤さん:そもそも、ライセンス制度まで作って高額賞金を出せるようにしたのはeスポーツの魅力を増やして、日本でeスポーツを普及させるためだったはずなんですね、それが逆に、イメージを損なってしまっては意味がないと、観客やファン、選手らがどう思うかをもう一度原点に立ち返って考えるべきなんじゃないかなとは思います。


鈴村:ももち選手がライセンスの取得を拒否したというのも気になるところですけど、これもいろいろ思いがあったんでしょうね。


そして、今日の #スズコメ はこちら。



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