19.08.13
話題のNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!
今日、お話を伺うのは、『BuzzFeed Japan』シニアフェローの古田大輔さんです。
古田さんが注目したネットの話題はこちら!
「Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』」
鈴村:8月8日から配信され話題になっているNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』、どんな作品なんでしょうか?
古田さん:アダルトビデオ業界の監督ですごく有名な『村西とおる』さんという方がいらっしゃるんですけども、村西監督は、自分も出演するAV男優でもあり、AV監督でもあり、過激な路線でいったことで有名なんですよね。現役大学生だった『黒木香』さんを女優に一緒に出演して、本当に業界を変えていった人の人生についてのドラマですね。
鈴村:村西とおるさんや黒木香さんは、当時、ゴールデンのドラマやバラエティ番組にも出ていましたよね。
古田さん:そうですね、討論番組にも出演して、本当に業界を変えた人たちですよね。
実際に、『全裸監督』という本があって、それが原作になって今回ドラマになったんですけど、これをドラマにするってすごくない!?ってまず思ったんですよ。
鈴村:いや、ほんとですよね。Netflixがこの企画を実現したというのはすごいことですよ!
古田さん:これは絶対に地上波じゃ出来ないんですよ。それで、今日も、このネタで話しましょうって言われたときに、「これはどこまで話していいんですか?」って相談したんですけど、「いやぁ、やっぱり、モロの言葉はやめて下さい…」みたいなことを言われて、でも、僕はそれがポイントだと思うんですよね。誰でも聞けるわけじゃないですか、耳に入ってきちゃう、例えば、子どもさんも聞いている可能性もあるしみたいなことで、“やっぱり、ここら辺は放送禁止の言葉として使わないようにしようよ”みたいなのがありますよね?でも、Netflixは自分で好きで登録している人たちだから、表現が攻めているんですよね。だからもうめちゃくちゃ面白い!
鈴村:そうですよね。だから、以前から、テレビってインタラクティブかっていうと、そうじゃないんじゃないかということを言われ始めていたんですよね。そういう意味では、多チャンネル時代を経て、ウェブで自分で作品を1個1個、この作品が見たいって自分からアプローチ出来るようになったというところで、劇的にエンターテインメント業界は変わってきているはずなんですよ。だから、この作品はそのひとつの大きな表れな気がしますよ。
古田さん:もともと、Netflixですと、オリジナルドラマがめちゃめちゃ面白いっていうことで有名になって、僕も加入しているんですけど、加入者が増えて、それで、日本発のドラマ、日本で生まれたドラマでこれだけ面白いものが出てきたら、本当にこれから人気がまた加速していくだろうなと思いました。
鈴村:これすごいのは、日本のそういう業界の裏側を描いている作品じゃないですか?それをNetflixは190か国どこでも見られるんですよね?全世界配信なわけですよね?
古田さん:そうです。英語の吹き替えも字幕とかも付いているし、ポルトガル語とかも入っていたかな?この作品がまた面白いのが、単にアダルトビデオ業界を描くだけじゃなくって、AV女優の黒木香さんを通じて女性の自立であるとかですね、しかも、その自立っていうのが、親からの自立、母親からの自立とか、男性からの自立とか、社会の規範からの自立とかですね、そういうところまでしっかりと描いているんですよね。単なる色物じゃなく、本当に面白い
鈴村:そういうところがドラマにしっかりと練り込まれているというか、入っているわけですよね。古田さんは見られたんですよね?
古田さん:見ました!全部見ました!!さっそく見ました!!!
鈴村:率直な感想としてはどんな感じなんですか?
古田さん:まず、出演者の人たちが一人ひとり、山田孝之さんもそうだし、すごく魅力的なのもあるし。話しの筋も魅力的だし。なんていえばいいのかな…、ドラマとしての構成もすごく練られているんですよね。さっき言ったみたいに、村西監督の姿だけではなく、黒木香さんの姿と両方を描くことによって、日本社会というのもどういうものなのかというのもきちんと描けている。あと、ワッと思うのがピエール瀧さんが普通に出ているんですよね。
鈴村:(笑)そうなんですか!?
古田さん:普通に出ていて、すごくいい演技をしているんですよ。ここも僕は思ったのが、今じゃ、ピエール瀧さんはテレビ出てないですよね?日本の映画でも出ていない…。だけど、Netflixで普通に出ていて、普通にいい演技をしている。この一点を見ても、このままじゃ日本のテレビとか映画業界って絶対に勝てないよなって思います。
鈴村:世界から見て、日本のエンタメの業界は、やっぱり、ちょっと違うって、ガラパゴスだってよく言われますけど、Netflixは世界中で作られいて、世界中にインフラがあるものじゃないですか、そういうところを土壌にして戦っていくということを日本もやっていかないといけないということのきっかけになればいいですよね、この作品がね。
古田さん:そうですよね。世界でお金儲けをして、ものすごい莫大な予算を使ってやっているわけですよね、これまでの日本で言うと、予算はテレビの方が大きいから〜みたいのがあったじゃないですか、それがもう違うんですよね、グローバルなところはネットの方が予算がでかくなっちゃっている、その中でどう戦うかというのは本当に課題ですね。
鈴村:課題ですよね。これから変わっていくのでしょうかね…。でも、なにより、面白いものを作られていくのが一番いいと思いますよね。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ? #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) 2019年8月13日
今朝は【Netflixオリジナルドラマ「全裸監督」】について。
タイトルも刺激的なように地上波では出来ない点で
Netflixがどんどん伸びていくのだろうと思いつつ
一般的にみんなが見られる場所で規制があったり
#スズコメ ? #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) 2019年8月13日
何かに気を使わなければいけない表現メディアになってきているのが少し寂しい。
でも新しい表現の場がまた生まれているというのは逆に喜ばしいこと。何より面白い作品を作り続けることがエンターテイメントは大事だと思っているので、
#スズコメ ? #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) 2019年8月13日
規制どうこうを飛び超えるような面白い作品が作れるように
そしてそういう作品に参加できるように
僕もエンターテイメントの世界にいる人間として
頑張っていきたいと思いました。