19.07.30
情報の“規模”から“深さ”の変化とは?
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!
今日、お話を伺うのは、『BuzzFeed Japan』シニアフェローの古田大輔さんです。
古田さんが注目したネットの話題はこちら!
「インターネットサイト『MERY』復活にみる“規模”から“深さ”の変化」
鈴村:まず、『MERY』とはどんなサイトなんですか?
古田さん:10代後半から20代くらいの女性にすごく愛好している方が多く、ファッションや美容などのコンテンツを扱うサイトで、最初はキュレーションプラットフォームと言っていました。4,5年前からやっていて、すごく人気になっていたんですよね。それがただ、コンテンツの一部に、著作権をきちんと守られていないものだったり、内容がいい加減なものがあって、そういうのが問題視され、当時BuzzFeedでもそういう記事を書いているんですけれども、それで2016年に一旦休止していました。そして、1年間の休止を経て復活しました。今回のニュースは、かつてのMERYとはまたちょっと違う所があるんだよというのが、この『“規模”から“深さ”への変化』という話です。
鈴村:ザベスさんは、MERYは知っていましたか?
エリザベス:知っていましたよ、読んでいました。信憑性がどうとかというのもあるのかもしれないですけど、本当に女性誌を読むように私は読んで、「へえぇぇぇ〜!?」っていろいろと感じていました。
鈴村:あっ、本当!?ということは、その休止から再開したわけですから、そういう意味では、支持がすごくあったというとことですよね?
古田さん:当時、休止したときに女子大生の間で「MERYロス」という言葉が流行ったくらいですね。可愛いものが見たい!自分の生活がちょっと良い感じにしたい!という女の子たちの気持ちを同世代の感覚で表現するのがすごくうまいメディアでした。
エリザベス:写真とかすごく可愛いの!!
鈴村:そうなんだ!?おじさん、全く縁がなかった!すいません、存じ上げておりませんでした。(笑)
復活してからMERYを利用する人数というのは劇的に戻ったんですか?
古田さん:そこが今回のポイントで、面白いんですよ。休止前のMERYは最大で月間の利用者数が2000万人いっていたんですね。今、復活後の数は、復活当初のすごく小さい規模から始めて今、440万人。つまり1/4になっているんですよ。
鈴村:かなり減っていますよね。
古田さん:減ってはいるんですけど、ビジネスとしては堅調に成長していて、なんで1/4になっているのに、ビジネスとしては堅調って言えるの?というところにポイントがあるんですよね。良く考えてみると、先ほど、10代後半から20代の女性が主なターゲットって言ったじゃないですか?これって、日本でいうと900万人くらいの人口なんですよね。ということは、休止前の2000万人というのは、ターゲット以外にも広がりすぎていたという可能性が高い。
鈴村:とにかく登録というか、見ていた人がいたというわけですね。
古田さん:そうですね。でも、復活後はそうではなくて、要はターゲット層をがっちりと食い込む形の440万人になっていて、見ている人は何度も何度もMERYを見る熱心なお客さんになっているっていうのが今の状況なんですね。
鈴村:数ではなくて、一人がどれだけ改めて見るかとか、何回もアクセスするかということが大事なんですね。
古田さん:そうです、何回もアクセスするというのがポイントですね。
鈴村:深さを出していくのが大事という話ですけど、深さというのはどうやって出していくんですか?
古田さん:実際に取材しに行って、取締役の方に話を聞いたんですけど、大切なのは“熱量”だと。同世代の女の子たちが、まさに女子大生の子たちがインターンとして記事を書いているんですよね。自分が“本当に好きだ”というものとか、自分が“本当に気になるもの”をきちんと紹介しているんですね。そうすると、私の事を書いてくれてるとか、私に関係のあることを書いてくれていると思うから、そこに熱量が生れるんですよね。それで面白いなと思ったのが、最近よかった記事はなんですか?と質問したら、紹介してくれたのが、木管楽器のリードにリップが付くのが困るよねという記事だったんですよ。
鈴村:すごいニッチなラインですよね。(笑)
古田さん:ニッチですよね。ビュー数でいうと1万とか2万くらいしか行かなわけですよ。日本で木管楽器を吹いてる女の子はそんなに多いわけではないですからね。でも、おそらく、みんな思っていたんですよね。リードにリップ付くな〜って、リードにリップ付かないのってどうしたらいいの?みたいな。
エリザベス:これいいですね!
古田さん:最高でしょ!?
エリザベス:だって、木管楽器に付かないようなリップっていうことは、ストローとかにも付かなくなるから、すごくいい!
鈴村:流用できるんだ!?
古田さん:そうなると、みんな、あっ!私の悩み解決してくれた!!って思うじゃないですか?その瞬間にMERYの大ファンになるんですよね。
鈴村:はぁぁぁぁ!これは確かに深さを感じる!!
古田さん:僕は昔からMERYってすごいなって思っていたんですけど、本当に寄り添っているんですよね。
鈴村:なるほどね。やっぱりこれからは、ニッチなものって大事になってくるんでしょうね。僕は特撮が好きだから、特撮の事を書いている記事をよく読むもんなぁ。そういうふうにコンテンツって深くなっていくのかもしれませんね。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ? #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 30, 2019
今朝は【MERY復活に見る“規模”から“深さ”の変化】について。
僕が子どもの頃はメディアはみんなが「共有するもの」という意識があったんですが、ネットの発達によって
自分から情報を取りに行けるようになり
よりニッチなものや自分にしか分からなくても面白い、
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 30, 2019
わかってくれる人がいるんだと共有すること。
言うなれば情報の深さが大事になってきたと思いました。
時代が変わってきたことで、色んなメディアがどういう動きをしていくのかも注目ポイントかなと思います。
#スズコメ ? #ワンモ