19.07.02
ドラマ『わたし、定時で帰ります。』に対する海外の反応
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!
今日、お話を伺うのは、『BuzzFeed Japan』オリジナル編集長の伊藤大地さんです。
伊藤さんが注目したネットの話題はこちら!
「ドラマ『わたし、定時で帰ります。』に対する海外の反応」
鈴村:「ドラマ『わたし、定時で帰ります。』に対する海外の反応」ということですけど、このドラマ、ザベスさんは見ていたんだよね?
エリザベス:最初から最後まで録画して見ていました。
鈴村:がっつり見ていたんですね。(笑)
吉高由里子さんが主演の先月まで放送されていたTBSのドラマで、ざっくり言うと、残業ゼロの頑張りすぎない『定時の女』である主人公が現在の働き方に一石を投じるドラマということです。
エリザベス:まあ、ざっくりしてますね。(笑)
鈴村:ということで伊藤さん、このドラマ海外でも話題になったということなんですけど?
伊藤さん:世界で一番有名な新聞といっても過言ではない『ニューヨーク・タイムズ』が「会社員は本当に定時で帰れるのか?」というタイトルで長いコラムで取り上げていました。
鈴村:どう受け止められたんですか?
伊藤さん:まず一つは、“驚き”だと思うんですよね。この、定時で帰るのか帰らないかということが、ドラマになるという事自体が…。
鈴村:そんなこと当たり前じゃないか!?と思っている人たちが、これを焦点に、どうやってドラマを作るんだ?ということですよね?
伊藤さん:はい、そうですね。(笑)
その中で大きくフィーチャーされていたのが、仕事に対して個人的な犠牲を求めるという日本人の価値観。これは、日本を成功に導いてきたけども、同時にいろいろな社会問題の原因にもなっているよということを指摘していて、日本人にとっては痛い指摘なのかなと思います。
鈴村:海外では定時に帰るとか、自分の時間を大事にするとかということは、当たり前だというところなんですけど、日本が勤勉であることとかというのは、海外では異質に見られているんですか?
伊藤さん:多分、仕事に対しての相違があって、アメリカではジョブ ディスクリプションというものがあるんですね。まず、アナタの仕事はこれですと明確に書いてくださいということを求めるんですね。それで、それに対して、その仕事をこなしたら終わりということなんですよ。
鈴村:なるほど!どうとでもとれるような玉虫色だったりしないわけですね。
伊藤さん:日本の場合だと、例えば、業務アシスタント全般とか、それって一体どこまで指すんだ?みたいによくわからないですよね。
鈴村:確かにそうかもしれない!でも、日本の仕事の仕方って、常に先回りして〜とか、言われたこと以外の事もやるんだよとか、自分で想像するんだよみたいなところに、何か美徳があった気もしますし、日本としては、それでうまくいったり発展したことも、また事実なわけですよね。
伊藤さん:多様性の話にもつながると思うんですけど、日本ではすごく統一性が強くて、外国人の方がいっぱいいるような職場というのは少なくて、だから、みんな家族のように一緒になって頑張ろう!というのが強かったと思うんですね。でも、今までは、年功序列であるとか、終身雇用であるとか、そういうことによって維持できていたものが、その前提が崩れちゃっている中で、価値観だけが残り続けているということが問題なのかなと思いますね。
鈴村:かもしれないよなぁ…。
エリザベス:仕事のために自分頑張ってます!みたいな人の方が昇進できるイメージありますもんね。
伊藤さん:ありますね、そういうのありますね。
鈴村:根性論が残っているとかね…。
伊藤さん:でも、例えば、工場でどうやって品質を上げようとか、効率を上げようとか、そういうところに関しては日本は世界トップレベルなわけですよ。トヨタ方式であったりとか。一方で、じゃあ日本の何がダメかというと、やっぱり、ホワイトカラーの生産性。それを管理する人たちがどうなんだというところがすごく問題なのかなと思いますね。
鈴村:日本では残業があるのが当たり前なんですけど、海外もあるんですか?
伊藤さん:やってる産業はやっていると思いますよ。例えば、金融だとか、本当にITのトップだとか、おそらくそこは死ぬほど働いていると思うんですよ。
鈴村:僕は声優の仕事をしていますけど、何かを創るエンタメメディアとかって、海外だと、ハリウッドだなんだってあるんですけど、メイキングとかで、何日も寝なかったよ…とか言ったりするじゃないですか?
伊藤さん:ありますね。ドラマとかでも暗いデスクの中でインスタント麺みたいなのを食べていたりとかって。
鈴村:ありますよね!
伊藤さん:結局、このドラマでも僕がメッセージとして感じたのは、仕事に身を捧げる事も価値観の一つだけれども、そうじゃないことも一つの価値観ということで、生き方をどうやって選ぶかという問題であって、今まで、日本の社会が過剰に仕事中心の人生観を強いてきたのではないですか?ということではないのかなと思いますね。
鈴村:これはやっぱ、変わるべきだと思いますか?
伊藤さん:やっぱり変わるべきだと思いますよ。いろいろな生き方が奨励されてもいいと思いますけどもね。
鈴村:そうですよね。でも、極端になりすぎるのもどうかなと思うんですよね。その“定時で帰るのが素晴らしい!”みたいなことじゃなくて、そこにはちょっと揺らぎがあるべきな気もしていて…。
伊藤さん:そうですね。定時に帰らないといけないと言い過ぎた会社の周りのカフェがすごい混むみたいな話もよくあって…。
エリザベス:う〜ん、仕事を外でしちゃう…。
鈴村::仕事が出来なくなっちゃうみたいな人もいるから、ここが難しいところではあるんですけどね。海外ではこうであるということを参考にしなきゃいけないんですけども、やっぱり、日本には日本のやり方があるということを見つけ出していくということを、みんなでやっていかなきゃいけないのかなって思いますよね。
伊藤さん:そうですね。良いところはそのままで、悪いところは直していくという、当たり前のことが必要なのかなと思います。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ? #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) 2019年7月2日
今朝は【ドラマ「わたし、定時で帰ります。」を観た海外の反応】について。
海外では日本の働き方が不思議に見えているという事でした。
とはいえ、海外を参考にすべき部分もあるでしょうが
日本らしい働き方を探していかなければと思いました。
#スズコメ ? #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) 2019年7月2日
海外とは文化が違うのでこうなっている部分もあります。
急に働かないとシフトしても何かズレが出る。
きっと何か解決法があるはずと思うので
生活、人生を守るための働き方をそれぞれが考えてみんなで共有していく
という議論になればいいなと思います。