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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

19.06.11

インターネットメディア協会の意義について

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日、お話を伺うのは、エディターで『BuzzFeed Japan』シニアフェローの古田大輔さんです。
古田さんが注目したネットの話題はこちら!


「インターネットメディア協会の意義について」

鈴村:古田さんは『インターネットメディア協会』の設立に関わりました。先週の土曜日に設立記念シンポジウムが行われたということですが、そもそも、インターネットメディア協会の役割について教えていただけますか?


古田さん:インターネットで情報を発信するメディアが、自分たちで信頼性や創造性を高めていこう、みんなで協力していこうということで設立したのがインターネットメディア協会です。略称では、JIMA(ジーマ)といいます。


鈴村:信頼性を高めていこうと動いたのはなぜなんですか?


古田さん:もともと議論を始めたのは2016年の年末なんですよ、そこから2年半掛かっていて、2016年に何があったかというと、アメリカ大統領選でフェイクニュースがすごい話題になりましたよね。怪しい情報がいっぱい流れていて、みんなが真実を大切にしてくれない“Post Truth時代”という言葉も出てきました。それ以外に日本でも、大手のインターネットメディアで信頼性の低い情報を拡散させていたということで運営停止になったり、それのスクープをBuzzFeedが書いたんですけどね。そういうこともあって、やっぱりインターネットの情報の信頼性を高めていかないとユーザーにとってみれば安心して使えないし、安心して使えないものだと結局のところ人気が高まっていかない、そうすると、信頼されるインターネットメディアの収入にも結びつかないわけですよね。もうインターネットは今、社会のインフラなので、インターネットが良くなっていかないと社会は良くなっていかないと思うんですよ。メディアってそこにすごい責任を持っているから、じゃ、みんなで頑張っていこう!って作ったんですよね。そこでポイントとしていえるのが、インターネット専業メディア、例えば『BuzzFeed』とか『ハフポスト』というインターネット専業のメディアだけじゃなく、新聞社とか出版社の方たちにも入ってもらっているんですよね。


鈴村:新聞社、出版の方たちも今回の設立メンバーに入っていますね。


古田さん:例えば、『毎日新聞』系、『講談社』系とか『東洋経済新報』とかいっぱい入ってますけれども、それはどういうことかというと、今の時代、新聞社でもテレビ局でも、出版社、雑誌でも、だいたいウェブサイト持ってるじゃないですか、しかも、すごく大きいんですよウェブサイトが。そう考えるとインターネットに情報を出しているメディアは、全てインターネットメディアではないかと、じゃ、みんなで仲良くやりましょうよと。昔みたいに“ネットと紙”とか“ネットとテレビ”とかで争っている場合じゃないと思うんですよね。なので、みんなで仲良くやりましょうという意味がこもっています。


鈴村:確かにそうですよね、もうインフラとしては当たり前になりつつある。でも、その割には、一般の人間から言うと、信頼度は低いというのはインターネットにはあって、最近では特にフェイクニュースの話題も増えた結果、流れてくる情報を見ても、「ネットに書かれていることだからね…」なんてことをみんな言うようになっちゃったというのは正直なところあるんですよ。


古田さん:それがすごく残念なことだと思うんですよね。誰でも情報を発信できるようになったし、それを共有できるようになった、それってインターネットの素晴らしいところだと思うんですよ。昔は、新聞やテレビのマスメディアが情報を発信する力を全部握っていたわけですよね。それが、みんながそれを持てるようになったというのは本当に素晴らしい!僕は、“情報の民主化”と呼んでいるんですけれども、ただそうすると、訓練を受けていない人とか、悪意のある人があやふやな情報を流してしまう場合があります。れに対してどう対応していくのかというところが大切だと思うんですよね。なので、インターネットだから情報が信頼できないのではなく、インターネットの中にも信頼ができる情報とできない情報があるよねと、それをより良くしていくためにはどうしていこうというふうな議論する場ですね。


鈴村:ガイドラインを作ったりするということになるわけですか?


古田さん:ガイドラインを作りたいねと最初は検討したんですよ。今も議論は続けていますが、ガイドラインって、結構、強いじゃないですか?言葉が。僕らは、インターネットの世界の警察みたいにはなりたくないと思っているんですよ。


鈴村:いわゆる検閲みたいになってくると今度は言論の自由だったりそういうものに抵触してくるってことですよね。


古田さん:そうなんですよ。インターネットにとって自由というのはすごい大切なところだし、それに元々、表現の自由もすごく大切だから、それを取り締まるようなことはしたくないし。そうではなくて、取り締まりはしないけど信頼性を高める方法ってなんだろう?とみんなで議論するような場所が必要だと思うんですよ。これまでインターネットメディアが生れてから20年経つのに日本にはそういう場が無かったんですよね。


鈴村:それってすごい事ですよね?実は結構そのまま放置したまま進んでいたイメージがありますけど、やっぱり本当にそうだったんですね。


古田さん:そうなんですよ。だから、仲良くみんなで話し合おうよと。


鈴村:なるほどね。ガイドラインを決めないにしても、話し合うことで対策として具体的に何をやっていくみたいなことはあるんですか?


古田さん:まずは、理念とかも話し合おうよと言っているんですね、そのガイドラインの手前ですね。我々はどういう思想で、どういうふうな気持ちでこの仕事をしているのかということを、みんなで目線を揃えたいねってみんなで言っていて、あとは、知見をみんなで共有するということですね。そこから始めたいなと思っています。


鈴村:なるほど、まずはそういったところから、いろいろ整備を進めていくということですね。



そして、今日の #スズコメ はこちら。





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