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谷口ジローさんの世界にふれてみませんか?(2017/3/2)

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木曜日は、「カルチャー」。


まずは、楽天ブックスの最新漫画(コミック)
売り上げウィークリーランキング ベスト3をご紹介!



第3位 『 ハイキュー!! 25巻/古舘春一 』

第2位 『 ONE PIECE 84巻/尾田栄一郎 』

第1位 『 君に届け 28巻/椎名軽穂 』


そして今日は、1月11日に69歳でお亡くなりになった漫画家の谷口ジローさんについてご紹介しました。


谷口さんは1970年代のデビュー後、ハードボイルドもの、散歩もの、動物もの、SF、文芸など幅広い作品を描いた芸術家でした。代表作は「坊っちゃんの時代」「歩く人」「孤独のグルメ」など。ヨーロッパでも評価は高く、多くの賞を受賞しています。フランスのマンガ「バンド・デシネ」に大きな影響を受けていますが、そのフランスでも、芸術や文化の創造・普及に貢献した人に与えられる「フランス政府芸術文化勲章(シュヴァリエ)」を受賞しています。


もちろん、日本にも多くのファンがいます。ただ、大人のマンガ通から受ける高い評価と反対に、若い世代には馴染みが薄い存在かもしれません。
そこで今日は、「孤独のグルメ」や「散歩もの」で原作者として一緒に仕事をした、漫画家でもある久住昌之さんにお話を伺いました。まずは「孤独のグルメ」の仕事を通じて知った“漫画家・谷口ジロー”について。


これは編集者の方から、谷口さんと組んでやって下さい、っていうのが来ました。いや、僕でいいんだろうかって思いましたね。手塚治虫文化賞なども受賞されていますし、ずっと上の先輩ですからね。僕の原作を文章と写真で渡して書いてもらったんですけれど、正直、1回目のときは「これ本当にみんな面白いかな」っていう…。で、谷口先生も、これ僕が書くべきものなんだろうか、みたいな(笑)。それも素で。それで、3回目のときに、谷口さんが美味しいっていう顔が上手く描けたときに「これで出来るかもしれないな」と思ったとおっしゃっていたんです。豆かんですね。浅草の豆かんを食べて。僕も3回目4回目から、意外に面白いかもしれないぞ、と思いましたね。
谷口さんは本当に真面目な方で、ありふれた何かをちょっと食べるだけの話なんだけど、他のマンガと同じような力を使って丁寧に描いてくださって。必ずどこかに前作までにやっていなかったマンガ表現が入っていて、そういうところに頭が下がりましたね。マンガを読んでいる方はサラッと読んでしまいますが、背景とかものすごく細かくて。1コマ1日というのは当たり前の世界なんですね。「なんでこんなに細かく描くんですか」と伺ったら、このマンガには大きなストーリーもないし、言葉も少ない。だけど、その中にちょっとしたことを感じている。だからこの主人公が見たものを見たように読ませてあげなくちゃならないんだ、とおっしゃって、それはもう素晴らしいと思いましたね。言葉にもならないという感じでした。11ヵ国語ぐらいに訳されているんですが、やっぱり手を抜かずに時間をかけて丁寧にやったことは、距離的にも遠くまで届くし、時間的にも20年も経つのに新鮮に読んでもらえる。そういうことを教わりましたね。

そして、久住昌之さんがオススメしたい、ご自身が関わった以外の谷口ジロー作品は?


1つ目は「神々の山嶺(いただき)」という、夢枕貘さん原作のマンガで、これは谷口さんにしか描けない山。人が登ることを拒む山っていう、そういう山という巨大なもの、地球が生きているように描けるのは谷口さんだけだと思うので、これはぜひ読んでみて下さい。
もう1つは「センセイの鞄」という、川上弘美さんの芥川賞受賞作をマンガ化したしたものがありますが、こちらも本当に素晴らしくて、“背景で泣けるマンガ”を描けるのは谷口さんくらいじゃないかと思うくらい素晴らしいんです。背景の美しさに主人公の心情がものすごく表れていて、その星空を見て泣けちゃうという素晴らしいマンガですね。

そして、谷口ジローさんのマンガはそのカラーの絵がまた美しいんです。


谷口さんのカラーっていうのは、ものすごく細かくて繊細なんです。最近、全世界で谷口ジローさんの画集が初めて発売されました。これまでの谷口さんの作品に登場したカラー作品を集めたものなんですが、これが緻密で綺麗で素晴らしいんですね。イラストレーターにこれを頼んだら、たぶん1枚10万とか20万だと思うんですよ。ところが、これはマンガの1ページなので、カラーページだからちょっと高い、っていうだけなんですよね。よくこんなに緻密にやるな、って本当に思いました。採算度外視っていうのは、もう谷口さんのような人のことを言うんですよね。この「散歩もの」の表紙も1枚全部書いたのに、全部やり直してこっちにしたっていう(笑)。何というか…もったいないというか、そういうことに気を遣わないというか。損得というより、良い作品を残したいという誠実な方だったと思いますね。

若い世代の方にはあまり馴染みのない漫画家・谷口ジローさん。この機会にぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょう。


今年のアカデミー賞大本命、いよいよ日本でも公開!(2017/2/23)

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木曜日は、「カルチャー」。


まずは、2月18日(土)19日(日)の
全国映画動員ランキングトップ3をご紹介!



第3位『 一週間フレンズ 』(公開1週目)

第2位『 相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断 』(公開2週目)

第1位『 劇場版 ソードアート・オンライン−オーディナル・スケール− 』(公開1週目)


以上、先週末の全国映画動員ランキングトップ3でした。
そして、スタジオにはおなじみの映画ライター・よしひろまさみちさんをお迎えしました。今日は、今年のアカデミー賞大本命!いよいよ明日、2月24日より公開される映画『ラ・ラ・ランド』について伺いました。


高橋:映画「ラ・ラ・ランド」は、「セッション」のデイミアン・チャゼルが脚本・監督を務める作品で、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーン主演。今年のアカデミー賞では、最多タイ13部門14ノミネートの大本命!男女の夢と恋を描いた21世紀のミュージカル映画です。よしひろさん、この映画をひと言で表現すると?


よしひろ:もうこれは「ザッツ・エンタテインメント」な映画でして、誰が観ても心が躍り、胸に刺さるストーリーになっております。


高橋:そんな、ご自身曰く“「ラ・ラ・ランド」が好き過ぎてヤバい”というよしひろさんに、「ラ・ラ・ランド」3つのうっとり♪を伺いましょう。
まず、1つめのうっとりは…【 オリジナルのストーリー&大人のロマンスが素敵 】


よしひろ:はい。ストーリーを簡単に説明しますと、主人公は売れないジャズ・ピアニストのセブと、女優志望でオーディションに失敗ばかりしているミアの恋物語なんですが、ハッピーなだけのお話じゃないんですよ。恋はやっぱり“ビター&スイート”じゃないですかぁ!どっちもちゃんと描かれているところが素晴らしいんですよ。しかも主人公が夢を追っているふたりなので、夢を取るか恋を取るか、みたいな部分もちゃんと描いているという。だから、テイストとしてはかなり懐かしい感じがするんですが、内容はしっかり現代劇なので、いまの人たちが感情移入しやすいと思います。


高橋:さ、そして「ラ・ラ・ランド」2つめのうっとりは…【 映画愛に溢れている 】


よしひろ:ハリウッドの黄金期にオマージュを捧げている作品で、監督自身も言っていたんですけれど、なぜ今この映画を作るかというと、昔ハリウッドで作られていたミュージカル映画は完全にオリジナルの作品だったんです。いまはそういう作品が全くないということで、それをやりたい!というところからスタートしている作品で、古い映画へのオマージュもたくさん込められています。そして、この作品は「ラ・ラ・ランド(La La Land)」というタイトル通り、ロサンゼルスのあちこちで撮影されているんですが、オープニングのシーンは高速道路を2日間封鎖して撮影されたそうです。


高橋:「ラ・ラ・ランド」3つめのうっとりは…【 オリジナルの音楽が素晴らしい 】


よしひろ:そうなんですよ。この作品はオリジナルの音楽にもこだわっていて、サントラはもちろんアカデミー賞の作曲賞にノミネートされています。で、この作品「13部門14ノミネート」ってちょっと半端じゃないですか?これはどういうことかというと、歌曲賞で2曲もノミネートされているんですよ。もうそれ自体が異例のことですよね!これも主演のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが歌っていて、エマ・ストーンが歌っている「Audition」という曲は、撮影中に彼女が実際に歌ったものがそのまま使われているそうです。


高橋:私も一足先に映画を拝見したんですが、エマ・ストーンの歌が素晴らしくて、先ほどよしひろさんもおっしゃっていましたが、人生の厳しさも恋の甘さも全部歌ってる!もう、すごくロマンチックで甘くてせつないんですよねぇ。


中西:あの…ミュージカルがあまり得意じゃないんですが……そんな人はどうですかねぇ。


よしひろ:絶対に大丈夫です!だってみんな「恋ダンス」好きじゃん(笑)なので、いきなり踊るとか大丈夫でしょ!!皆さん免疫ついているので大丈夫だと思いますよ。


よしひろさんと万里恵ちゃん大絶賛のこの映画。中西キャプテンのように「ミュージカルはちょっと苦手」という方もぜひ、劇場の大スクリーンでご覧になってみてください!
今日は先週末の全国映画動員ランキングトップ3と、話題の映画「ラ・ラ・ランド」をご紹介しました。


「2017年本屋大賞」を大予想!(2017/2/16)

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木曜日は、「カルチャー」。


まずは、紀伊国屋書店 和書一般の
ウィークリーランキング ベスト3をご紹介!



第3位 『 自分でできる! 筋膜リリースパーフェクトガイド/竹井仁(自由国民社) 』

第2位 『 人生の「真実」に目覚める時/大川隆法(幸福の科学出版) 』

第1位 『 白石麻衣写真集 パスポート(講談社) 』


そして今日は、4月に発表される「2017年本屋大賞」のノミネート10作品から、オススメの小説を文芸評論家の杉江松恋さんに伺いました。


最初の小説は、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷(幻冬舎)」。こちら、杉江松恋さんが直木賞受賞を言い当てた作品です。


今回の10作品の中で2016年を代表する作品だと思っているのは、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」なんですけれど、青春小説でもありますし、音楽に関する才能を扱った小説の中でも、描かれた事がないタイトルですね。これは、浜松市が主催している国際ピアノコンクールをモデルに決勝までを描いた作品で、4人のピアニストがその中で才能を開花していくんです。読んでいると色んな形でその人が才能を開花していく場面が描かれているので、自分の中にあるものが刺激され、これからの人生を歩む上で前向きな気持ちをもらえる様な感じになります。とても読後感が良い小説。ピアノの演奏って、音楽ですから文字に直すのは非常に大変なことだと思いますが、ありとあらゆる手を尽くして、美しいピアノの演奏はどういうことかということが描かれていて、そのバリエーションだけでも楽しめると思います。

続いての小説は、森見登美彦さんの「夜行(やこう)(小学館)」。


夜行というのは、怪談の小説なんですよね。“やこう”もしくは“やぎょう”どちらか?読み方はカバーに書いてないのですが、一連の連作の大河がありまして、各編のモチーフとなっているのです。色々な怪奇現象が起きるんですけれど、傍らにはその「夜行」という作品が必ず飾られている、と。で、ある女性が失踪したという事件があって、何年後かに関係者たちがもう一度集まって、過去の話をしているうちにどんどん怪しいことになっていくという、非常に雰囲気のある良いホラーなんですよね。失われた青春、止まってしまった青春の時間の針が戻って動き始める時、というのがテーマとしてあると思うのです。で、もうひとつは色んなパターンの男女の関係が恐怖と言いますか、影がある描写とともに語られていく、という側面があるんですね。

3冊目は、森絵都さんの「みかづき(集英社)」。


みかづきというのは、昭和36年から平成にわたっての数十年に及ぶ、朝のテレビ小説のような非常に長いドラマなんです。理想の勉強の教え方みたいなものを思いついた男女が、学習塾を開いて奮闘していくという話で、大河小説として非常に面白いですね。三代に渡るのです。最初のゴロウとチアキという男女から何年後とかに、こうベクトルが続いていくのです。長い物語で登場人物も多いのですが、ひとつ1つのエピソードは完結して読めるようになっているので、そういった意味ではストレスなく読み進めることが出来ると思います。

最後は、原田マハさんの「暗幕のゲルニカ(新潮社)」。


原田マハさんは美術業界になじみのある方なんですけれど、非常に影響を受けたピカソの「ゲルニカ」という作品をテーマに、どういう風にこの作品が描かれ、美術館に置かれるようになったのか?ということと、現代の色んなところで戦争の影が忍び寄っているところもあったりして、それとこの「ゲルニカ」が描かれた当時のことを重ね合わせて書かれていて、現代の世情を描いた小説としても、大変優れていると思いました。ピカソのゲルニカの展覧会をしようという話が起きるのですが、実現するために動くと、政情などが絡んで上手くいかないんです。その実現のために美術館で働くのがこの作品の主人公です。サスペンスというのがひとつあるんでしょうかね。なんですが、そのピカソという非常に恋も多く、才能にも恵まれた特殊な人物が出てくるので、伝記的な要素もちょっとあります。

以上、文芸評論家の杉江松恋さんがオススメする4冊。皆さんはどの作品を手にとってみますか?「2017年本屋大賞」は4月11日に発表されます。
今日は「2017年本屋大賞」ノミネート作品の中から、文芸評論家の杉江松恋さんがオススメする小説をご紹介しました。

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