絵画の高額ランキング トップ5(2015/5/21)
木曜日は「カルチャー」。
先日、パブロ・ピカソの絵「アルジェの女たち」が
NYのオークションに出品され
芸術作品としては史上最高額で落札されました。
そこで今日は『絵画の高額ランキング トップ5』をご紹介!
金額はおおよその今のレート「1ドル=120円」換算でご紹介します。
第5位【 デ・クーニング「WOMAN III」1953年作品 】
オランダ出身でアメリカに渡った、20世紀のモダンアート画家、デ・クーニング。筆を思うままに走らせるなど、対象を描くより「描く行為」が強調された“アクション・ペインティング”という手法で知られています。
抽象表現と具象表現を行き来し、アルコールと女性に溺れる生活を送ったデ・クーニングのひとつの大きなテーマが「女」でした。
このデ・クーニングの「WOMAN III」は、2006年にアメリカのヘッジファンド運営会社の創始者が購入。お値段は1億3,750万ドル。日本円で165億円!
第4位【 ジャクソン・ポロック「No.5」1948年作品 】
アメリカの画家で抽象表現主義の代表的な存在であり、アクション・ペインティングの担い手でキャンバスにハケやコテで空中から塗料を滴らせる「ドリッピング」飛び散らせる「ポーリング」などの手法を用いた、ジャクソン・ポロック。
5位にランクインしたデ・クーニングとは、抽象表現主義の創始者として当初は同志の関係でした。「No.5」が描かれた1948年前後は、ポロックによってアメリカの抽象表現主義運動が開花した時代でした。こちらの作品は、2006年にメキシコ人投資家が1億4,000万ドルで購入。日本円で168億円です。
第3位【 パブロ・ピカソ「アルジェの女たち(バージョンO)」1955年作品 】
芸術作品のオークション史上最高額となった「アルジェの女たち」は3位。この絵はピカソがドラクロワの同名絵画をモチーフにキュビズムの手法で描いた裸婦像。バージョンAからOまである連作の1点です。
こちらの作品は、友人でライバルでもあったフランスの印象派画家、アンリ・マティス追悼のために描いたものと考えられています。先日のオークションで、購入者は不明ですが1億7,900万ドル、およそ215億円で落札されました。
第2位【 ポール・セザンヌ「カード遊びをする人々」1892年〜1893年作品 】
「近代絵画の父」と呼ばれるフランス人画家・セザンヌ。当初はモネやルノワールとともに印象派グループにいましたが、グループから離れて伝統的な約束事にとらわれない絵画用式を探求。多角的な視点の採用、対象の内面に迫るような形・色彩の表現など、印象主義的アプローチとは異なる革新的な表現方法で絵画を制作しました。
「カード遊びをする人々」は、タバコを吸いながらカード遊びをするプロヴァンスの農民たちを描いた絵で5点あり、こちらはそのうちのひとつ。2011年にカタール王室が購入していて、その額は2億5,900万ドル以上、310億円以上です。作品は今後、カタール国立美術館に展示される予定だとか。
第1位【 ポール・ゴーギャン「ナフェア・フェア・イポイポ(いつ結婚するの)」1892年作品 】
19世紀後半に活躍した、フランス後期印象派の画家・ゴーギャンは、ゴッホと共同生活を送ったこともある人物。しかし、西洋文明に絶望し、楽園を求めて南太平洋の島に渡り、貧困と病気と闘いながら描き続けました。同時代の画家に評判の良くなかったという、西洋絵画に問いを投げかけたゴーギャンの作品は、後世になって広く受け入れられます。
「ナフェア・フェア・イポイポ(いつ結婚するの)」は、初めてタヒチを訪れたときに制作した作品だそうで、現地の若い女性ふたりが語り合う様子が描かれています。今年1月、こちらもカタール王国が購入したのでは、ということです。お値段は3億ドル、日本円で約360億円です。
今日は『絵画の高額ランキング トップ5』をご紹介しました。