日本企業の「働き方改革」は“モヤモヤしている”?(2017/8/24)
木曜日は「カルチャー」。
今日は[ブックファースト]の8月14日〜20日まで
1週間のビジネス書セールスランキング トップ3をご紹介します。
第3位 『 図解 モチベーション大百科 』池田貴将(サンクチュアリ出版)
第2位 『 20代の生き方で人生は9割決まる! 』金川顕教(かんき出版)
第1位 『 これで金持ちになれなければ、 一生貧乏でいるしかない。−お金と時間を手に入れる6つの思考− 』金川顕教(ポプラ社)
以上、[ブックファースト]の8月14日〜20日までのビジネス書セールスランキング トップ3でした。
そして今日は、このところ盛んに言われる「働き方改革」や「ワークライフバランス」。その道の専門家にお話を伺いました。
スタジオにお迎えしたのは、業務改善・オフィスコミュニケーション改善士の沢渡あまねさん。沢渡さんは日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社などを経て、2014年に「あまねキャリア工房」を設立。企業改善のコンサルタント、公演活動を行っています。また、「職場の問題地図」「仕事の問題地図」などの著作が話題となっています。
中西:電通若手社員の過労死事件以降、多くの会社が「ワークライフバランス」に取り組み始めました。「残業するな」「有休や代休は消化しろ」といった、急な「働き方改革」によって、現場はどんな状況ですか?
沢渡:ひと言でいうと「モヤモヤしています」
中西:「ワークライフバランス」は、働き手としては望むものです。それを実現するためのいまの日本企業の取り組みに対して、沢渡さんは著書「職場の問題地図」の中でダメ出ししていますよね?
沢渡:先ほど「モヤモヤしている」と申し上げましたが、簡単に言うと、仕事量は変わらないのに「残業するな」と。これはどうしろというんだ!ということですよね。仕事は減らないし、会議がなくなるわけでもないと。日本の企業や自治体、官公庁などは「制度」と「スキルアップ」このふたつはだいぶ進んできていると思います。ところがそれだけでは上手くいかなくて、改善が必要なのは「仕事のやり方」を変える、それから「場」ですね。改善を話し合える場がまだ足りていないように感じています。
中西:一方で、職場や仕事に不満を感じていたとしても、すべてが会社や環境のせいではなく、個人の問題もあると思います。沢渡さんがコンサルティングで多くの企業を見ていて、働き手ひとりひとりが改善した方が良いと考えているのはどんなところでしょう?
沢渡:そうですね。これは3つあると思います。ひとつは「ひとりで一生懸命、ムダに悩んでしまう日本人」。仕事を受けたとき、渡すときにコミュニケーションを取ることが大事なんですね。加えてヘルプを言えること。次に「ムダな習慣やこだわりを捨てられない」。毎日行う必要のない会議とか「これはムダだよね」と言える雰囲気を作っていくことも大事かなと思います。最後に「ムダをムダだと気づけない」こと。例えば誰も見ていない報告書を毎日作成していたりとか、習慣化してしまっているとムダをムダという機会が減っているのが問題だと思います。
高橋:「仕事」と「働き方」の問題が取り上げられるとき、多くの場合、日本とヨーロッパの国々との労働時間の違い、休暇日数の違いが取り上げられます。
例えば、車1台を製造する時間にしても、日本がヨーロッパ諸国より何倍もかかるということはないと思います。これほどの違いは、どんなところから生じているのでしょう?
沢渡:これですね、日本は「間接業務」が多すぎるんです。例えば、報告のための報告のための報告資料を作る、とか。打ち合わせはとにかく全員集まっておけ、とか。目に見えない間接業務がとにかく多いですよね。
中西:最後に、仕事場をより良い環境にするための一番大きなポイントは何でしょう?
沢渡:ズバリ「言える化」です!チームのメンバー、上司と部下などお互いに「これはムダだから変えよう」と言えるかが重要ですね。
そんな「言える化」についても書かれた、沢渡さんの最新著書「職場の問題かるた〜“言える化"してモヤモヤ 解決!〜」は9月15日に技術評論社より発売されます。
今日のお話が気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。