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住野よるさんってどんな人?(2017/6/1)

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木曜日は「カルチャー」。


今日は紀伊國屋書店の5月度
文庫・新書のマンスリー
ベストセラーランキングTOP 3をご紹介します。



第3位 『 リバース 』湊かなえ(講談社文庫)

第2位 『 虚ろな十字架 』東野圭吾(光文社文庫)

第1位 『 君の膵臓をたべたい 』住野よる(双葉文庫)


以上、紀伊國屋書店のベストセラーランキング TOP3でした。
1位の住野よるさんの「君の膵臓をたべたい」は、2年前の6月に刊行されたデビュー作。1年で60万部を超えるセールスを記録して、映画化が決定。2016年の本屋大賞では2位となり、先月文庫版が発売され、こちらも大ヒットしています。
今日はスタジオに、双葉社で住野よるさんを担当している編集者の荒田さんをお迎えして、この作品の魅力とヒットの理由について伺いました。正体不明の作者、住野よるさんについても伺います!


高橋:まずは「君の膵臓をたべたい」について、簡単にご紹介します。
ある日、主人公の「僕」は病院で文庫本を拾います。それは、クラスメイト・山内桜良の日記帳でした。そこには、彼女は膵臓の病気で余命が短いことが書かれていました。そうして、人とは関わりを持たずに生きた「僕」と、いつも明るく快活な桜良との交流が始まります…。


高橋:住野よるさんは、この小説で何か賞を受賞してデビューしたのではなく“いまの時代”的なデビューのきっかけだったようですね。


荒田:はい。もともとこの「君の膵臓をたべたい」という作品で、いくつかの文学賞に応募されていた様なんですが、それがなかなか上手くいかずに、ネットの作品投稿サイトにこの作品を投稿して、それを私が読ませていただいた…という経緯なんです。

高橋:私は文庫で読ませていただいて、とてもこの作品に引き込まれたんですが、荒田さんご自身は初めて読まれたときにどんな思いでしたか?


荒田:「君の膵臓をたべたい」という、一見おどろおどろしいタイトル、これが主人公の「僕」が最後にヒロインに送ったメールなんですが、そのメールの意味が最後に読み終わって分かったときに、このおどろおどろしいイメージだったタイトルが、何とも美しい感動的な言葉に変わってしまうんです。こんな体験は他の本では味わえないんじゃないかなぁという、そこにすごく感動して「これは絶対に本にしよう」と思いましたね。

高橋:その後、世に出たこの「君の膵臓をたべたい」はどのくらい売れているんですか?


荒田:累計で140万部を超えています。

高橋:その後に刊行された3作品も話題の住野よるさん。作品世界のどんなところが受けていると思われますか?


荒田:よく10代の女の子から頂くのが「なんで私たちの気持ちが分かるんですか?」という感想で、そういった圧倒的な“共感度”が、熱烈なファンを生んでいるのではないかと思います。

高橋:私、作品はもちろんなんですが、住野よるさんご自身もとても気になるんです。Twitterを見ていると「僕」という一人称なので男性?なんですよね??


荒田:そうなんです。正体不明なので、デビュー当時は女性作家さんの特集コーナーに置かれていたりもしたんですが(笑)正体を隠されている理由は、作品の前に作者のイメージが出てしまうと、全部がその作者の印象に持って行かれてしまうから、純粋に作品を読んでいただきたい、という理由があるようです。

高橋:そしてこちらの映画化作品の公開が7月28日ということで、こちらはもうご覧になりましたか?


荒田:浜辺美波さん、北村匠海さんというフレッシュなふたりと、小栗旬さん、北川景子さんという豪華な俳優さんに演じていただきまして、原作のイメージ通りのキラキラとした輝きが楽しめる作品に仕上がっていると思います。

高橋:はい!映画も楽しみにしています。ぜひ皆さんにもあのキラキラとした感じを味わっていただきたいですね。


住野よるさんの「君の膵臓をたべたい」は文庫版も好評発売中。映画は7月28日より公開されます。あなたは小説と映画、どちらから“キミスイ”を味わいますか。