欧米で拡がる若者のスタートアップ 日本はこの流れに乗れるのか(2016/8/25)
いま押さえておきたい最新の話題にフォーカス、人気の秘密に迫ります。毎週木曜日のテーマは「カルチャー」です。
今回は、アメリカのウェブメディア「ポエツ&クォンツ」が発表した、『MBA取得者があこがれる起業家ランキング』をご紹介します。
第3位【 スティーブ・ジョブズ (Apple) 】
第3位【 ビル・ゲイツ (Microsoft) 】
第2位【 シェリル・サンドバーグ (facebook) 】
コンサルティング会社のマッキンゼーに勤めたのち、Google副社長を経て、facebookでCOOを勤める女性経営者です。
第1位【 イーロン・マスク (Space X) 】
インターネット決済サービスPayPal、電気自動車メーカーのテスラモターズ、ロケット・宇宙船の製造・運営企業SpaceXの創立者です。
最近、欧米の若者の間で盛んに使われる「start up」=「起業」という言葉。
彼らがめざすのはランキングに名を連ねるようなレジェンドたちです。世界、そして日本のスタートアップの状況を、IT企業役員でありお笑いタレントでもある厚切りジェイソンさんに伺いました。
厚切りジェイソンさんは、5月に幕張で開催された世界最大級にスタートアップイベント「Slush Asia 2016」に参加しています。
◆シリコンバレーに見る「里帰り」の傾向
厚切りジェイソンさん 会社を作るハードルがだいぶ低くなりましたね。昔だと、多くの資金が必要でした。機械を購入し、人を雇って起業することが一般的でした。しかし、インターネットが普及したことによって、少ない資金で、人やサーバーなど必要なものだけで起業できるようになりました。
クラウドソーシングなどのビジネスモデルもあり、最低限のコストと最低限のコミットで起業できるようになりました。もともと、インターネット系企業のスタートアップはシリコンバレーから始まりました。ビジネスで成功すると、成功したことで得た資本で投資を行い、さらに自分の経験やメンター、投資家も活用しビジネスの幅を広げていきました。
これまではシリコンバレーに人が来ていましたが、今では、里帰りのように母国や出身地に戻って貢献したいという人が増えています。最近では、シリコンバレーのようなイベントやコミュニティが各地へ拡がっていく光景が見られます。
あこがれのスタートアップ成功者、アメリカであればPayPalの創業者、ピーター・ティールとイーロン・マスクの2人でしょうか。
PayPalというサービスはインターネット上で支払いができる仕組みです。PayPalができるまでは、安全にインターネット上で支払いができるサービスがなく、消費者は支払いを躊躇すること多くありました。
PayPalを創業した2人は、その後それぞれ、別の企業で役員を務めます。イーロン・マスクはテスラ自動車、SpaceXの創業社長となります。PayPalで成功したあとに、自身の専門であるエネルギー問題と宇宙ビジネスに取り組んでいます。
◆日本のスタートアップの現状は
厚切りジェイソンさん 「Slush Asia 2016」にスピーカーとして参加しました。
日本の会社、日本人の参加が少なかったですね。まだスタートアップの勢いは日本では弱いと思いますね。
日本の大手企業には年功序列や上下関係によって仕事は言われた通りにやらなければならないなど文化がありますよね。それではあまり進化が起きないですよね。
日本の企業がこれからグローバルにビジネスをしていくためにはスタートアップしかないと思います。
スタートアップは、これまでのように大人数で話し合い、稟議書をまわして、誰一人責任をとらずに、みんなで決まったことだからとするのではなく、スタートアップが大きく成功することによって、よりフレッシュな意義を持ってる若者がより早い段階で大きくリスクを起こせて、革命を起こすことが可能です。
うまくいかなくてもそれを分析して、どうしたらうまくいくかを考えて、それを実行し良い結果を出すようにする。
日本の若者に期待するしかないですね。やってるくれるかどうかは若者しだいですけどね。
中西 社会を変えるアイデアも実現しやすい時代になってきたようにも思います。どんなスタートアップ企業が日本から出てくるのでしょうか。まだ日本には自由にできない風潮もありますが、できないと思うのではなく、できると思う気持ちがまずは大事だと思います。