木曜日は、「カルチャー」。
今月に入って福島第一原発では、放射線量毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)を
計測しました。
東日本大震災から5ヶ月、原発事故への不安は消えない中、
書店では原発に関する本が売れています。
三省堂本店では、原発関連書籍コーナーを設けています。
今日は、『東京 神保町 三省堂本店 最近1ヶ月の原発関連書籍 売り上げランキング』。
第3位「 「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたか」開沼博 (青土社)
著書は福島県いわき市出身の社会学者。
戦後、国−地方自治体−地域という3者の関係の中で、なぜ原発を内包する土地=原子力ムラが生まれたのか?
「原子力ムラ」を通して、戦後日本の成長神話と、地方服従のメカニズムを明らかにする1冊。
原発問題の温床となったものは3月11日以降、何も変わっていないのかもしれない…。
第2位「報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪」上杉隆・鳥賀陽弘道 (幻冬舎)
東日本大震災が引き金になった福島第一原発の事故後、「格納容器は健全に保たれている」
「ただちに健康に影響する値ではない」、政府・東電の情報をそのまま流してきた記者クラブ。
「安全デマを垂れ流し、多くの人々に被爆させた、記者クラブ報道の罪は殺人に等しい」。
2人のジャーナリストが、日本人が自らを守り、生き抜くために、手に入れるべきメディアリテラシーとは何かを唱える。
第1位「原発はいらない」小出裕章 (幻冬舎)
福島第一原発は今後どうなるのか。
40年、原発の廃絶を主張してきた著書が、最悪の場合、福島の原発事故が日本全土を汚染すると警告。
さらに、原発に替わる新エネルギーについても言及する。
渾身の力を振り絞って、原発廃絶の思いを綴った覚悟の書。
小出裕章さんは、京都大学原子炉実験所助教授。
還暦を超えて「助教授」なのは、ほとんどの人が安全を信じていた時に、
一貫して「反原発」を訴えてきたからだとみられています。
その“民意”は正しいものではなかったことは、原発説明会などでの一連の“やらせ”問題で分かりました。
小出さんは原子力に夢と未来を感じて専門家を目指しましたが、事実は違うと感じて、
反原発の立場をとるようになった方です。
昨夜の夜、その小出裕章さんに電話でインタビューしました。
3月11日から5ヶ月経った今、国民に伝えたいことは何なんでしょうか?
「私は、京都大学原子炉実験所というところで、放射線の管理区域という場所で、仕事をしています。
管理区域の外に持ち出してはいけないというような汚染をはるかに超えた汚染が、すでに福島原発周辺に
膨大に広がってしまっています。東京もある意味そうです。ホットスポット的に汚れているところがあります。
東京・千葉等々もそれに含まれていまし、福島県の半分以上は、そのような状態にあります。
一体、原子力発電所というものが、どういうものなのか、皆さんにもう一度、考え直して欲しいと思っています。
放射能というものは、どんなに微量でも危険があります。
それぞれの人の周りに、放射能がだんだん忍び寄ってきている中で、どのように生きればいいのか、
どのように子どもたちを守ることができるのか、という不安の中で、皆さんが生きているんだと、私はみえます。
福島の方々にとっては、今まで生きていた場所から避難をする、ということをすると、
例えば、子どもだけ避難させるなら、家庭が崩壊してしまいます。
家族がみんなで避難しようと思うのであれば、今度は仕事、いわゆる収入源が絶たれてしまうという危険があって、
あるいは、農業・酪農業をやっている方々にとっては、その土地そのものが命ですので、
避難すればそのまま生活が崩壊してしまう、ということになるわけですから、とても選択が難しいと思います。
なんとか、子どもたちを守らなければいけないと、私は思います。
今夏休みになっているということで、せめて夏休みの間だけでも、福島の子どもたちが本当に
楽しく過ごせる場所というものを、関西で提供するとか、そのようなことをやって欲しいと思います。」
小出裕章さんのお話を伺って、中西哲生さんの感想は…
「子どもたち、つまり未来に対して、どういうことをしていけるか、今後我々の課題となりそうです。
実際、今回の原発で、問題が起きているんですが、日本全国、世界にもこの問題が波及している中で、
どういう風に、この原子力、原発の問題に向き合っていけるか、ということを問われていると思いますし、
我々自身が今回に対して言うと、情報というところで、自分たちで何を選定しながら信じていくのか、
というところも今後問われていくと思います。」