ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2015年2月8日のショートストーリー

「気は長〜く、心は丸く、腹は立てずに！」

[ストーリー]

そういえば、彼が怒っているのを見たことがない。

今日だって、私がデートに１時間遅刻をしたのに
まったく怒らなかった。
誕生日を間違えた時も、
記念の指環を失くしてしまった時もそうだった。
逆の立場だったら、
絶対にケンカになっているはずだ。

私は、レストランで料理が来るまでの間、
いつも通り穏やかに笑う彼を見ながら、
そんなことを考えていた。

それにしても、なかなか料理が運ばれてこない。
いくら忙しくても、こんなに時間がかかるとは思えない。
しびれを切らした私は、店員を呼ぼうと手を挙げた。
その時、彼が言った。

「気は長〜く、心は丸く、腹は立てずに！」

それは彼のお父さんが、学校の先生に言われた言葉で、
小さい頃からずっとそう教わってきたそうだ。

なんだか、小さなことでイライラしてしまった自分が
急に恥ずかしくなった。
それと同時に、彼にそう教えたお父さんに
会ってみたくなった。

大阪府「のんたん」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・杉山錠士

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