ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2014年12月28日のショートストーリー

「失くしたものを数えるな。残されたものを最大限に活かせ。」

[ストーリー]

高校時代、
サッカー部のキャプテンとマネージャーだった僕たちは
卒業してからも、時々会っては
互いに仕事や恋の相談をしてきた。

そんな彼女が、ずっと夢だと言っていた仕事を辞めて
実家に帰るという。
家庭の事情で急遽、家業の喫茶店を継ぐことになったのだ。
こういう時こそ、僕が元気づけてあげないといけない。

ところが・・・目の前の彼女は、
いつもと同じように勢いよく焼肉をほおばっている。
ずっと一緒にいたからこそ、空元気でないことはわかる。
そして、不思議そうに見ている僕に笑って言った。

「失くしたものを数えるな。残されたものを最大限に活かせ。」

それは、高校最後の試合。
エースがケガをして途中交代してしまった時に
先生に言われた言葉だった。

それから彼女は、
どうすれば素敵な喫茶店をやっていくことができるか？
想いを熱く語り始めた。

そういえば、あの時もこの前向きさに救われた。
励ますつもりで来たはずなのに、
僕の方が励まされてしまった。

熊本県「しなぢる」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・杉山錠士

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