ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2014年8月3日のショートストーリー

「一度出会ったら、一生のつきあい」

[ストーリー]

同僚の大友は、名前に「友」の字がつく通り、
友達が多い男だった。
後輩の面倒見も良く、
「頼れる先輩」というのは
こういう男のためにあるのだと
いつも思っていた。

僕は大友に、一度、なぜそんなに人に優しいのか、
聞いたことがある。
すると、大友は、少しためらい、
そして、静かに、中学時代の話をしてくれた。

元々は、引っ込み思案で、
転校先のクラスになかなか馴染めず、悩んだ日々があったこと。
その時、担任の先生のくれた言葉が、
彼が心を開く後押しをしてくれたのだという。

「一度出会ったら、一生のつきあい」

その言葉に勇気をもらった大友は、
それから、一対一のつき合いを大切にしてきた。

そんな大友が家族のために会社を辞め、
田舎に引っ越すと言って来た。
僕は、一番の仲間を失うような寂しさを感じながらも、
彼が選んだ選択を誇りに思い
そして、最後の出社となる今日、
今度は僕が、あの言葉を彼に送ってやりたいと思った。

埼玉県「きりきり」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・永坂久美

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