ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2014年6月1日のショートストーリー

迷うということは、幸せなこと

[ストーリー]

よく晴れた、日曜の昼下がり。
部屋から見える公園、子供たちの遊び声・・・
私は一人で窓の外を眺めながら、
昨夜のことを考えていた。

付き合って三年になる、彼からのプロポーズ。
ずっと待っていたはずなのに、すぐには返事ができなかった。
結婚をすることになれば、
彼の転勤先であるロンドンに一緒に行くことになるから。
私は仕事を辞めなければならない。

窓から青空を見上げ、目を閉じると
爽やかな風がやさしく頬を撫でた
子供たちの笑い声に誘われて、小学生の頃を思い出す。
そして、卒業式の日に、
大好きだった先生から贈られた言葉が、頭をよぎった。

「迷うということは、幸せなこと。」

本当にその通りだった。受験に就職、いまは結婚するかどうか。
どれも、贅沢な悩みなんだよね。

私は幸せ者！
そう自分に言い聞かすと、
部屋の中を、６月の太陽が明るく照らした。

東京都「マスプー」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・菅井章博

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