ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2013年7月28日のショートストーリー

「今日がんばれた人に、いい明日が来る」

[ストーリー]

公園のベンチに座り、ペットボトルの水を飲む。
就職活動。なかなか内定がもらえない。
蝉の大合唱が、私の焦りを大きくする。

黒いジャケットを脱いで汗をぬぐう。
白いブラウスが背中にはりついて気持ちが悪い。
あと二つ、面接をひかえていたが、体が重かった。
立ち上がる気力もないほど、ガックリと首をうなだれていたときだった。
大きな掛け声とともに運動部の学生たちが走ってきた。
石段を勢いよくあがっていく。
あ、そうだ。思い出した。
中学３年のとき、卓球部だった私。大会が近づいて練習が厳しくなり、
ヘトヘトに疲れていた私に、先生はこんな言葉をくれたっけ。

『今日がんばれた人に、いい明日が来る』

さっと心地いい風が、私の髪を揺らした。
私は立ち上がり、一歩前に足を踏み出した。
蝉の声が今度は背中を押してくれる。
そうだよね、先生。今日やれることを、精一杯、頑張ります。
ありがとう！先生。

岩手県「サントス」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・北阪昌人

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