ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2013年3月24日のショートストーリー

「自立はしても、孤立はするな」

[ストーリー]

美容師になるのが、夢だった。
就職を決めたのは、都内にたくさんのお店を持つ美容院。
個室の寮も完備され、仲間もいるので安心だと思った。
親元を離れる不安はあった。
「何も東京にいかなくても」
お父さんは反対した。
現実は想像より厳しかった。
先輩から叱られる。仲間はライバル。手と一緒に心もどんどん荒れていく。
いつしか私は誰とも打ち解けて話すことができなくなっていた。
お父さんから電話が来ても、「だいじょうぶ」と言うだけ。
なんでも自分ひとりでやってみせる。
孤立・・・という文字が頭に浮かんだとき、私は高校時代の担任の先生の言葉を思い出した。先生は言った。
『自立はしても、孤立はするな』
そうか・・・私、間違えていた。自分から殻をつくっていた。
できないことを同僚に相談してみる。
お父さんに電話をかけてみる。
それだけで、毎日が少しずつ楽しくなってきた。
ありがとう、先生！

兵庫県「虹色ナナ」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・北阪昌人

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