ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2015年5月31日のショートストーリー

「誰かにではなく、自分に期待しなさい」

[ストーリー]

「ただいま〜。」

久しぶりの同窓会から帰ると、
夫は初めて娘と二人で料理を作ったと
楽しそうに話してくれた。
でも、その料理は二人分。私の分はなかった。

私だったらそんなことしないのに。
一緒に食べたかったからご飯を食べないで帰ったのに。
自分で作るのもばからしくなって
近くのコンビニに弁当を買いに行きがてら、
母に電話をして不満を言った。

最初の内は黙って聞いてくれていた母だったが、
しばらくすると、私にこう言った。

「誰かにではなく、自分に期待しなさい」

それは母が小学生の頃、学校の先生に言われた言葉で
それを胸に家族のことをやってきたという。

「同窓会に行けただけでもよかったんじゃない？」

言われてみれば確かにそうだ。
そもそも家で一緒に食べる約束もしてなかったわけだし。
勝手に期待していた自分を反省して夫に電話をした。

「今日はありがとう。ご褒美のスイーツは何がいい？」

北海道「天気雨」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・杉山錠士

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