ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2014年12月7日のショートストーリー

「進むべき道は自分にしかみえない」

[ストーリー]

私を姉のように慕ってくれている姪の涼子が
珍しく電話をかけてきた。
何だかはっきりしない物言いに
私は、美味しいものでも食べに行こうと誘った。

店に入り、他愛もない話で時間が過ぎていく。
中々本題に入れない彼女を見て
私が切り出してみると、
堰を切ったように、言葉が溢れてきた。

私と同じように化学の研究の道に進みたいこと。
その一方で、
早く家庭をもってもらいたい、という母親の願い。

「どうしたらいいのか、わかんない」
そういって頭をもたげた涼子から、
シングルマザーとして育ててくれた母への想いが伝わってくる。

私は、自分が高校時代、
進路で悩んだ時に、先生からもらった言葉をかけてやった

「進むべき道は自分にしかみえない」

私の言葉に顔を上げた涼子は、
何かを決めたように、ゆっくりと、深くうなずいた。

どんな選択をしようとも、
自分の進むべき道を見つけた彼女を
私は、陰ながら応援したいと思った。

長崎県「ぽんず」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・永坂久美

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