ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2014年4月13日のショートストーリー

「動き出せば景色が変わる」

[ストーリー]

「わたし、やっぱり向いてないかも」

放課後、誰もいない教室で、ユミはそう呟いた。
「何か言った？」と聞こえない振りをしても、返事はない。
そして彼女は、ハッキリとした声で言った。

「美容師の夢、諦めようかな」

高校３年生になり、
ユミとはよくお互いの夢を語り合っている。
でも最近、
ユミは専門学校に進むことを、ためらいはじめていた。
理由は、美容師を目指している先輩に、
アシスタントの苦労話を聞かされたから。

私は、親友として、ある言葉を贈ることにした。

「動き出せば景色が変わる。
むかしマラソンが苦手で、すぐに走るのをやめてしまったとき、
体育の先生に言われた言葉
おかげで、一生懸命やれば楽しめるって気づけたんだ」

次の日。教室に入ると、
はにかんだ笑顔で、ユミがこう言った。

「もう決めた。動き出すことにしたよ」

大分県「ペペロン」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・菅井章博

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